禁断の大使
警官はマクドナルドに16発の銃弾を浴びせたのだ。
司法省は事件発生時のビデオを公開することになんら異議を唱えなかった。
だが当時、シカゴ市長であった彼は、進行中の事件の捜査に悪影響を与えたくないと主張してビデオの公開を見送った。
反黒人的であると認識されている彼の行動はこれだけではない。彼は、黒人が多く住む地域の学校を大量に閉鎖した。更には黒人居住者の多いサウス・サイドを中心に、市の精神衛生クリニックの大部分を閉鎖した。
シカゴ・トリビューン紙のレックス・ハプケ氏は、氏を「有名な冒涜者」と表現し、まるで「Saturday Night Live(アメリカの有名風刺番組)」のような人事ではないかと批判した。
駐日大使にするのは悪趣味なジョークとの酷評もある。
侮辱でないとするならば、氏の駐日大使への指名はまるで下ネタのジョークのように思えるだろう。“f◎cking”を形容詞、副詞、動詞、名詞として操るラームが最初の公式謝罪をするまでにどれくらいだろうか。
有名な話だが
死んだ魚を送るというのはシチリアのマフィアの呪いの一つで、「魚と一緒に寝ることになる」ということを意味する。つまり、「お前をサメの餌にしてやる」ということだ。
彼は2003年から2009年まで米国下院議員を務めた後、クリントン政権では上級顧問を、オバマ政権ではホワイトハウスの首席補佐官を務めた。凄腕、と言うべきか、自己の利益しか見ていないことは間違いない。
危機管理能力にも長けているという声があるが、クリントン政権やオバマ政権での彼の地位は、資金調達者としての手腕が評価された結果であるという側面が大きいだろう。彼はかつて「リムジン・リベラル」(注釈・貧困層の味方のふりをしながら贅沢にふけるものたち、シャンパン・リベラルなどとも)と呼ばれる人々からの資金調達に定評があった。
シカゴの「ノース・コースト(湖の北海岸)」のリベラル派からの資金集めや、ゴールドマン・サックスとのつながりなどがあった。
ゴールド・コーストとも呼ばれるノース・コーストは、アメリカで最も裕福な住宅地のひとつとして富裕層に人気がある。一方で、黒人が多く居住しているサウス・サイドでは週末に銃撃戦が繰り広げられる。まるで別世界のようだ。
左派の民主党員は彼の任命に不満を持っている。バイデン大統領に恥をかかせられるかもしれないこのチャンスを共和党は楽しみにしているはずだ。