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チ。第13話!覚悟が実力差を超えたオクジーは最強!視聴者が拷問受けてるみたいにジワジワ苦しくなってくる!

「チ。」第13話は、開幕から視聴者の心を容赦なく揺さぶりました。今回は地動説を巡る信念がぶつかり合い、オクジーとノヴァクの壮絶な戦いが描かれます。その覚悟と犠牲に、視聴者からは「苦しいけど目が離せない!」という声が相次ぎました。

視聴者のリアルな感想


開幕オクジーくんとノヴァクの一騎討ち

戦闘シーンは、視聴者を圧倒する迫力で始まりました。「剣が折れたのは鋼の含有量の差」「教会だから装備も一流」など、装備の差も語られる中で、オクジーは圧倒的不利な状況に追い込まれます。それでも、 「肉を切らせて、骨を断つ!」 という覚悟で片腕を犠牲にしてノヴァクに立ち向かう姿に、視聴者からは称賛の声が。

「死ぬ怖さなんて、この世を肯定する怖さに比べたら軽いものだ!」
「覚悟が実力差を超えたオクジーは実質エレンだったわ」

リアタイ視聴していたファンのXより

彼の戦いは単なる力比べではなく、信念のぶつかり合いとして多くの人の胸を打ちました。


(C)魚豊/小学館/チ。 ―地球の運動について―製作委員会

中世の剣術の特徴

中世の剣術は、現代のフェンシングとはかなり異なる実践的な戦闘技術が主流でした。中世ヨーロッパの剣術は、戦場や決闘での生存を目的としたものが多く、実用性を重視しています。そのため、剣の種類や状況によって戦い方も大きく異なりました。


1900年前後のドイツ学生による、サーベルの決闘風景
  1. 剣の種類による違い

    • ロングソード(長剣):片手でも両手でも使える剣で、中世の剣術では主に用いられる武器でした。防御と攻撃の両方に優れ、ダイナミックな動きが特徴です。

    • レイピア:軽量で素早い刺突が得意な剣。16世紀頃に登場し、フェンシングの原型となりました。

    • バスタードソード:ロングソードよりもやや短めで、片手剣と両手剣の中間的な用途。

  2. 剣術のスタイル

    • 刺突と斬撃:フェンシングが刺突を主体とするのに対し、中世剣術では刺突に加えて斬撃や打撃も多用されました。

    • グリップファイト:剣の柄や鍔(つば)を使った攻撃や防御、さらには相手を地面に倒すグラップリング技術も含まれました。

    • 剣の平や側面の利用:刃だけでなく、剣の鈍い側面や柄を使って相手を叩く戦法もありました。

  3. 戦闘中の動き

    • フットワークは現在のフェンシングに似ていますが、より重厚感があります。防具や鎧を身につけていたため、軽快さよりも安定性を重視しました。

    • 多くの場合、盾やダガーを併用することで防御と攻撃のバランスを取っていました。

  4. 剣術の指導と流派

    • 中世ヨーロッパには剣術学校があり、流派ごとに教えが異なりました。たとえば、ドイツのフィオリ・ディ・リベリやイタリアのヨハンネス・リヒテナウアーの流派は有名です。

    • これらの教えは剣術書(フェヒトブーフ)に記され、現代にも研究対象として残っています。

J. オリヴィエ著『バイキング キャンペーン』の表紙、Detgiz、1963 年

フェンシングとの違い

  • フェンシングは主に軽量な剣を使い、スピードや刺突の精度が求められるスポーツ。中世剣術は戦場や決闘を前提にしているため、パワーや実用的な戦術が優先されます。

  • 中世の剣術は、フェンシングのようにポイントを取る競技ではなく、相手を倒すことが目的で、相手の装甲や武器の特性を理解して戦う必要がありました。

  • 片手剣の技巧:片手で剣を扱いながら、もう一方の手で相手を制する技術が使われていました。これは「ハーフソーディング」と呼ばれ、剣の刃の中ほどを直接握り、槍のように扱うことで突きを正確にする技法です。

  • 剣は万能ではない:騎士の鎧を切るのは非常に困難だったため、相手を殴り倒したり、関節を狙って刺突することが重要でした。

  • 決闘ではルールがあった:決闘の際には、審判役や明確なルールが存在する場合もあり、意外と秩序立った戦いが行われていました。

中世の剣術を題材にした漫画としておすすめなのは
『ヴィンランド・サガ』(著:幸村誠) です。
中世ヨーロッパを舞台に、ヴァイキング時代の戦士たちの生き様を描いた壮大な物語です。 実戦的な剣術や戦術が丁寧に描かれています。主人公のトルフィンは短剣を駆使した戦闘スタイルですが、物語中では様々な剣術や戦い方が登場し、剣だけでなく盾や槍、素手を含むリアルな戦闘が特徴です。 当時の文化や価値観、宗教的背景が物語に深く絡み、中世剣術を取り巻く環境が緻密に再現されています。

トルフィンくんが幸せになりますように・・・

援軍と生き延びた先に待つもの

しかし、ノヴァクを倒した直後に現れた増援部隊。オクジーは多勢に無勢の状況に追い詰められ、結果として捕らえられてしまいます。ここで視聴者からは様々な感情が溢れました。

「ノヴァクには勝ったのに…オクジーくんが負けるなんて!」
「生き残る方が辛い未来が待ってるのでは…」

リアタイ視聴していたファンのXより

オープニングで見たオクジーの歩く夜道が、この戦いの場面と繋がることに気づいた視聴者もおり、物語の構造に感動の声が上がっています。

短髪オクジーくんの新たな一面

一方、オープニングで登場した短髪オクジーのシーンが本編で回収されました。「大学に通う夢の中のオクジー」や「理想の地動説が公になった世界」が描かれる中、視聴者からは次のような反応が・・

「短髪オクジーくん、大学生みたいで親近感ある」
「夢の中で地動説が認められた世界…こんな未来が本当に訪れてほしい」

リアタイ視聴していたファンのXより

その姿は、オクジーの内面を深く掘り下げる重要なシーンとして、多くの視聴者に印象を残しました。


(C)魚豊/小学館/チ。 ―地球の運動について―製作委員会

オクジーが立っていた塔

この物語の象徴的な要素の一つとして、視聴者の心を強く引きつける存在です。その存在は、「探究心」「学問の象徴」「魂の解放」など、さまざまな意味を重ねて描かれているように見えます。

まず、この塔は旧約聖書に登場する「バベルの塔」を想起させます。バベルの塔では、人間が天に届く塔を建設しようとして神の怒りを買い、言語が混乱させられたとされています。この神話的な背景と重ねると、塔の高さはオクジーが追求した「地動説」という人類の真理への挑戦を象徴していると言えるでしょう。既存の秩序に背きながらも、新たな世界観を築こうとするオクジーの姿は、まさにこの塔と重なります。

人間の探究心を象徴する「塔」

今回の舞台となった塔は、まるで「バベルの塔」を彷彿とさせる象徴的な存在でした。SNSでは、

「この塔の高さ、人間の探究心そのものだね」
「自由を求めた末に築かれた“知識の塔”という印象」

リアタイ視聴していたファンのXより

といった考察が盛り上がりました。この塔は、地動説という新しい真理を求める姿勢を象徴すると同時に、既存の秩序への挑戦そのものとして描かれていました。


ピーテル・ブリューゲル『バベルの塔』(1563年頃)、ウィーン・美術史美術館蔵

「バベルの塔」を題材にした作品

「バベルの塔」を題材にした漫画として、『トーキョーバベル』があります。この作品は、ある日突然東京に出現した巨大な塔「バベル」を舞台に、高校生の大牙が消息を絶った自衛隊員の姉を追って塔を登る異能バトル×サバイバルストーリーです。原作は花林ソラ氏、作画は久世蘭氏が担当し、2020年から2021年にかけて連載されました。全3巻で完結しており、迫力あるバトルシーンと緻密なストーリー展開が魅力です。

また、この塔は「知識の塔」、あるいは「学問の象徴」としても解釈できます。高くそびえるその姿は、人類が積み重ねてきた知識の集大成を表し、オクジーの存在そのものが知識を守る守護者として描かれているように思えます。彼がその命を懸けてでも真理を守ろうとする姿勢は、塔そのものが持つ崇高さと重なり、視聴者に強い印象を残します。

さらに、この塔は「魂の解放」や「死後の世界」を象徴している可能性も考えられます。塔の頂は地上を超越した視点を示し、物理的な束縛を超えた「天」との接点を暗示しているようにも見えます。オクジーが塔の上に立つ姿は、肉体を超えた精神や魂が到達する場所を視覚的に表現しており、視聴者に「真理にたどり着いた魂の姿」として映ったことでしょう。


(C)魚豊/小学館/チ。 ―地球の運動について―製作委員会

さらに一歩踏み込むならば、この塔そのものが「地動説」の象徴としても見ることができます。塔を登るという行為は、地動説という真理に近づこうとするオクジーの挑戦そのものを暗喩しているのです。そしてもし物語の中で塔が崩壊するシーンが描かれるとすれば、それは既存の価値観や秩序の崩壊を示唆するものとなるでしょう。その瓦礫の中から新たな知識や価値観が生まれる未来を暗示するかもしれません。

視覚的にも物語的にも、この塔は非常に多面的な意味を持つ象徴です。オクジーがその頂に立つ姿は、人間の探究心と知性の到達点でありながら、同時にその無力さや限界も示しているように感じられます。この二面性が、塔の存在をより深く、強烈なものにしていると言えるでしょう。

理念と人間の尊さ
「星の下に生まれた、それが運命であり至上の価値」という言葉の通り、この物語は人間の探究心や自由への憧れを描いています。バベルの塔を思わせる象徴的な場面が登場し、視聴者からは次のような深い考察も。

「この塔は人の探究心の暗喩だよね」
「天動説に疑問を持った人たちのように、現代にも"違和感"に気づいている人がいるはず」

リアタイ視聴していたファンのXより

自然に抱く好奇心や自由への憧れが、人間の尊さを体現しているというテーマは、物語をさらに深みのあるものにしています。

オクジーとバデーニの信念

拷問が続く中でも、「自由」を守るために命を懸けるオクジーの姿勢には多くの視聴者が心を打たれました。

「人間が知的好奇心に抗えないよう設計されているからこそ、オクジーの覚悟が光る」
「規範を疑えないのも獣、でも規範なき自由も獣…深い」

リアタイ視聴していたファンのXより

と、自由と規律の関係性に言及する声も見られました。一方で、バデーニの「資料を燃やす」という行動は、視聴者にとって衝撃的なものでした。

「感動を遺すために資料を燃やした…それが優しさだとは」
「研究者としてオクジーを守るためにできる最善の選択だったんだろう」

リアタイ視聴していたファンのXより

資料を焼き払う行為は、バデーニの優しさであり、危険を避けるための決断でもありました。

ノヴァクの疑問と揺らぎ

ノヴァクがオクジーやバデーニを追い詰める過程で浮き彫りになったのは、彼自身の矛盾と揺らぎです。

「異端者を捕まえても次々に現れる、その理由が理解できないノヴァクの苦悩がリアル」
「10年前のラファウ君の記憶が、彼を縛り付けているのかも」

リアタイ視聴していたファンのXより

ノヴァク自身が異端者を恐れながらも、彼らの信念を完全には否定できない様子が描かれています。視聴者はその姿に、「理解できない恐怖」に共感を覚えています。ノヴァクは表向き冷徹な異端審問官として振る舞いますが、その内側には微かな揺らぎが垣間見えます。特に10年前に出会ったラファウ少年の存在が、彼の心に深い影を落としているように感じられます。

ラファウ少年との邂逅
ラファウは、わずか12歳で地動説を追求し、異端とされた少年でした。捕らえられた際、彼は「真理を知ることは人間の義務だ」と語り、全く動じることなく自ら毒杯を仰いで命を絶ちました。この出来事は、ノヴァクにとっても衝撃的なものでした。「なぜ彼は、死という最終的な恐怖を前にしても揺らがなかったのか?」――ノヴァクはその答えを見出すことができず、心の奥底に疑問を抱えたままです。


(C)魚豊/小学館/チ。 ―地球の運動について―製作委員会

異端者への恐怖と理解不能な存在
ノヴァクにとって、異端者たちは決して単なる敵ではありませんでした。彼らの知的探求心や揺るぎない信念は、どこか得体の知れない恐怖をもたらすものでした。ノヴァク自身が「正統」を体現する存在である一方で、異端者たちの自由を求める姿勢には、彼自身理解不能な「異質な力」が感じられるのです。ラファウのような異端者が、自分が守るべき秩序を脅かす存在でありながら、同時に畏怖を覚えさせるほどの魅力を持つ存在であることに、彼は戸惑いを隠せません。

娘ヨレンタとの関わり
さらに物語が進む中で、ノヴァクが異端者への取り調べを進める中、娘ヨレンタの存在が重なります。彼は自身が守ろうとする規範の中に、娘が深く巻き込まれていることを薄々感じているように見えますが、明確には認められません。この葛藤が、彼の拷問における苛烈さと、微かに見えるためらいを生み出しているようです。

(C)魚豊/小学館/チ。 ―地球の運動について―製作委員会

彼の中にある矛盾
「なぜ異端者は現れるのか?」という問いが、ノヴァクの内面を象徴しています。表向きは冷徹な職務を全うする彼ですが、その問いは単なる疑問ではなく、自身の信念を揺るがす根本的な葛藤として存在しています。ラファウの影響、娘ヨレンタの存在、そしてオクジーやバデーニという異端者たちの生き様が、ノヴァクの心にひびを入れ始めています。彼がその答えを得られないまま、異端者たちを裁き続ける姿は、視聴者に深い余韻を与えます。

14話への期待と恐怖

今回の終盤、ノヴァクが新たな拷問器具を手にしたところで幕を閉じました。この場面に、視聴者からは絶望と恐怖の声が。

「感情で拷問するノヴァク、怖すぎる…」
「来週見るのが怖いけど見たい…」

リアタイ視聴していたファンのXより

と、次回への期待と不安が高まっています。

自由を追い求めた結果

「自由」というテーマが、物語全体を通じて一貫して描かれた今回のエピソード。オクジーとノヴァク、それぞれの信念が激しくぶつかり合う中で、視聴者は改めて「自由とは何か」「信念とは何か」を考えさせられました。次回、このぶつかり合いがどのように収束していくのか、ますます目が離せません。

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