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毎回ヨガにいる『不機嫌まきちらかし女子』の謎を解析
ホットヨガに通いはじめて1年がすぎた。
入会して半年ほどは、初々しい体験レッスンの人をみると『お!君もついにデビューだな。ナマステ。』と、こっそり激励していたが、最近はホームになりすぎてマジで何も思わなくなった。
なんだか移住に成功したような気分である。「高知に移住してげによかったぜよ!わしに何でも聞け。」っつって。まぁ、身体はあいかわらず硬いままなのだが。
実はここ最近。鏡の前の右すみっこに、毎回同じ女性がいる。(ちなみに場所の指定はない)
年齢は34歳くらい。本当に毎回いるので、生身の人間か疑ったこともあった。しかし、レッスン中は別の意味で生身の人間か疑うほど滝汗をかいていらっしゃるので、ただのヘビーユーザーのヨガ信者でまちがいなさそうだ。
不思議なことに、結構混みあっている日でも、いつも彼女のとなりは最後のほうまで空いている。そのため『あの人…クサイんだ…。』と、解釈していた。(失礼すぎ)
そんなことすっかり忘れたある日のこと。
『今日は自分と向き合おう』と、普段は選ばない中央の鏡の前をえらんだ。ヨッコイショーイチ!と腰をおろしたわたしは、せっせと身体にバームを塗りはじめた。このひと手間をすることにより、汗をかく量のギアがあがるのだ。お隣さんはヨガマットの準備はしているけど不在らしい。トイレですかね。
と、思った数分後。かえってきたお隣さん。
ギクッ!あの人だ。わたしは微かに己の臭覚を研ぎ澄ませた。…クサくない。と思った瞬間、すんごい視線をかんじた。彼女、すんごい眼力でこちらを睨みつけているではありませんか。首ごとこっち見てる!どことなく、背後に陣取る民たちの『アーメン』みたいな視線を感じる。
こーゆーときの対処法は3択。
①睨んだことを後悔させる
②『その世界線、わたしいませんよっ♪』と笑顔
③撤退
イキっていた中学の頃であれば、バキバキに絞め上げていたかもしれない。でも今は、HSP寄りの主婦だ。②をえらんだ。
それでも彼女は、わたしの好奇心に火をつけてしまった。彼女はドアが開くたびに、老若男女かまわず睨んでいた。小声でおしゃべりをしながら来た後ろのおばちゃまには、響き渡る舌打ち。そしてまた、わたしに戻ってくる視線。レッスン中の静かな暴走もエグかった。全部察した。そーゆーことか。
そーゆーお年頃なのだろうか。
もしくは、過去にまわりを睨みまくっていた結果、連続してなにか得をしたことがあって、味をしめたのだろうか。いや、中学生くらいから達観していたゆえに、斜に構えた態度が『そーゆーキャラ』として浸透し、そのまま大人になってしまったのかもしれない。
ただ、そんな自分を変えたくてヨガに整いにきているのだったら、ひたむきな姿勢だ。なぜなら、レッスン後の更衣室では不機嫌そうではあるものの、どこか人目を避けるような雰囲気がある。
おい。さっきの威勢はどうした?一貫性がないではないか。一人スッキリしてないで、そこは睨みつづけようよ。睨んでたこと忘れてるようじゃ無理か。睨みはね、効かせておかないと。
結論:きっと不機嫌がクセになっている。ただし、”反撃をされないであろう薄暗いNO会話の空間であれば無双状態” のクセが。その生態を治したくてヨガをやっているのであれば、その選択は間違っている。全力で水泳をオススメする。もし睨みの精度をあげたいのであれば、更衣室でも睨んでこいって。行儀よくなくていいんだよ…!
殻破れよ(これ言いたかっただけ)