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大切なことってなんだろ
最近、とんちゃんは突然倒れる。
明日心電図を取りに行くことになっており、先日とりあえずはニトロを数回分処方して頂いた。
私が動物を積極的には飼わないのは情けない理由で、
自分が他の命を、殊に家になるべく閉じ込めていなければならないような社会にいて、お預かり出来るような人間じゃないからだ。
我が家に奇特にもいらしてくれた動物に関しては、一応「こんなんですが、いい?」と聞くことにしている。(答えは聞かない。)
先日、「あら、お年寄りの柴ちゃん?」と、お婆さんに声をかけられた。
「うちにも年寄りの子がいるの。仔犬の頃から一緒だもの頑張って欲しいわね。」と。
うちは最近になって保護したんですよ
というと、
「もっと若い犬にすれば良かったのに」と無邪気に微笑まれた。
とんを保護した時お尻にオデキがあり、悪性ではないが、自壊が始まっており予後は悲惨だと言われた。
攻撃的に増え、大きくなり、裂けて膿む。
でも手術するには年齢が心配だった。
私達は手術を選んだ。
先生は、多くの飼い主さんが年齢的なリスクを恐れて踏み切れず、進行してどうにもならなくなってから
「やっぱり手術出来ませんかっていうんですよね。
それだけ手術が心配なんでしょうね。」
それから、私を見て
「本物の飼い主さんはね」
と言った。
獣医さんを変えたばかりだった。
前年に保護した文太の手術で、ずっと通っていた獣医さんへの不信感がどうにもならなくなってしまったのだ。
そんな訳で、この獣医さんは散々調べまくって辿りついた獣医さん。
ご夫婦共に獣医師で、前述の発言は旦那先生。
現在は私が行くと大体奥さま先生が診て下さる。
大好きな先生だ。
手術もお上手で、とんとんは自慢の美尻になった。
とんとん、元気!
さて、大切なことってなんだろう。
若い犬貰えば良かったのに、と仰ったお婆さんのワンちゃんはきっと幸せで、
お婆さんの優しさは掛け値無しに本物だろう。
一筆書きの朝顔のような
そんな漱石の一文を時々思い出す。
ここから、ご紹介😊
山根あきらさまに頂いた、ショートショートのお題のこともあり
無性に夏目漱石を読み返したくなりました。
作品のどこかに「世の中に片付くなんてものはほとんどありゃしない」という(ニュアンスの)言葉を含めてください。
皆様の素敵な作品を、山根あきらさまがマガジンに纏めて下さっております。
ショートストーリーがお好きな方へ🤭🙇
お付き合い下さったかた
ありがとうございます。