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【JR土讃線】高知駅 120%満喫する 黒潮流れる太平洋・坂本龍馬・アンパンマン

南国・高知県の代表駅、高知駅に来ています。
 
1日の乗降客数約1万人
JR四国では、高松、徳島、松山、坂出に次いで第5位です。
 
高松は分かりますが、徳島も意外と多いんですね。
 
高知は、四国山地の南側にあり、簡単には行けないイメージがありますが、それゆえに独特な風土と風景が見られ、魅力にあふれています。
 
野菜などの生産が豊かで、カツオのタタキを始めとした郷土料理も絶品です。
 
何より、太平洋の大海原に向けて、ガバーっと手を広げている感じがいいですね。
わたしが普段見ているのが、大阪湾とか瀬戸内海という、向こうの陸地が見える狭い海なので、太平洋には強い憧れがあります。
 
太陽をサンサンと浴びて、土地の人々もあたたかいです。
 
ほんといいとこですよね、高知は。
 
駅前広場の一角に、石川啄木の父、石川一貞(いってい)終焉の地の石碑があります。
石川啄木と言えば、東北の田舎から東京に出てきたというイメージがあり、その父親がなぜ高知に? と思いますが、一貞は岩手県で住職の座を失った後、鉄道省職員の親戚のもとに身を寄せ、78歳で死んだ時は、高知駅構内の官舎に住んでいた、ということです。
東北出身の啄木の父が高知で亡くなった、というその意外性で、石碑が建てられました。
たしかに、意外ですね。
 
駅前から、とさでんの路線が一直線に伸びています。
岡山駅や新しい広島駅もそうですが、鉄道の大きな駅から直角方向に伸びる路面電車って、いいですよね。
 
わたしは高知県に何度も来ていますが、その最初のきっかけは、高校時代に坂本龍馬にはまったことです。
もともとは漫画で読んで知り、その後いろんな本を読み漁ったわけですが、土佐藩を飛び出して京、江戸、長崎、神戸、福井、鹿児島、下関と、日本中を縦横無尽に移動して歴史を転回させたということに、しびれましたね。
 
しかも人柄がいいですよね。実際にどんな人だったのかは分かりませんが、明るくて陽気でよく笑う、楽しい人であったことは間違いないようです。
 
駅前には土佐勤皇党三志士像が並んでいます。
武市半平太、坂本龍馬、中岡慎太郎の大きな銅像です。
 
この三人はいずれも、明治を迎えることなく暗殺、また処刑されました。
ですから、明治5年に開通した鉄道を見ることもなかったのです。
 
西郷隆盛や勝海舟は鉄道を見、自ら乗りもしました。
江戸幕府最後の将軍徳川慶喜は、晩年は趣味に生き、カメラで鉄道の写真をよく撮っていました。
 
土佐出身者では、板垣退助や岩﨑弥太郎は、鉄道を見たでしょうね。
 
しかし坂本龍馬は、鉄道を見ることなく死にました。
 
この三人が高知駅に背を向けているのも、なんだかわかる気がしますね。
 
この写真の吉村寅太郎、かっこいいですね。
 
ジョン万次郎も興味深い人物です。
ジョン万次郎資料館も、一度行ってみたいですね。
 
この自動販売機では、高知のフィギアみやげが買えるようです。
記念に買ってみましょう。
 
竜馬のフィギアか、ホビートレインが出て来ればいいですね。
はりまや橋でもいいですけどね。
 
お、これはかわいいネコちゃんですね。
頭にラーメンをかぶってるんですか。
 
この観光案内所では以前、2011年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の竜馬の生家のセットが展示されていました。
福山雅治の、竜馬が、はまり役で、異様な盛り上がりを見せたドラマでした。
 
大河ドラマの竜馬役では、「篤姫」の玉木宏も良かったですね。
「新選組!」の江口洋介もいい味を出していました。
 
歴史好きになるきっかけは、大河ドラマでも、漫画でもいいんですよね。
それから本をたくさん読んで、歴史の沼にはまっていけばいいわけです。
 
学生時代に、歴史が滅茶苦茶できる子がいましたが、全員例外なく、「まんが日本の歴史」出身でしたよ。
あとは「信長の野望」とか、「三国志」など、ゲーム出身という場合もあります。
 
とさでん交通、頭端式3面2線のホームと直結しています。
初めての方は、ホームに掲げられている、電中八策を読んでから乗るようにしましょう。
その第1策は、「イケメン運転士が乗車していても、後部扉から乗車すべし!」
ユーモアがありますね。
 
とさでんは、車窓から高知の街並みや名所を眺めることができ、車両もレトロで歴史を感じさせる、観光にピッタリの路面電車ですね。
 
ところで、わたしが先ほど購入したフィギアの土産ですが、調べると、須崎市のご当地キャラクター、しんじょう君だそうです。
 
新荘川で最後に目撃された、絶滅種指定のニホンカワウソがモチーフとなっています。
そして須崎名物鍋焼きラーメンを表した帽子をかぶっています。
 
そう言えばここの高架下の居酒屋さんで、鍋焼きラーメン食べました。
土鍋に入ったラーメンで、付け合わせに漬物が出されました。
最初、具が少ないなと感じたのですが、よく見ると細かく刻んだ鶏肉が入っていてボリュームがあり、食べてるうちに麺の硬さも変わっていき、食べ終わった頃には、不思議な魅力に取りつかれた感じでした。
もう一度食べたいですね、あれは。
 
代わってこちらは、北口です。
東側には、路線バスや高速バス、空港連絡バスが一堂に集まった、バスロータリーがあります。
 
それではこのあたりで、高知の歴史についてお話ししたいと思います。
 
高知は、旧国名で言えば土佐の国。
土佐の語源は、浦戸湾を指して門が狭い、とさから来ているなどの説がありますが、定説はありません。
 
飛鳥・奈良時代に国司が置かれるようになると、畿内とを結ぶ官の道、官道が整備されます。
当時の税である租庸調のうち、調としてカツオやアユの塩漬けが指定されていました。
 
官道は当初、紀淡海峡・鳴門海峡を渡り、阿波の国から陸路で讃岐の国、伊予の国を経由し、土佐に至るものでしたが、あまりに大回りで効率が悪かったため、途中から経路は阿波の国から海岸伝いに直接土佐に入るようになりました。
 
平安時代になると四国山脈をこえるルートも開かれましたが、あまりにも険しいため定着しませんでした。
 
歴代の国司の中では、紀貫之が善政を行ったとして知られています。
任期を終えて都に戻る途中で、「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」で始まる、「土佐日記」を記しました。
男性ですが、自分を女性と見立てて記したわけです。
 
鎌倉時代には三浦氏が守護を務め、室町時代には細川氏が支配するようになります。
 
戦国時代は細川氏の力が衰えて動乱状態となりますが、最終的に長曾我部元親が統一しました。
 
元親は四国平定に乗り出しますが、豊臣秀吉によって押し返されます。
 
その息子盛親は、関ケ原の戦いで西軍に属したため戦後に領地を没収されました。
土佐は掛川城主だった山内一豊に与えられ、江戸時代が続く間、山内氏が土佐藩主として支配しました。
 
ちなみに長曾我部盛親はその後、大阪城に入って大坂冬の陣・夏の陣で活躍しますが、戦後に捕らえられ、処刑されます。
 
山内一豊は長曾我部の居城であった浦戸城に変わり、内陸の平野の小高い丘に新たに城を建築し、城下町が形成されていきます。
 
城は鏡川と江ノ口川に挟まれていたため、川の内と書いて河内城と呼ばれていましたが、河川の氾濫が相次いだため、2代目藩主忠義がその字を嫌い、知恵高いを意味する「高知」に変えさせた、とされています。
 
幕末の藩主、山内容堂は公武合体論を唱え、四侯会議や小御所会議でも存在感を発揮しますが、薩長側に押し返され、戊辰戦争では板垣退助が独断で幕府軍を攻撃したことで、土佐藩はなし崩し的に討幕側に立つことになります。
 
この過程で武市半平太や坂本龍馬など、土佐人たちのあまたのドラマがあるのですが、それはもう話しきれません。
 
ともかく明治新政府が発足した時、土佐は薩摩・長州に次ぐ第3の勢力として目立つようになりました。
 
2面4線の高架駅です。
 
2008年に竣工された現在の三代目駅舎は、高知県産の杉で作られたアーチ状の大屋根で覆われています。
光がよく入る、かっこよくて暖かい、いいデザインですね。
 
土讃線、多度津方面隣は、薊野(あぞうの)です。
 
土佐くろしお鉄道のごめん・なはり線の列車が入線します。
 
全部列車で埋まりましたね。
 
オープンデッキのしんたろう号、やたろう号で、太平洋のしおかぜを満喫できます。
いいですねえ。
 
当駅の開業は、1924年(大正13年)です。
当時は高知線で、高知県内で完結する路線でした。
 
土讃線は、多度津・阿波池田間は讃岐線の支線として、阿波池田・ 三縄(みなわ)間は徳島本線を延伸する形で建設されました。
豊永と、高知を経由して須崎まで結んでいた高知線ですが、三縄・豊永間が1935年(昭和10年)に開通したことにより、多度津・須崎間が土讃線となりました。
その後、須崎から順次延伸し、1951年に窪川駅とつながり、土讃線が全通しました。
 
わたしは結局、高知には4回来たことになります。
ちょっと遠出をしたい時にちょうどいいんですよね、高知は。
 
最初に来たときは太平洋に感動しまくり、桂浜の竜馬記念館で竜馬の書いた手紙などを見ていました。
 
鉄道で来たのは今回が初めてです。
岡山から駅弁を買い、土讃線特急なんぷうに乗って瀬戸大橋を渡り、吉野川沿いの山間部を爆速で駆け抜け、いい感じで高知に着きました。
 
高知は、アンパンマンの作者、やなせたかしさんの出身地ということでも知られています。
当駅の列車接近時にはアンパンマンのマーチが流れます。
 
それでなくても高知は、日本最後の清流四万十川、カツオ料理、女性ははちきん、男性はいごっそうと、魅力が尽きません。


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