東野圭吾特集 1980年代 時代はここから始まった
東野圭吾特集 時代はここから始まった
1980年代、東野圭吾さんはデビュー作で江戸川乱歩賞を受賞し、その後も次々と注目作を発表。数々の作品が後の大ヒット作への布石となりました。この時代に発表された名作ミステリーを厳選してご紹介します!
① 放課後 (1985年9月)
おすすめ度:★★★★☆
ジャンル:青春推理
あらすじ
校内の更衣室で教師が青酸中毒で死亡。問題児、頭脳明晰な美少女、アーチェリー部の主将など、怪しい人物が次々と登場。運動会での仮装行列中、第2の殺人事件が発生する。東野圭吾のデビュー作にして、青春と推理が交錯する乱歩賞受賞作。
おすすめポイント
青春の息吹と本格ミステリーが絶妙に融合。犯人を追うスリルと、学生たちの人間模様に引き込まれます。
② 白馬山荘殺人事件 (1986年8月)
おすすめ度:★★★★☆
ジャンル:密室トリック・暗号ミステリー
あらすじ
兄の自殺の謎を追う妹・ナオコと友人のマコト。信州白馬のペンションを訪れた彼らが出会ったのは、マザー・グースに秘められた暗号と密室トリックの謎。兄の死の真相とは? 東野圭吾初期の代表作。
おすすめポイント
美しい風景描写と緻密なトリック。暗号解読のワクワク感が楽しめる作品です。
③ 11文字の殺人 (1987年12月)
おすすめ度:★★★★☆
ジャンル:女性作家が挑む推理小説
あらすじ
交際相手の男性が突然死。彼の発言や盗まれた資料から、女流推理作家の主人公は真相解明を決意。クルーズ旅行のメンバーを調査するうち、次々と殺人事件が起こる。真犯人からの「無人島より殺意をこめて」という謎のメッセージの意味とは?
おすすめポイント
女性視点で展開する推理が新鮮。昭和らしい設定も楽しめる1作です。
④ 魔球 (1988年7月)
おすすめ度:★★★★★
ジャンル:青春ミステリー・スポーツ
あらすじ
春の選抜高校野球大会、エースが投じた“魔球”が試合を決めた。その直後、捕手の刺殺体が発見される。疑心暗鬼に駆られる野球部員たち。暗転する高校生活と友情が織りなす青春推理。
おすすめポイント
野球を題材にしたミステリーとして異色の存在。青春の熱さと切なさが胸に迫ります。
⑤ 十字屋敷のピエロ (1989年1月)
おすすめ度:★★★★★
ジャンル:新感覚ミステリー
あらすじ
ピエロの人形が語る、屋敷で起きた連続殺人事件。動けず話せない人形の視点を通じて、読者だけが事件の目撃者となる。そして物語のラストに、衝撃的なドンデン返しが待ち受ける。
おすすめポイント
独特の視点と仕掛けが秀逸。斬新な構成に、読了後も驚きが残ります。
⑥ 鳥人計画 (1989年5月)
おすすめ度:★★★★☆
ジャンル:スポーツ・本格推理
あらすじ
日本ジャンプ界期待の選手が殺害され、彼のコーチが犯人として拘留される。だが、事件の裏に隠された驚愕の計画が明らかに……。緻密に描かれるスポーツ界と推理の融合。
おすすめポイント
スポーツを絡めたミステリーとして先駆的な作品。新鮮な設定が魅力です。
⑦ ブルータスの心臓 (1989年10月)
おすすめ度:★★★★★
ジャンル:サスペンス・完全犯罪
あらすじ
野心家の研究者が計画する完全犯罪。しかし、緻密に練られた計画に予想外の展開が待ち受ける。東野圭吾の悪の描写に磨きがかかり、『白夜行』への布石ともいえる作品。
おすすめポイント
完全犯罪を描くスリリングな展開。悪の快感と巧妙なプロットに引き込まれます。
締め
1980年代の東野圭吾作品には、彼の作家人生の原点が詰まっています。緻密なトリックや独特の構成が楽しめるこれらの作品を手に取って、時代を超えたミステリーの魅力に触れてみてください!