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マーク・トウェインに学ぶ その1

社会問題を解決したい

私は、様々な社会問題を解決する方法を模索しています。
私が求めているものは、宗教的なものでも、特定の思想の理想を反映したものでもなく、極めて現実的な、実現可能な方法です。

問題を解決できるのは「学問」だけ

私は、どんなことであれ、問題を解決して、それまで不可能だったことを可能にできるものは「学問」だけだと考えています。
それまで治せなかった病気を治せるようになったのも、空を飛べるようになったのも、月に行けたことも、すべては「学問」によって成し遂げられたことです。

社会問題を解決できる「学問」とは?

社会の構成要素が人間である限り、社会問題を解決できるのは、人間の「心」を扱う「文系学問」です。社会問題に対して「理系学問」によるアプローチをしても、原因の推測はできても、解決方法を導き出すことはできないのです。

何故、社会問題は解決できないのか?

社会問題を解決できない原因は「文系学問」が、十分に進歩していないことにあると、私は考えます。「文系学問」には、もっと進歩する余地があると思うのです。
「文系学問」には、もっと別のかたちの進歩のしかたがあり、今までにない解決方法を導き出せる可能性が秘められていると思うのです。
その可能性を最も感じさせるのが、アメリカの高名な作家である、マーク・トウェインなのです。

何故、マーク・トウェインなのか?

偉大な作家 マーク・トウェイン

「トム・ソーヤーの冒険」や「ハックルベリー・フィンの冒険」の作者であるマーク・トウェインは、最も優秀な「人間の心」の研究者だったと私は考えています。
鋭い観察眼と深い洞察力によって、トウェインは、すべての人間に適用できる法則を発見したのです。それは、人種や国家、宗教、思想などの違いに関わらず、あらゆる人間に当てはめることができるものなのです。
そして、その法則を軸にして肉付けをしていくことで、架空でありながらも存在感のある登場人物を作品の中に登場させることができ、それが彼を偉大な作家たらしめたのだと思います。
そして、晩年にその法則を一冊の本にしました。それが「人間とは何か?」と言う本です。

「人間とは何か?」は「天文対話」だ

私は「人間とは何か?」を初めて読んだときに、この本はガリレオの書いた「天文対話」のようだと感じました。「天文対話」は地動説派の人と天動説派の人が、中立派の人を挟んで対話をするという内容なのです。「人間とは何か?」も、奇妙な持論を展開する老人と当時としての常識人である若者との対話で進んでいきます。中立派がいない代わりに、年齢差でハンデを付けた形と言えます。もしも、二人が同じ年齢なら喧嘩になったでしょう。常識人の老人と奇妙な持論を持った若者では、若者が老人に一喝されて終わりになったでしょう。
私は、この本は簡単には読み解けないと感じて、翻訳版を読み終えてから原書を(翻訳ソフトやネット検索を駆使して)自分で翻訳しながら、書かれてある内容を良く嚙み砕いて深く理解しようとしました。その内容は、文系学問における「地動説」のようなものだったのです。
通常の「文系学問」の見地からすれば、これは「異端の書」と言えます。現にこの本はそのような扱いを受け続けているのです。さらに、トウェインの晩年の度重なる不幸と、それによって捻じ曲げられた独特のユーモアセンスによって、より難解な表現が用いられていることを感じました。
しかし「文系学問」におけるガリレオのような存在を探していた私にとって、トウェインこそ正にその人であると言える、証拠だったのです。

マーク・トウェインこそ「文系学問」におけるガリレオ

私は「文系学問」の別のかたちの進歩として「地動説」のような意識改革が必要だったのではないかという仮説をたてました。そして「文系学問」にもガリレオのような人物が存在していなかったか探してみたのです。そして、見つけたのがマーク・トウェインだったのです。

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司 智 (つかさ さとる)
ありがとうございます