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進学校の育成力をどう見ればよいかー東大15名参考説
<アプデ感想>
下記は2017年の記事で、僕の母校の東大合格者数が1桁になり、衝撃を受けた時に書いたものです。僕らの時代では20名いるのが当たり前であり、どうしたんだ、と(笑)
現在はもう少し増えていますが、僕らのころのような90年代や2000年代初頭のころの実績はなかなか出せないようです。
僕は学校を見るとき、育成力に注意してみています。東大合格者が5名以下では、その学校が育てた、とは言いにくい部分があります。単にご家庭が熱心だったり、本人が学校カリキュラムガン無視で予備校三昧のこともあります。
今年も国公立大の受験が終わりますが、進学実績を見るのにバランスのよい見方をしていただければと思います。
現在、僕は進学校ごとの「戦闘力」を数式を用いて出す準備をしています。乞うご期待ください。
<以下、本文>
今年(2017年当時)の東大京大合格者数などが雑誌に載っていました。
我が母校(白陵中・高)の東大合格者数を見て目を疑いました。東大合格者数がここ2、30年で最低人数だったのではないでしょうか。ただ、京大合格者数が倍くらいになっているので、全体としては昨年よりはやや良いという傾向のようです。
http://www.inter-edu.com/univ/
(インターエデュの合格速報です。参考になさってください。)
やはり、受験のプロとしては学校の東大合格者数が10名前後になると、不安になりますね。僕らのころは東大は20名から30名でるのが当たり前、京大もその半分くらいの人数が出ていました。しかも今より若干生徒数が少ない部分もありました。
東大を目指していると、京大はまったく試験タイプが違うので対応しにくかったのを覚えています。でも後の記事でも書きますが、学校経営上? 15名はキープしてほしいところです。(愛校心かw)
まあ我が母校のことはさておき、このランキングにも表れていますが最近はトップ校では「海外大学傾向」があって、実はあまり人数に伸びはありません。開成や灘では最初から世界照準の子が多くいて、世界ランキングで40位前後の東大など相手にしない傾向もあるのです。
それに、関東勢が強くなってきていた傾向があったのですが、今年は地方の県立高校や私立などが健闘しているように思います。ただ、関東の中堅校でも広尾学園や富士見(両方ともここ数年よくおススメしていた)から数名の東大合格者がついに普通に出始めたりと、変化があります。営業努力をし、力を入れている私立校がさらに強くなっていくことがここ数年は考えられます。
このランキングの見方は、毎年申し上げているとおり、15から20名の東大合格者、合計で30から50名以上の医学部、国立、旧帝大があると、やはりその学校は中で「生徒を育てる力がある」とみてよいと思います。(早慶などは国立を受けた子の人数も入っているので注意)もしくは、生徒たちに向上心があり、良い雰囲気のある学校でしょう。
よくある学校の落ちぶれるパターンとしては、「(学校として)意識の向上がみられなくなる」「重鎮の先生がいなくなる」「ぬるい方向に方針転換」などの理由で東大合格者が10名を切って、一桁になってしまうと、そのまま浮上しない学校が多いです。10名前後だと持ちこたえている状態、とも言えます。(もちろん、母体数との関係もあるので、参考までに)
例えば東大ですと、予備校に通い、Z会をしまくれば、学校のカリキュラムはほとんどうけなくても、優秀な一握りの子ならば行くことができます。だから5名くらいまでですと、「あ、多分その子だけ予備校とかで頑張ったんだろうな」と推測するのがおそらく正しいです。もちろん、その5名も学校の力があっての5名ですのでバカにはできないのですが、中にはほとんど学校に行かずに、行っても内職をしていて東大などに受かっている子もいます。
これが(東大合格者が)15名を超えると、いよいよ学校のカリキュラムが高度でないと不可能な数字になってきます。たしかに鉄緑うんぬんで学校の力で育ててるのかが疑問な学校でも、普段の授業は高度ですので、そこで土台はできています。音に聞く有名な学校では、偏差値エリートのできる子たちが入学してくるというのもあって、ある程度の数はでるものです。
やはり、このランキングでもよく探すと、中学受験の偏差値などはそこまでではないのに、実績でよく頑張っている学校があることに気づきます。やはり僕はそこに先生たちの情熱を感じますし、評価したいと思います。逆に偏差値が高くて入るのが大変なのに、なめてんのかってくらいの実績数のところもあります。やはり外面や風評、ある程度操作できる模試の偏差値より、このような厳然としたデータで学校を見ることも必要になってくるでしょう。
ただ、中高一貫校というのは、「学年持ち上がり制」をとっているところが多く、「学年団」を組織して、中1から高3までお世話する先生方が変わらないシステムとなっています。その情熱のあるなし、指導力の差も同じ学校とはいえ差があります。(普通の進学校は高3に最強の教師陣を持ってくるものですが、しないところも多いです)
ですので6年に1度くらいバカ当たりするかと思えば、同じくらいの割合で振るわないパターンもあります。
そういうものですので、3年連続で良い結果を出している学校は相当にすごいです。ある学年の弱い教科などを学校全体として強化していく姿勢・システムがあるか、生徒の質が高くその程度ではぶれない雰囲気が創れているのです。例えば、渋谷学園渋谷などが、最近ではその域に入ったと感じます。
合格実績数を出すのは、本当に大変だと思います。機械のようにカリキュラムをさせているだけの学校はやはりそんなにやっても伸びてないですし、勉強以外の視点を与えたほうが効果的な場合もよくあります。
相当な愛情や使命感、なにより広範な知識と経験に基づいた実力が教師側に必要だと思います。
加えて、今の子たちは情報過多で変に小賢しかったり、聡かったりするのですが、実際の努力行為を避けがちだったりします。また、スマホをはじめとした誘惑も本当に多く、勉強に集中するのは大変だと思います。田舎でもネットは見れますしね。先生も大変でしょう。
一部のずば抜けた子が確かに増えてはいるのですが、全体としては上記のような意味で勉強にほんとうに集中できている子は少なく、「ぬるいな」という時代だと思います。
東大の中の底辺層もかなりレベルは落ちていると聞きます。だからこそ、中途半端な才能の子にはチャンスが多く転がっているのです。
一念発起して頑張れば、どこかの国立大学くらいは行けるかもしれませんよ。逆転を考えるなら理系がおススメです(笑)
いつも読んでくださってありがとうございます。
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