日比谷公園の月とドビュッシー「月の光」
子供の頃、ドビュッシーの「月の光」を聴いて
幻想的な群青色の夜空が浮かんで感動しました。絵画的な音楽の魅力。
でも自分で弾いたら安っぽい雰囲気でしか弾けず表現が難しいことに気づきました。色々なピアニストの演奏も聴いて、なんだか、しっくりこないままになってました。
10年くらい前になるのだろうか。
漫画「ピアノの森」を知り、その映画版でアシュケナージが主人公 海くんをイメージして弾いた「月の光」には、涙がでるような感動を覚えました。あんな風に弾きたいと再び「月の光」を練習してあの雰囲気を自分で再現したくて弾いてました。
いまなお、月を見て「月の光」がBGMになる夜はときどきあります。
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真冬の夜空は冴え冴えして
たくさん東京の夜空にも星を見ることができます。
ドビュッシーは、きれいなものが好きだったそうですが、
冷酷で優しいとはいえない人だったらしい…
なのにこれほど美しい音楽を作ってしまうんだ…
ただ、優しさだけが人間の魅力ではないこともわかる今は、ドビュッシーの美意識の世界が余すことなく表現された作品なんだろうと理解しています。