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週刊「海事10大ニュース」(25.1.26〜2.1)
①東京臨海副都心で自動運転移動サービスの実証
ソフトバンクやトヨタ自動車などが共同出資する「モネ・テクノロジーズ」は22日、東京臨海副都心での自動運転技術を用いた移動サービスの実証実験を、一般利用者向けに開始した。
運転手が同乗し、操作の一部をシステムが担う「レベル2」相当で行う。
乗降場所は、国際展示場駅、東京テレポート駅、東京ビッグサイトおよびシティサーキット東京ベイの4カ所で、それぞれの場所をつなぐ12のルートを走行する。
②2025ミス日本「海の日」決定
28日、千葉県の大学生・高橋彩乃さんが2025 ミス日本「海の日」に決定。海洋業界の理解と関心を高めるため、各種イベントで活躍する。
③第3回「自動運航船検討会」開催
自動運航船の2030年頃までの本格的な商用運航の実現に向けて国土交通省海事局は、昨年6月に「自動運航船検討会」を設置した。27日、第3回「自動運航船検討会」が開催され、安全基準・検査方法、今後の検討の進め方について議論した。
議事概要は後日公開される。
④船舶保有国ランキング 中国が日本抜き首位に
英国のベッセルズ・バリューは、25年1月時点の船舶保有国(船主国)ランキングを発表した。
1月初めの船価相場を基に、船舶を実質的に保有する船主の所在地※に分類した。
中国は、保有隻数で首位を維持するとともに、資産価値でも日本を抜き首位となった。紅海の迂回を受けて船価が大幅に上昇した。
また日本も、中国に抜かれはしたものの資産価値は前年より増加している。
※船舶を実質的に保有する船主の所在地: 便宜置籍船(実質的な船舶保有国ではなく、税制上の優遇や緩い法規制が期待できる他国に便宜的に船籍を置いている船)を考慮したものと思われる。
⑤海事分科会 船員の訓練等についての船員法改正「適当」
国土交通省海事局は28日、交通政策審議会第45回海事分科会を開催し、国交相から諮問を受けた今国会へ提出予定の船員法などの一部改正について「適当」と結論付けた。
今回の船員法改正は、深刻な船員不足や行政手続きのデジタル化が背景にある。海技免許を受けていない者でも、安心して海上労働を選択できるよう、雇い入れ契約締結時に基本訓練の実施を義務付ける。
⑥海技教育機構と神戸大学大学院海事科学研究科が基本協定締結
16日、独立行政法人海技教育機構と国立大学法人神戸大学大学院海事科学研究科は、「海洋科学技術分野における包括連携の推進のための基本協定」を締結した。
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両機関の教育力及び研究力の向上と発展などを目的とする。
「船舶職員養成施設」に指定されている国立大学は、東京海洋大学と神戸大学の2校のみである。また、船舶職員を目指すにあたって必須の国家免許である、海技士免許を取得するためには一定の「乗船履歴」が必要である。そのため、両大学の海技士養成のコースの学生は、海技教育機構保有の練習船に乗船し実習訓練を行っている。
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⑦大島商船高専 出願状況(最終)公表
大島商船高等専門学校は28日に令和7年度入学試験の出願を受付終了した。
最終的な出願者数は、商船学科75名、電子機械工学科66名、情報工学科97名(3学科とも定員40名)となった。
https://www.oshima-k.ac.jp/wp-content/uploads/2025/01/R7gansho.pdf
⑧「一般海域における占用公募制度の運用指針」改訂
経済産業省及び国土交通省は、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備を確実に進めるため、洋上風力発電事業者の公募について指針を改訂した。
改訂のポイントは、「リスクシナリオへの対策の重点評価」「主要製品に係る計画変更要件の整理」「強靱な事業組成と事業者間の競争を両立させるための価格評価への変更」「事業を確実に完遂させるためのセントラル方式によるサイト調査の基本化」である。
https://www.meti.go.jp/press/2024/01/20250129003/20250129003.html
⑨国内初・水素燃料電池船「まほろば」公開 万博で運航
岩谷産業は29日、大阪・関西万博で運航する水素燃料電池船「まほろば」を報道陣向けに公開した。
旅客用の水素燃料電池船は国内初。万博期間中は「動くパビリオン」として、大阪市の中之島と会場の夢洲を結ぶ。
水素燃料電池船は、水素と空気中の酸素を反応させて電気をつくる。航行中にCO2を排出しないことや、エンジンの代わりにモーターを使うため騒音や振動が少なく、また保守・メンテナンスが簡単になることがメリットである。
⑩神戸港 高級クルーザー施設 27年春開業へ
神戸市は、神戸港新港第1突堤と第2突堤の間に、「スーパーヨット」と呼ばれる高級大型クルーザーに特化した国内初のマリーナを整備することを決めた。27年春ごろの開業を目指す。
第2突堤には「ジーライオンアリーナ神戸」な今年4月に開業予定で、にぎわい創出へ相乗効果が期待できる。