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第2弾 結婚・妊娠・出産・赤ちゃん・コウノトリ(Part3 )
⑦女性の生理
女性の生理もまた極めてデリケートなものですので、表現方法が多く、中には感心したりほほえましく思わせるものも多くあります。通常は 動詞menstruate(メンストルエイト 生理がある)と言います。形容詞は menstrual (メンストルアル)です。menstruation(メンストルエイシャン)で、名詞、「生理」となります。日本語で生理のことをしばしば「メンス」というのはこの単語から来ています。また、より一般的には period(ピアリオド)を使います。 period は「期間」という意味でよく使われますが、一か月の期間を経てやってくるのが生理なので、この単語が生理の意味を持つようになったのだと思います。 I am in period now. で「今生理中」となります。 My period ended yesterday. で「昨日生理が終わっちゃった」です。
さぁ、ここからが本番です。 a visitor(訪問者)、monthly bill(月々の請求書)、 T.O.M、 girl’s day、moon cycle など。これらすべて「生理」「月経」を意味します。 a visitor は monthly visitor(マンスリー ビジタ)「月々の訪問者」とも言います。「一月ごとにやってくる(訪問してくる)人」というわけです。 monthly bill は「月々の請求書」ですが、お金の請求書を出されてうれしい人は一人もいないはずです。ですので、これは「月の障り」にぴったりの表現です。 girl’s day とはまさに「女の子の日」です。T.O.M とは that time of the month の頭文字をとったもので、「月のあの時」ですので、日本語で言う「月のもの」となるでしょう。 moon cycle は「月の巡り」です。まさしく生理ですね。
英語で少し表現してみましょう。例えば、 I am having a visitor. あるいは My moon cycle has come. と表現して「私今生理なの」となるわけです。それぞれ「ただいま来客中」、「月の巡りが来たわ」ですので。 I have a monthly bill. なら「今月の経費の支払いをしなきゃ」です。「あぁ、イヤだなぁ」という気持ちが伝わってきます。
Aunt Flo(アント フロー)も「生理」という意味になります。「フローおばさん」という意味です。生理のことを「親戚のおばさん」とおどけて言い換えているわけです。 そしてその名は「Flo(フロー)」です。「フローおばさん」= 生理です。これがまた面白いんです。 Flo は flow から作られた単語です。 実は flow にも「生理」という意味があるからです。 flow は「潮や何らかの液体が流れる」という意味です。おそらく女性が生理の時に出血する様を捉えてこの Flo(w) を持ち出してきたのだと思われます。女性の生理を親戚のおばさんと想定し、そのおばさんの名に、液体の流れるさまを表す flow(Flo) という単語を割り振って表現したところに、生理を愛しくかけがえのない身内と捉えようとする女性の感性や温かみを感じることができるのは私だけではないでしょう。「フローおばちゃんがやって来たわ」ですね。
またbig X という表現もあります。 X は「謎・未知・神秘」を表すアルファベットです。女性の生理はまさに神秘の世界です。その X に big までつけて「生理」としました。「偉大な神秘」という意味になりますね。女性へのリスペクトのなせる業でしょうか。
次に The oven is in cleaning mode.との表現もあります。直訳は「オーブンが清掃モード中です」です。これで「今生理中」となるのはなぜでしょう。答えはこう。 Part 1で I have a bun in the oven. という表現を紹介しましたね。 bun は「(ハンバーガーの)パン」、 oven は「オーブン」でした。つまり「オーブンの中にパンが一個」で「今妊娠中」でしたね。実はこの oven とは女性の「子宮」のことだったのです。つまり The oven is in cleaning mode. は「子宮が今清掃モードです」と言っているわけです。出血を伴う生理の時の状態を「子宮のクリーニング中」と楽しく言い換えているわけです。コミカルと言えばコミカルです。捉え方や言葉の使い方が実に妙で面白いですね。
また、生理中の女性は気が立っている(嘘かほんとかわからない説)というところを取って、 fly a red flag(赤旗を振る)という表現もあります。「赤旗を振る」とは「相手への警告行為」です。「近づくな、今の私に近づくと痛い目に合うよ!」ということでしょう。
最後に。 rag(ラグ) とは「ぼろ布」を言う意味ですが、これを使って「生理」を表現することができます。 She is on the rag. とか She has the rag on. で「今生理中」となります。和訳はどちらも「彼女はぼろ布を付けている」です。どこに? 当然、股間にです。要するに「生理用ナプキンの代わりにぼろ布を股間に充てている」、ということです。実はこの表現から現代人としてとても大切な問題がクローズアップしてくるのです。
女性がぼろ布を股間に充てて生理をしのいでいたのはもうずっと昔のことでしょう。今では衛生的で快適な生理用品が開発されているのですから。しかし昔の女性は相当苦労していたはずです。ところが、今なおぼろ布を股間に充てて生理期間を乗り切る人たちがいるのです。それはインドやパキスタン、バングラデシュ、スリランカなどの南アジアの貧しい女性たちです。貧しいがために衛生的な生理用品が手に入らない。ぼろ布を当てるしかない。しかも貧しいがゆえに使い捨てにはできない。汚れた水で洗い、干してまた再利用する。しかもその布は母娘、姉妹使いまわしです。このために感染症などの病気に侵される女性が後を絶たないのです。宗教上の理由もあって、生理中の女性は忌み嫌われる事実もあり、これらの国々の女性は生理に関してあまりに過酷な現実の中にいます。またこれらの国々では生理中の女性の3分の1は学校を休むのです。学校に行っても水が使えない、プライバシーが確保できなかったり、トイレ施設の不備があって学校を休まざるを得ないというのが実態です。
ここ数年、日本において生理の話題がマスコミなどで取り上げられる機会が多くなってきたように感じています。人類を絶え間なく生み続け、この世を継続させてきた女性。その主人公たちの生理の問題がすべての女性にとって快適なものになるように祈り、行動していきたいものです。
Ⅳ終わりに
今回は結構踏み込んだ世界をご紹介しました。
私は英語が大好きです。そして英語は私をいろいろな世界に案内してくれます。英語に堪能になりたいという思いがそれまで未知の世界であった分野へ私を連れて行ってくれるのです。英語を通じて学んだことを、皆さんの毎日に少しでも潤いを与えられるよう生かしたい、と願いながら寄稿しています。もっともっと楽しくためになるものを投稿します。
では、 See you around!