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ぼっちの中でぷちんと音がした日

こんにちは。
独りぼっち事“ぼっち”です。
今回は前の会社で私の中でぷちんと音がして何かが切れた時の話をしようと思います。

堪忍袋のおが切れる

この言葉ほどしっくりくる言葉はありません。
私は前の会社の二代目社長とソリが会いませんでした。
人に求めている事と自分がやっている事に差があり過ぎて尊敬する事ができませんでした。
人に求める事は完璧に自分がする事は適当に。
いやはや“ドラ息子”とはよく言ったもの、、、
会社の成長期に従業員が徹夜でやっているのに、朝少し早くくるだけ、、、
会長が怒り息子を叱った時でも
「頭を叩かれた!やってられない!自分でする!」
などと言って見たものの
結局、会社に居座る、、、

心の中で“辞めればいいのに”

といつも思っていました、、、
何故自分でしないんだろう?と疑問に思っていました。

家を出て自分のペースで仕事した方が人のせいにしなくて済むので楽なのでは?

時が過ぎリーマンショックが終わり会社が経済的に楽になった頃、私は起業できない事や毎日チグハグな事を言われうつ病の症状が現れはじめ病院に通院するようになりました。

そしてコロナ禍が始まった時、リーマンショックの様に仕事が減ってきたのです。
会社はまた無理な仕事を取り出したのです。
急ぎの仕事を無理矢理取ってきて。
「仕方ないからやろう」
と言い出しました。
私はもう気力すら残っていない状況で医者からもうつ病が悪化するため夜勤禁止を診断されていました。
診断書も会社に提出しました。
どう計算しても納期に間に合わない、、、
これ以上工程スピードを上げると事故や不具合が起きる。
その旨を社長に伝えましたが
「そこをなんとかするのがお前の役目だろう!何か考えろよ!」
と怒鳴られました。

この時、、、

ぷちんっっ

って頭の中で大きな音がしたのです。

私は頭が真っ白になり気がつけば会議室の長机を二代目社長にぶつけていました。
長机と壁の間に挟まってもがいている二代目をみて、、、

やってしまった!

と思う反面、スッキリした気持ちになりました。

「すみません、失礼します。」

と一言だけ言って私は会社を出て近くのコンビニへ退職届を書くための用紙と封筒を買いに行きました。
買ってその場で書いてそのまま会社に居た1代目の奥さんに提出。

帰りました。

家族になんて言おう、、、
急に辞めたの?は法律上2週間は急に辞めれない事も知っていたので有給で消化するとして、なんで退社を相談しなかったのかと言われる方が気になって真っ直ぐ家に帰れませんでした。
息子に何て説明しよう、、、

会長最後の姿

買い物を済ませて家にたどり着くと見慣れた車が私の家の前に停まっていました。

「会長?」

この時会長は癌で入院していて“ステージ4”だったので会えないはずでした。
しかもコロナ禍なので余計に目を疑いました。

家に入ると息子と会長が笑いながらコーヒーとお茶を飲んで話していました。

混乱する私、理解が追いつきませんでした
私の顔を見ると「おー、久しぶりだな!」と、、、

会長の顔つきが変わり私は息子を2階の自分の部屋に行ってもらいました。
奥さんが会長に伝えた経緯を私に伝えてくださり、息子から奥さんへ伝えられた言葉と私の言葉を確認していました。
全ての経緯を確認したのち、
「すまん、わしの身体がちゃんとしてればこんな事にならなかった。考え直して明日からも会社にいて欲しい。」
テーブルに手をつき深く頭を下げる会長をみて私はいくあてもない腹立たしさで目頭が熱くなったと同時に会長の痩せた身体をみてなんとも言えない悲しみが込み上げました。
初めて会長に嘘をつきました。

「大丈夫です。私も少しカッとなっただけなので、、、」

そう、この時私は引き継ぎして辞める決意をしたのです。

これが会長の姿を見た最後でした。

翌日出社すると心配そうな他の従業員達と、申し訳無さそうに立っている一代目の奥さんと反抗期の子どもと見間違えるくらいの私より年上の会長の息子が立っていました。

最後の約束

私は、会長の奥さんに呼ばれて会議室に行きました。
そこで謝罪されましたが、辞める意思は変わりませんでした、会長の息子を先に退出させて会長の奥さんと時間が少しかかるが私の直属部下2人に引き継ぎをして辞める事を伝えました。

奥さんからは
辞める1ヶ月前には伝えること

有給消化40日を全て使ってほしいこと

今かけている退職金とは別で会社から退職金を出すこと

会長と社長には終わってから伝えること

を約束してもらい引き継ぎをはじめました。
息子が何か言おうとすると直ぐ奥さんが出てきて止められていました。

この引き継ぎ期間に会長が死去されました。

私は引き継ぎを終えて、もう一度退職届を出しました。
受理されて有給消化に入りましたが、毎日電話がかかってきて
「どうすれば良いのかわからない」
「本当に辞めるんですか?」
私は事実のみを伝えて電話を切りました。

後ろ髪を引かれる気持ちと新しい人生のスタートに複雑な気持ちでした。

食べ物の味

会社を辞めてからしばらくして
息子とモスバーガー食べに行きました。
久しぶりにカリッと上がったオニオンリングとモスバーガーの味がしてびっくりしました。

後で聞いた話ですが、前の会社の引き継ぎをした部下と8人従業員が辞めたそうです。

今でも、仕事やり方を聞いてくる残った従業員、、、
心配ですが「もし、辞めていくところがなかったら電話ちょうだいね。」
と言って電話を切るようにしています。

以上が私が“ぷちん”とキレた話です。

後味が悪い話ですが、最後までご精読いただき本当にありがとうございました。
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