見出し画像

東大生に共通する10の性質

<アプデ感想>
下記も5年前の今くらいの記事です。東大に行けるかどうか、という意味では、努力次第ではほとんどの方が行けると思います。が、その一方で、東大生の共通則やこういう性質はあったほうが良い、というのはプロ目線ではいくつかあります。

ざっくりではありますが、下記に10の性質をまとめてみたのでご参照ください。このうち、3から5つくらい持つように心掛ければ、東大くらいなら(理3はまた別)いけると思います。


<以下、本文>

 今日は、皆さんにも参考になる形で「優秀な子が持つ共通性質」をあげてみたいと思います。


 題して、「東大生が持つ10の性質」です。

 なんか書籍みたいなタイトルになってしまいました。似たようなタイトル、一杯ありそう(笑) 


 先日、某有名大学付属校に通うある生徒との会話から着想しました。そういえば、「東大生によくある性質」ってあるよな、君たちはWだから、優秀だけどない、もしくは甘いよね、東大生との決定的な差があるな、と。(なんて嫌味な会話だw)


 そこから、指導の実感・経験から思い当たる点を、まとめてみました。すると、大事なもので10個、そうでないものでも「まああると有利」という性質がさらに10、という感じになりそうです。まあ、僕の指導経験がさらに積みあがれば、改訂するかもしれません。


 この仕事をやっていると、東大を目指してきた僕から見える風景が当たり前ではないことがわかります。

 「定期テスト2週間前から勉強するのは普通じゃなかった」とか、「みんな『読めばわかる』ってわけじゃないんだ」とか、発見の連続でして、自分が当たり前にしてきたことのいくつかは、大勢の生徒には当てはまらないことを20代以降、本当に数多く発見してきました。


 20代のころは、塾での集団授業(特に小4)がある種、修行のような毎日で、いろいろと目から鱗が落ちまくった日々なのでした。受験内容を自分の言葉と感覚で全員にしっかり理解させるのは、本当に難しかったです。(だから、逆に東大生や早慶上智のような子にはおススメのバイト)


 今では、膨大なコンサルの案件のおかげもあって、バランス感を持って生徒を見れるようになりましたが、やはり多くの生徒を見ると、僕が東大まで行けたのには理由があったとはっきり思えましたし、それがゆえに、「東大生に多い性質」が浮き彫りになっています。


 ざっと、重要なもので10項目。このうち、5個以上当てはまれば、東大や医学部など、少なくとも勉強の世界では、トップ層に行きやすいことと思います。挑戦すべきです。(僕は8から9項目満たしています)


 まあ、所詮、僕からみた所感に過ぎず、メタ的なデータを採ったわけでもないので、サンプル数1の観察結果だと思っていただければと思います。


 おまけでさらに数項目増える予定です。この性質があまり無い方は、どの性質なら自分に手に入りそうかを検討したり、作戦・戦略を立ててみたりして欲しく思います。


 東大・京大・医学部まで行く方というのはこのような性質を持っているものなんだな、となんとなくでも思ってもらえればと思います。

 サピのアルファの子なども、分析しやすくなることでしょう。頭がいいのに落ちる子、知能は高いのに結果がイマイチな子、などのヒントもここにあると思います。


 皆さんが大事に思うものと少しズレがあるかもしれませんし、東大や京大出身の方は逆に納得してもらえることと思います。一つ一つが記事になってもいいくらいのボリュームですので、すこしずつ書いていきます。


 この記事が、勉強や青春を送る上で、みなさんの指針になれば幸いです。



1、自分が普段使わない言葉でも、読解できる

 ……この性質がまず最初に来ます。日本語(母国語)を読んで、読解し、そこから自分なりに考えられる能力です。


 ホリエモンとして有名な堀江貴文さんもよく嘆いておられますが、多くの日本人は例えばTwitterの140文字前後ですら、「正しく」読めない方が多いようです。

 それゆえに、口頭で伝える動画の方がアクセスが稼ぎやすい部分があり、ユーチューバーの全盛につながっています。出版業界でも、本来の作家の言語能力より数段落として、セールスを伸ばさねばならない現実もあるようです。


 堀江さんは、全体の2割くらいしかちゃんと読めていないんじゃないか、との実感をよく言われていますが、僕もその通りだと思います。2割というと、受験でいうところの偏差値60(まあ全統模試くらいの60というべきか)くらいのイメージで良いと思います。


 確かに、偏差値60くらいより上の子と下の子では、僕でも教え方はがらりと変わります。基本的な言語のコミュニケーションができる子と、それができないがために、こちらの言語レベルを下げる必要がある子、の違いは結構大きいです。「ある」側の子は、同じ時間でも多くの問題を解いたり解説したり、しょうもない四方山話をすることができ、それがさらに学力につながっていきます。


 また、概して読解ができる子は、「他人の話」も正しく聞いてくれます。大人の話も要諦をつかんで、メッセージを受け取ってくれやすいのです。


 そういう子は、授業内容も他の子よりたくさん持って帰ってくることができます。高校生くらいになると、そこから「こいつ(先生)の話は意味がない」「教科書よんでるだけ」などがわかるようになり、授業中に自分で勝手に問題をすすめたり、授業中に教科書を読んでおく、などの対応も柔軟にできることにつながります。


 この性質が小学期からある子はやはり強いです。授業で全部を理解して帰れば、宿題もすぐ終わるし、演習量も少なくていいし、そもそも演習が苦ではないでしょう。


 このようなブログでも、長文だと嫌がる方が多いと思います(最近長くてすいません)。読んでも曲解していたり、自分の理解しやすいように解釈している方も多いことと思います。「本当に正しく読めているか」は、大人でも大事な問題なのです。


 東大の入試問題では、基本的に長文問題文の読解→解釈→理論・作戦立て→解答を論述・作成、の順番で処理しないと解けません。丸暗記が通用しません。

 その最初の段階である、「読解」の部分で問題文中に結構ヒントもくれていたりするのですが、その当たり前の「ヒント」を拾える人間とそうでない人間で合否が分かれます。


 僕にとっては、ケアレスミスを誘うセンター試験の形よりも、東大の二次の方が気が楽でしたし、解いていて楽しい部分はありました。ただ、今後は大学共通テストも各入試も、読解を問う方向に進んでいくことでしょう。


 まずは基本的に「読める」こと、これが東大生の大きな性質の一つです。読書をしていなくても、解釈ができる方などは、この性質を満たしていたりもしますが、基本的には読書を薦めていきたいと思います。


 

2、二面性を考えられる、忖度(そんたく)できる

 ……世の中の物事には、「見えるものと見えないもの」「善と悪」「陰と陽」など、必ず二面性があります。普通にご飯を食べていても、「その米は誰が作って、誰が運び、誰が売り、誰が買って、誰が調理したのか」と見えないものには無限に世話になっているものですが、気づかないし、想いもそちらに向かいません。


 気が付かないが、いろいろなモノが裏でうごめいているものなのです。ここに意識がいく子と行かない子で非常に分かれます。


 これはひいては、「思いやり」「お陰様」というありきたりな能力としても発現します。

 自分と違う立場や考え方の人の気持ちなどを忖度する能力、と言いかえることもできるのです。中途半端な秀才や天才で、後年に失敗する子には、この能力が欠けている方が多いです。

 10代のころにはあっても、おっさんになるに従って失くしてしまう方も多いようです。


 僕自身は、自分を振り返ると、10代のころに十分にあった、とは言えません。バンドや音楽活動を通じての方が、そのあたりを学べています。


 この能力を持つ子がなぜ東大に多いかというと、そういう出題傾向の問題が最近になって増えているのもあります。


 センター試験の国語ではここ数年、明治期や昭和初期の方の小説や論説からの出題が増えています。これは、今の10代の子たちに馴染みのない時代人の文章を読んで、その気持ちをわかってあげる、主義主張をその立場に立って理解してあげる、という基礎的な能力が問われているのです。


 基本的に東大卒の官僚の方は忖度の力が強いと思います。問題になるごく少数の方で欠如した方はいらっしゃるでしょうが、おおむね、知り合いなどを見ても、上(司)の言いたいこと、言いそうなこと、を「忖度して」先回りして、動ける方が多いように思います。

 それゆえ、他人の立場を慮りすぎて、押しが弱くなる傾向もあるようですが、やはり優秀な人間は多いと思います。


 子供では、身近な父親や母親の気持ちになれるか、その視点に立てるか、で結構分かれます。親視点(自分はどういう子に映っているだろうか)に立てる子は、国語も伸びてくることでしょうし、出題者の意図を先読みして、完全な解答を出す能力に長けます。ここに気づいた方から、優秀層に入っていきます。


 どんな物事でも、まずは「良いところと悪いところ」を両方、探してみましょう。



3、手計算が速い→頭の回転が速い→瞬発性が高い

 ……僕は幼児教育としては、公文式をすすめることが多いのですが、その理由のうちの一つがこの性質を獲得しやすいからです。


 中学受験では計算が遅いと、結構困ってしまうのですが、高校以降になると、実はそんなに困りません。大学共通テストで満点を目指すような子のみ、時間と戦うことになりますが、二次試験では時間はゆっくりやってもなんとかなることの方が多いです。


 ただ、計算をきっかけにして、脳の「ワーキングメモリー(一時的にメモリーしておく脳の力)」と言われる能力を鍛えておくと、普段の宿題や定期テスト勉強のクオリティに影響します。


 一般に言うところの頭の回転の速さ、といっても良いと思います。これをある程度は鍛えておいた方が良いです。(ワーキングメモリーは鍛えれば伸びることが確認されている)


 また、東大をはじめとする国公立大では、数学の履修が文系でも必須です。高校数学では、複雑な数式を扱うので、暗算力が弱いと時間がかなりかかります。また、数B・数3などでは解答作成がノート1ページくらいになることもよくあり、どかーっと解答を書いてみたけど、最後の答えが「あれ、違う」なんてことが多いです。


 そうなった時、手計算のミスを検討していくのですが、これが結構煩雑になりやすいです。回転が遅い子は、そもそも検討も遅いのです。普段の勉強においても、同じ1時間で解く問題の量、理解の量に差が出ていることと思います。


 百ます計算が大事、というのは、すべての基本たる暗算の能力とかかわっています。そして、暗算が速いと、いろんなことも速くなっていくのを感じます。


 また、この能力は「話の通じる速さ」とも関係します。東大生同士の会話では、お互いに頭の回転が同じくらい(速い)な場合がよくあり、つーかーで話が通じる、説明が少なくて済む、という感覚になることがあるのです。長年連れ添った夫婦のような、「会話の噛み合い」がたまーに東大出身者同士で感じることがあります。小学生でも、サピのアルファクラスのような子では、同じような感じになることはあります。


 もちろん、共通認識のある分野が多く、用語の説明をしなくてもいい、的なこともその要因の一つではありますし、蓄積された知識量の影響もあるのでしょうが、頭の回転の速さ、速度感・観が他人より速い、と考えた方がしっくりくるのです。


 また、判断が速いと、やらないと行けないことをばーっとやる、瞬発性の高さに繋がっていきます。ま、はじめるまでグダグダやってる方も多いですが、やり始めるとあとは速いです。


 このような最初のきっかけが、手計算の速さになるのでは、と僕は思っています。



4、一を聞いて三くらいわかる、流されずに自分で考えられる(理解力、想定力)

……これは思考力の問題です。読解ができ、理解力がましてくると、考える力がついてきます。


 すると、一を聞いて十を知る、感覚に到達できます。十までわからなくても、そこから予想されること、想定できることが、増えるようになります。感覚としては一を聞いて三わかれば、十分に優秀であり、東大にでも行けます。


 例えば、今年の大学受験の流れで考えてみますと、

来年、大学共通テストが始まる(センター試験終わる)→浪人すると大変→手堅く受かりたい→志望を下げ目にする→難関大の競争率が落ちる→東大受かりやすい(例年より)


 ここくらいまでは、時間をかければ誰でも読めることではあると思います。ただ、やはりぼーっと生きている人間は、それも「言われてから」気づくパターンになっていて、自分の頭でそうだと考えられる人間とは、速度に差が出てしまいます。


 今年のこれも、センター試験が終わってから言われだしたことではあり、1月末の出願では十分な精査もできぬまま出願してしまった受験生が多いことでしょう。


 こういうところで、自分で考えられる人間とそうでない人間の差が出てしまいます。

 もちろん、僕のようなプロに聞けばある程度の基準はわかるでしょうが、一番わかるのは、センター試験や模試を受けた受験生本人に決まっています。その受けた「実感」で、「今年はみんな志望さげて来そうだから、強気でいこう」と思えるかどうか、なのです。このような駆け引きの力と、冷静で客観的な思考が、東大の二次試験を解く力などにも影響します。


 今年の大学受験は、MARCHまで下がってしまったそうで、この世代の手堅いチキンマインドを読み切れたかどうか、が満足いく受験になるかどうかの試金石でもあります。


 自分の人生で定期テスト勉強でも部活でもよいので、やり切れた経験がある人間の方が、そのような判断力を持ちやすいようです。


 また、特に授業で教えられなくても、数学などで自分なりの解法を編み出すような子も、優秀な子には多いです。これも「自分で」考えているかどうか、なのです。


 繰り返しになりますが、別に、十を知る必要はないのです。当たり前に論理的に、わかることだけわかればいいし、考えようとしてくれれば良いのです。「三」くらいは考える力をつけましょう。



5、自分の可能性に自信がある(成長マインドセット)

 ……心理学の用語で、「成長マインドセット」というのがあります。これは、「いつか自分は良くなっていくだろう・成長していくだろう」と思える心理傾向のことを言います。対義語は、固定マインドセットで、「どうせ努力してもだめ、遺伝・才能には勝てない」というような志向になります。


 優秀な子は圧倒的に成長マインドセットなのです。これは、本来もっている才能がたとえ低くても良いのです。自分は努力すれば変わることができるだろうし、成長することができるだろう、と気軽に思えている子が強いです。


 固定マインドセットは、たとえ才能が本当になくてもいけません。(詳しくはDaiGoさんの動画など参照)

 これは、教える側からしてもまったく「やってる感じ」が違います。固定マインドセットの子は「どうせ自分なんて」とどこかでニヒリズムに陥っていて、そう思うこと自体で努力をしないことの言い訳になっていたりします。

 また、失敗することを恐れているのか、失敗する前から「どうせできない」と思うことで、(ショックを受けないための)心の予防線のようなものをはる心理作用を出します。


 「できていないことが怖いから、(あえて)期待しない」という母親の心理にも近いものがあるかもしれません。


 これは、できていないならショックを受けた方が良いのです。その方が、親も子も成長します。その後、しっかり努力するきっかけになるのです。できたことばかりの失敗のない人生などあろうはずがありません。それを受け止める強さも、育んでいくべきです。


 また、大きな勘違いをしやすいのが、努力したのにできなかった場合、と言うのは、実はそんなにショックは残りません。やり切れた感覚まで努力できた場合は、「ま、しょうがない」と意外にもすんなり思えるものなのです。


 つまり、この感覚になれるまで努力したのことがない人間が、努力をしていないがために、このままでは当たり前に失敗することを心のどこかでわかっていて、(それでも)努力しない・したくない場合に、心のしょぼさゆえに固定マインドになる、ということが言えると思います。(うーん、書いて説明は難しいですねえ、わからない場合はゆっくり読んでください、笑)


 例えば、上記の母親の例ですと、子供の試験結果などにショックを受けるのであれば、まだ子供に何かしてあげられたことが潜在的にあった(と自分の直観はわかっている)のかもしれません。

 やり切れていれば、子育てでも、親としてはスッキリするところまで行けることでしょう。うちの母親などは、勉強を一度も教えてくれたことがないくせに、「(子育ては)やり切った、後悔はない」と言って、最近は実家で惰眠をむさぼっています(笑) まあ、よく働いてくれました。


 つまりは、心や実感に客観的な指標などはなく、自己満足で良い、と言えるのです。心理学を勉強すると、人間は幻想の中で生きていることがよくわかるような気がします。

 

 成長マインドセットは、勘違いでも良いですし、思い込みでも自己満足でも構いません。他人からみれば見当違いで、全然違っていても構いません。

 でも、「自分は努力すれば、変われる、成長できる」と思っていること自体が、優秀な方の条件の一つとなると思います。

 これは、数百人の指導実績からも、太鼓判を押しておきたいと思います。


6、オリジナリティがある、工夫する、自分で考える

 ……僕がライフワークにしている「東大生インタビュー(東大出身者に高校時代などの勉強の様子などを根掘り葉掘り聞く)」で最初に気づくのは、ほとんどの方が、「勉強しなさい」と親に言われたことがない、ということです。どの方も、特に中学高校以降は、自分から勉強くらいはする、というような感覚を持っていて、自分から勉強をし、自分から失敗し、自己研鑽を続けていきます。


 どうせやらなければならないことを、いちいち親や先生に言われて「から」、やっているようでは、まあ、MARCH止まり(十分ですが)、ということが名門進学校でも言えると思います。する精神的な姿勢で、同じ勉強量・勉強時間でも、習得率に圧倒的な差が出るのはエビデンスもあることです。


 そのうえで、東大生は、自分なりにやり方を工夫している、工夫できる方が多いです。オリジナルの勉強法のようなものをいろいろと持っています。イメージとしては、昔流行ったドラゴン桜みたいな感じですね。本当にああいう一風変わったことは結構します。


 他人言われた風にだけではなく、それをとりこんで工夫をするのです。世界史をグーグルアースでする方もいたし、そのページにある英単語だけで物語を作り込んで覚えている猛者もいました。突然1週間くらいぱったりとやらない期間を作る強者や、踊りながら覚えたり、オリジナルの暗記替え歌を作ったり、と勉強をある程度自分なりに「楽しんでやろう」という姿勢もある方が多いです。


 どうせしんどいことですから、楽しみをみつけてやってやろう、とするのです。単に、勉強つまんねえ、何の役に立つんだ、と嘆くだけの人間より、100倍も学習効果があがることは、当然のことではあります。

 


7、15分苦手なことや嫌なことでも取り組める(勤勉性、持続力、継続力が高い)

 ……そのうえで、この性質を持っている方が大半です。


 どんなに好きなこと、それが例えばバンドや絵でも、真剣にやろうとすれば、しんどいことは必ずあります。どんなことにも、超えた方が良い壁というのがあるのです。本当に好きなことなら、その壁も気にはならないかもしれませんが、見ていますと、その最初の壁のようなものを打ち砕くくらいの粘りがある方が多いです。


 どんな物事も、数学や英語であっても、ほんとの最初は楽なのですが、すぐに右も左もわからないくらいの状態になります。新たな分野に飛び込むときも同様です。だから人間は変化を嫌うし、トライ&エラーを繰り返して失敗が多いほうが成功しやすいのに、失敗を避けようとするのです。


 その最初のしんどい時期は誰にでも来るのですが、そこで1日15分程度でも粘れると、その壁やハードルも、半年もしないうちに超えることができます。


 15分というのは、単なる僕の経験則です。胆力のある方は、もっと粘れる方もいらっしゃることでしょう。

 小学生であれば、超苦手なことに、5分でも粘れれば、十分にトップ層を狙えます。


 そして、その苦手を超えると、いきなり視界が広がり、あらたな地平が見えます。もう、才能があってもやってこなかった子、には負けないくらいの学力なり能力になっていることでしょう。


 15分苦手なことや嫌なことに向かえる子は、独りでに継続力もついてくるものです。その継続力がいろいろなモノを生むのは、言わずもがなだと思います。このブログも12年続けているだけで、少しずつ読者さんの情報が集まるようになり、さらに良い記事が書けるようになって、このように多くの方の支持を頂いています。


 才能よりも、「やりきる」能力の方が大事である、というのはアンジェラダックワースさんをはじめとするいろんな方に、言われ始めていることです。己の才能のなさを悲観せず、最初のハードルを(できれば小さなころから)超える練習をたくさんしてみましょう。


 このことからも、一度はじめた習い事などをすぐに辞めさせるのはよくありません。ある程度の目標をクリアしてから、辞めさせるようにしましょう。



8、自分をよく知っている

 ……進学校の中でも、筑駒の子は平均してぶち抜け過ぎていて、全く別種のものを感じることが多いです。もちろん、開成その他有名進学校の子でも、頑張れば東大くらいには行ける能力の子はたくさんいますが、やはり、その秀才たちとも一段違うものを感じます。


 その一番の違いの原因がここにあると僕は考えています。


 人は、自分のことがある意味一番よくわかりません。コンサルなどでも、受験生本人よりも、親御さんの方が子供のことを、よくわかっていることの方が多いです。(逆に親については子供の方がよくわかっているパターンも)


 まったくキレが違う、と思わせる子は、「自分」をよくわかっています。自分はどんな科目が得意で、どれを何時間くらい勉強すれば、テストで何点くらいとれそうか、がかなり正確にわかっています。

 また、こんなときに自分はサボってしまう、甘くなる、こういうのは得意、などの自己分析もかなり正確です。ソクラテスの「無知の知」とでもいいましょうか、非常に賢者だな、と思える子が一定数いるのです。


 大抵の凡人では、この自分への目算が非常に甘いことが多いです。勝手になぜか、「まあできるだろう」と思っています。

 また、秀才型の子では、逆に自分に厳しすぎて評価が低すぎ、ストレスを意味なく感じているパターンも見受けられます。

 これは、どちらもよくありません。


 自分が何が得意で、どうやって勉強すればよいのか、をより正確に分析し、わかろうとすることが大事です。


 これは、一度でも努力してみた経験がないと、どれくらい勉強すればよいのか、自分には目標を妨害するどんなクセがあるのか、がわかりません。ずっとサピのアルファや鉄緑会でもレギュラーを走るような子でも、どこかで努力はしています。そのうえで、自分を絶えず見つめ、より正確な自己分析を行っているのです。


 『自分』がわかっていると、精神的にも揺らぎにくいです。わからないから揺らぐし、不安になるのです。

 ですから、東大生には精神的に穏やかな子が意外にも多いです。ガッツガツの競争心丸出しのような人間は少ないです。


 この性質も、僕はまだまだですね。勉強に関しては、高2くらいからは自己分析にも自信はありましたが、かなり見当外れな部分もありました(笑)



9、素直さを持っている

 ……優秀な人、というと、何かこだわりを持ち、絶対譲らないオリジナリティ、超負けず嫌い、のような感じが昭和の天才観かもしれませんが、僕からみる本当に優秀な子の共通点はそこではありません。


 こだわりをもったりすることも、天才の性質ではあるのですが、むしろ現代型の天才は、バランス感にすぐれます。また、例えこだわりがあっても、「そうなのかな」と素直に聞ける部分が残っている子が、どんどん伸びていきます。


 先生や親のアドバイスというのは、近しい他人であるので、思っていることが完全に的外れなことは稀です。親の場合はプロではないので、見当外れなことも勉強などに関してはあるでしょうが、内面や生活面の指摘ではおおむね正しいことが多いでしょう。

 そこを素直にどれだけ聞けるか、が意外に大事です。


 親のアドバイスも聞ける子は、先生のアドバイスも聞けます。先生のアドバイスは、それこそ多くの生徒を見てきた中でのことであり、いろんな意見や偏った意見もありますが、一定の意味はあります。


 偏っているように思えても、とりあえず一度「とりいれてみる」という姿勢がある子が圧倒的に強いです。素直にアドバイスを取り入れてみると、ダメな場合もすぐにわかり、「あ、このやり方じゃダメなんだ」とプロ側にもわかるのです。

 素直にやってくれない子は、大体うまくはいきませんし、「ほら、○○のやり方じゃないからだ」といつまでも言われてしまいます。そのうちに時間制限が来ます。


 もちろん、頑なな自己流でうまく行くことはあると思いますが、長年見てきた経験から言いますと、少なくとも受験においてはその率は低いと思います。

 正しいやり方、その子にあっているやり方というのは、まずは基本の数パターンのうちのどれかであり、己のタイプをまず知ることが大事です。その基本パターンを押さえたうえで、改良してオリジナリティを持たせていく、というのが順番であろうと思います。


 頭はいいのに、あんまり受験がうまくいかなかった、という方は、この「頑なさ」が邪魔をしていることが非常に多いです。僕から見た感じでは、女子の方が多いような気もしますね。僕の言葉が女子には届かないからかな。(いや、大体親の言うことも聞いてないです、笑)


 バンドマンにも、ロックっぽさを勘違いして、こだわりだけが強く、他に耳を貸せずに鳴かず飛ばずで終わっていく方が多いような気もしています。このことはいろんなことに通じる真理の一つかもしれません。


 その点、僕はこの性質を昔から持ち、今でもキープできていると思えます。このブログをはじめたのも、ITネットワークに強い方からのアドバイスが最初でした。素直さを武器にいろいろ勝ち取ってこれたことを想います。



10、何でも前向き(自己肯定感の高さ)、精神的にタフ

 ……最後に、これです。結局は、精神的にタフな方が東大生には多いです。


 タフと言ってもいろいろな方向性がありますが、少々のことでは凹まない方、自分に自信があったり、論理的に判断できたりして冷静な方、など、なんらかの形の精神的なタフさを獲得できている方が多いのです。


 一定の努力を続けると、やはり自分のことがよくわかったり、努力したという(自己)満足感、充実感が生まれ、それが自信につながります。その自信が、少々のことではへこたれないタフさを生むのです。


 頭がいい、ということは、感情に流されない、ということと同義だと僕は考えています。テストが良かったら喜び、悪かったら落ち込み、はいいのですが、そのアップダウンがあまりに激しいと疲れます。

 これは、1から2年の長期戦になる受験には向いていません。


 しかも、本当は大きな問題点が隠れていても、表面上の点数が良ければ良し、としてしまったり、意外とできているのに点数だけで落ち込んだり、「中身を見ていく」という冷静さが欠けやすいです。つまりは、論理的思考・判断に欠けます。これは負けやすいです。


 自己肯定感が高いと、精神的に潰れることなく、うまく乗り切りやすいです。親の接し方で、自己肯定感の高い子を育ててほしいと思います。(難しいですが)


 考えてみてもらえば分かると思うのですが、東大に行こうと思ったら、どのテストも結構必死でやりますし、普段の授業もガチで受けることになります。もちろん、天才でも必ず努力します。すると、本気でやる=結果が出ないとショック、を意味し、本気でやればやるほどしんどいことやショックなことは多いのです。


 それにいちいち潰れたり一喜一憂していては、戦えません。

 問題点があれば直し、淡々と、毎回改良を加えながら、一歩ずつ行く。その歩みが止まらなければ東大生や有名大医学部などに行け、どこかで運悪く止まったり、邪魔されると脱落していき、競争相手が勝手に減っていく、ものだと思います。僕はそういう流れのようなものを実感しています。(だから心身ともに健康であることも重要)

 

 難しいですが、視野を広くもち、「みんな」しんどいんだよ、それを超えてきているし、その目の前のしんどさを超えたらある意味勝ち、ということがわかってもらえればと思います。



 東大まで勝ち残ってくる子は、以上の性質を、なんだかんだでうまくやって、持ち合わている子たちなのです。東大に行くには、天才でも努力はしなければいけませんし、楽に行く道はありません。最近できた推薦入試も特殊能力の上に、大学共通テストで8割くらいいるので、どうせ簡単ではありません。 


 どうせ受験で頑張るなら、東大まで行けなくても良いですから、ここまでの10の性質を一つでも多く獲得できるよう、努力してみてはいかがでしょうか。5つ持てば、才能よりは上の大学にだって行けるでしょうし、MARCH以上と以下では人生は全く違いますので、人生を向上させることにもなるでしょう。


 次回か、近いうちに、「さらにもっておくとよい10の性質、おまけ編」を書いてみたいと思います。皆さんが思う、大事そうなことは、むしろこちらに多いことと思います。

 いつも読んでくださってありがとうございます。

本家お受験ブルーズはこちら https://ameblo.jp/jyukuko/

いいなと思ったら応援しよう!