胸の中の穴に落ちそうになる

私は寝ることが苦手だ。横になると胸が詰まったような感覚になる。目をつぶっているとまるで自分の内側がガラガラと崩れ落ち、底もなく落ちていくような感覚が襲うのだ。
私という存在は、常に創作物に酔いしれるために何かを摂取している。文字であったり色であったり音楽であったりする。それらすべてを失ってしまうと私は何も無い自分を思い出して非常に心細くなる。突然何も無い真っ白な空間で地面もなくひたすら落下していく。そういう状況を毎晩抱く。

この崩れ落ちそうな胸を誰かに抱きとめて欲しいと、寝る前だけは考えてしまう。日中の私は常に創作物を追いかけてて、やらなくてはならない家事もあるのでそんな時間は微塵もないというのに。


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