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【山陽】大塩駅 120%満喫する 新しい真っ白な駅舎 名物ドアカットも解消
山陽電車大塩駅は、兵庫県姫路市にあります。
飾磨の手前の、特急停車駅。
阪神三宮駅の特急停車駅の案内放送で、「大塩」とよく聞いていましたが、やっと来れました。
ここが大塩なんですね。
実を言えばわたしは「大塩」と聞くたびに、大塩平八郎が頭に浮かんでいました。
大塩平八郎の乱の、ほら貝とか陣太鼓が脳内に響くこともありました。
でもこれからは、大塩駅のこのきれいな駅舎が、リアルに頭に浮かびますね。
真っ白で、ピカピカの駅舎です。
まるでエーゲ海に浮かぶ石灰でできた家のように、見ていて気持ちがいいですね。
2019年から、ホーム延伸と駅舎の橋上化、および周囲の歩道の整備などを進めてきましたが、2022年にすべての整備事業が完了しました。
山電って、飾磨とか、西新町とか、けっこうあちこちでリニューアル工事しているイメージがありますが、いいですね。
お金があるんですね。
南口に設けられたロータリーからは、姫路大学の送迎バスが発着しています。
当駅は「姫路大学前」という副駅名がついています。
もとは賢明女子学院短期大学で、南へ700mくらいの位置にあります。
教員と学生の距離の近さが魅力で、悩みや不安を教員に気軽に相談できる環境が整っているということです。すばらしいですね。
日時計ですね。
日時計の最大の長所は何かわかりますか?
手間がかからないってことですよ。
一度設置すれば永久に使えます。
日時計の最大の弱点は何かわかりますか?
曇ったら意味がないってことですよ。
さて大塩の地名の由来は何でしょうか?
昔は、塩づくりが盛んだったことから来ています。
やっぱりな。
塩屋もそうですよね。
昭和30年代まで、当駅の南には見渡す限りの塩田が広がっていました。
塩田とは、塩分の多い田んぼという意味ではもちろんありません。
そんな田んぼでは稲は育ちません。
塩を取り出すために囲われた土地のことを言います。
当地での製塩の歴史は非常に古く、瀬戸内では最古と言われています。
古代は、塩崎と呼ばれていました。
的形の海岸部は昔は福泊(ふくどまり)と呼ばれる港で、塩も盛んに運ばれていたと思われます。
江戸時代、大塩は姫路藩一の製塩地として栄えました。
近代に入り、海水を煮詰める従来の伝統的な製塩方法では、工業化された社会の大量の需要にとても対応できず、戦後の1970年代にイオン交換膜による製塩法が開発されると、天候に左右され、多くの労力と土地が必要となる塩田は全国で一斉に廃れました。
大塩の塩田の跡は大きな空き地となり、海岸部に姫路シーサイドゴルフ場や姫路大学、小さな大塩漁港がある程度となっています。
一方、駅の北側は昔「浜国道」と呼ばれた現在の国道250号を中心に人家が広がり、中には漆喰壁の蔵つきの屋敷など、塩作りで栄えていた頃をほうふつとさせる風景が見られます。
で今気が付きましたが、当駅の新しい駅舎の、このまぶしいくらいの白さは、塩から来てるんでしょうね。
そういうことでしたか。
ではこれからは、この駅舎を見るたびに、大塩ではなく、おお… 塩 と思うようにします。
おじいさま おあばさまへ
なにか困っていることはありませんか?
気軽に係員にお声をかけてください。
優しい! 駅員さん優しいですね。
この駅を利用する年配の方は幸せですね。
さて、当駅の開業は1923年(大正12年)
神戸姫路電気鉄道の開業と同時に設置されました。
当時はまだ、大規模に塩作りが行われていたことでしょう。
戦後の1968年に特急停車駅となりますが、それから間もなく、大塩での塩作りは廃れてしまいました。
今なお特急停車駅であり続けるのは、緩急接続など運行上のバランスのためと思われます。
改札は橋上に一カ所。
ホームは2面4線です。
2021年に橋上化されるまでは、構内踏切が存在し、ホームはぎりぎり5両分しかありませんでした。
1991年から特急が6両に増量されましたが、当駅は両端に踏切があり、ホームの延伸ができませんでした。
それで、姫路方で1両はホームからはみ出して停車して、ドアは開かないという、ドアカットが実施されていました。
これは関西では珍しく、山電でも当駅だけで、その珍風景は鉄道ファンの間で有名でした。
関東では、江ノ電の腰越駅で今もやってますね。
実際に、ドアカットはどのようにやっていたかというと、当駅のひとつ手前の駅を出発後、運転士が運転台のブザーを鳴らし、それを合図に、車掌がドアカット用のスイッチを入れるというものでした。
ええ!! かなりアナログですね。
もっと自動でプログラムされているのかと思っていました。
毎回手動でやってたのですね。
ドアカットを忘れて6両目のドアも開くと、たいへんなことになりますが、よく事故もなくやっていましたね。
乗務員てすごいですね。
神戸方面隣は山陽曽根、姫路方面の隣は的形です。
当駅のすぐ南に、大塩天満宮があります。
平安時代の901年、太宰府へ流される途中の菅原道真が、伊保の港から上陸し、善光寺というお寺に鏡を奉納したことを由緒としています。
中世において、戦乱を避けるために鏡を近くの山に埋めましたが、埋めた場所が分からなくなり、山全体を天神山と名づけ、道真を祭るようになりました。
室町時代に城主の大塩氏が当駅の北側に社殿を建て、長い間そこにありましたが、1998年、都市計画道路の建設により、駅の南側、現在地に移転しました。
大塩の獅子舞は有名で、鎌倉時代に始まったものですが、道真公とは関係がないそうです。
当駅の1日の乗車人員は2600人
山陽電車全49駅中、18位です。
真ん中より、ちょっと上ですね。
塩作りで栄えた大塩ですが、今は塩の結晶となって、真っ白できれいな駅舎を見せてくれていますね。