【POEM】
【 羅生門 】
闇の底から声が聴こえる
鋼鉄の服を着た男が道に迷い込んだ
それは月曜日 グレイッシュブルーの
良質な夏服を身に纏い街を歩いた
影を彩る真紅の光を浴びたまま
純白の願いを新たな白紙に映した
羅生門に立ち 辺りを見渡せば
狂おしい君が明日を思ってる
沈んだ海の中 閉じ込めた狂気
私は夢を見る 白い夢を見る
風のない浄土 仏刹は雨
黒百合が咲いたから素敵な麗句を書き綴る
バラバラな貴公子 オレンジの帽子
再生はまた昔 引き攣るように嘆いた
生まれくる生命 鮮明な愛
空は上 外は下 灰色の世界に舞い降りる
羅生門に立ち あなたを見つめれば
煌めいた夢は旭日昇天の勢い
沈んだ海の底 閉ざされた恐怖
あなたも夢を見る 青い夢を見る
羅生門を去る 私は過去を見る
傷ついた夢が迷路を彷徨った
静かな海は今 黒く虚ろで
私の夢が散る あなたの夢も散る
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