詩 手紙を書いて
拝啓
あなたに今日
手紙を書きます
不実だからこんな長の歳月なんて
思わないで欲しいの
あなたは弄ばれたと
思ってるでしょう
私はね、私はね
あなたの前から去りゆく女性に
なることが義務だと思った
そうならなければならないの
血の縁の故に
この世でそれ位強いものってないわ
あなたに惹かれたのも恐らくそれ
本当の事は騙せない
昔読んだ"悪魔が来たりて笛を吹く”
あの人達の悲惨さ
私達は幸せになりましょう
苦しみが色濃ければ濃い程
幸せの有り難さが身に沁みるでしょう
あなたにもきっといい方がいるでしょう
そうしていつか過去のものとして
箪笥の引き出しにしまえたら
笑って珈琲でも飲みたいわ
あの頃のことを
にこやかに゙話せる
そんな二人に
そんな二人になりませう
あなたと私
あなたと私