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自分的「海事10大ニュース」(2025.1.5〜11)


①中国 西部地域の港湾強化を目指す

 中国は5日、港や航空ハブなどの物流インフラの建設を通じて西部各省の発展を促進する15の措置を開始すると発表した。
 措置には、成都、重慶、昆明、西安、ウルムチなどの都市における国際航空ハブの強化、総合保税区の開発、港湾やその他の交通網との統合などが含まれる。多数の港も建設、拡張される予定。

②鹿島沖で漁船転覆

 6日午前2時ごろ、茨城県の鹿島港の沖合でイワシ漁をしていた漁船「第8大浜丸」が転覆した。乗員20人のうち2人が死亡、3人が行方不明となった。
 鹿島海上保安署は、網を引き上げる際に魚の重みで船体が傾いた可能性があるとみて、詳しい状況を調べている。

③トランプ氏 メキシコ湾を「アメリカ湾」へ名称変更を提案

 トランプ次期米大統領は7日、メキシコ湾を「アメリカ湾」に改称する計画を発表し、同時にバイデン大統領が新たに発表した沖合掘削の制限を撤回すると約束した。

④練習船日本丸 シンガポール向け神戸出港

 海技教育機構の練習帆船「日本丸」が6日、シンガポールへの遠洋航海に向けて神戸を出港した。
 今航海には、商船系高等専門学校の航海科実習生が参加している。昨年10月に乗船し日本各地の港を巡ったのち、年末年始の上陸休暇を挟んで、シンガポールへの遠洋航海へ出発した。そして2月中旬に帰国し、下船するという計5ヶ月間の実習である。
 商船系高専の学生が「三級海技士」国家資格を取得するためには、計12ヶ月(2年次1ヶ月、4年次5ヶ月、6年次6ヶ月)の練習船乗船履歴が必須となる。この度出航した実習生たちは4年生であり、今実習修了後は各高専での座学を経て、26年4月に再び練習船へ乗船することとなる。

日本丸(神戸港)

⑤米国東岸労使、新協約で暫定合意

 米国東岸港湾の労使交渉が暫定合意に達した。労働組合ILA(国際港湾労働者協会)と使用者団体USMX(米国海運連合)は8日、共同で「期間6年の基本協約(マスターコントラクト)の全項目について、暫定合意した」という声明を発表した。両者は「(現行協約の期限となる)15日のストライキ(work stoppage)は回避された」と明言した。正式合意までにはまだ時間がかかるが、大幅な混乱は避けられる見通し。
 争点となる自動化・半自動化など、具体的な内容については明らかにされていない。しかし、共同声明では「この合意は、ILAの現在の雇用を保護し、より多くの雇用を生み出す技術を導入するための枠組みを確立するとともに、東岸・ガルフ港湾を近代化し、より安全で効率的な港にし、サプライチェーンを強固に保つために必要な能力を生み出す」と説明。何らかの技術導入に関する合意があったものと見られる。

⑥カリフォルニア州の物議を醸している港湾船舶排出規制が承認

 米国環境保護庁は6日、カリフォルニア州の物議を醸している商用港湾船舶(CHC)規則の免除要請の大部分を承認した。
 この規則は、タグボートと商用港湾船舶にEPA Tier 4エンジンとディーゼル微粒子フィルター(DPF)の装備を義務付けている。
 しかし、火災リスクや導入コスト等の面について、業界内では懸念の声が多く挙がっている。

⑦JPMorganもNZBAを離脱 米6大銀行全てが脱退

 米共和党議員の一部は、NZBA(Net-Zero Banking Aliance)の活動は独占禁止法に違反すると指摘してきた。
 7日、JPMorganもNZBAからの離脱を表明。既に脱退を表明している Goldman Sachs/ Wells Fargo/ Citi/ bank of America/ Morgan Stanleyと合わせて、米国の6大銀行全てがわずか1か月以内でNZBA から脱退したこととなる。
 JPMorgan は離脱の理由を明示していないが、 「我々は当行・当行の株主・当行の顧客の利益を独自に追及するとともに、エネルギー安全保障も推進しながら、低炭素技術をさらに進めるため現実的な解決策に引き続き取り組んでいく。また、エネルギー転換や他部門の脱炭素化に取り組む顧客に対して、投融資という形で支援を続ける。」と表明した。

https://www.reuters.com/business/environment/jpmorgan-says-leave-net-zero-banking-alliance-2025-01-07/?utm_source=Sailthru&utm_medium=Newsletter&utm_campaign=Sustainable-Switch&utm_term=010925&lctg=60b42098ac2c9369f111f4c6

⑧全室スイートルーム"MITSUI OCEAN FUJI" 広島初寄港

 去年12月に就航したクルーズ船 "MITSUI OCEAN FUJI"が広島港に初めて寄港した。
 去年12月29日に横浜を出港し、韓国や九州を経由して6日に広島へ入港した。同日中に広島を出港し、8日に横浜着。
 2024年の広島港へのクルーズ船寄港回数は過去最多だった。G7広島サミット2023の影響で外国人の広島への関心が高まっていることが理由として考えられる。

⑨サムスン AI用いた船舶運航管理システムを開発

 韓国サムスン電子は6日、人工知能(AI)で船舶の運航を管理するシステムを開発したと発表した。

⑩国交省 「NX補助金」3件を新たに採択

 人手不足や事業基盤の脆弱性などに対応することができる強い内航への変革(NX)への取り組みが必要とされている。
 国土交通省は令和6年度に新たに『NX補助金』(内航変革促進技術開発費補助金)を創設し、令和6年11月11日~同年11月29日まで補助事業の3次募集を行った。
 その結果、日本郵船、新日本海フェリー、旭洋造船の3社が新たに採択された。

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