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「普通」って,どんなこと? 基準がないね!

「普通」という言葉が消えかかっています・・・
普遍的な価値基準の時代は終わりました・・・
これから、益々、「普通がない時代」になるでしょう・・・

個性化・グローバル化が進めば進むほどに、「普通」がなくなっていく。
一般的であるということ、誰にも通じること・社会通念と認めていること

「これが普通でしょ!」という言い方も
「常識だよ!」という表現も・・・「そうなの?」の一言で終わってしまう

例えば、何歳ごろに結婚して、子供を産んで、育てるなんて、「孫世代」には反故」になったということで
いまごろになって「子供が足りない」「仕事より遊びの人が多い」「働き方改革だ」・・・なんて騒いでいるけれど、
そんなことは、以前からわかっていたことだ。

子育て

結婚しない人が増えたし、離婚も同性婚も増えて、いわゆる「基準」を失くしてしまった。会社に行って仕事をするのではなく、自宅でリモートで仕事をする・・・
地域活動も廃れ「分断」され、リキッド化された「個人」ばかりとなった。
しかし、人間はひとりでは生きられない・・・
誰かを支え、誰かに支えられて生きていく。
個人・地域・行政であっても、それが誰かには変わりない・・・

人間関係:悩み・対立

甘えは人間関係を象徴するし、恨み・妬みは感情の一番根深いところにある。人間を「ニンゲン」と読まないで「ジンカン」と読むとわかりやすい。
人と人の「アイダ」という意味で、人間関係を意味する言葉だからだ。
病気・老化・死というような個人に起こるが喜び・悲しみ・不安・悩み・怒り・葛藤・恐怖も人間関係の中で生まれる。

  改めて、日本人の特徴を考えると・・・
街を歩いていると、「あの人は日本人じゃないな」という人・グループにであう。近所に住んでいる東南アジアから来た人は、歩き方も雰囲気も独特だから簡単に区別できる。ヨーロッパに行くと日本人は、中国人・韓国人と間違われるが、街中で「あの人は日本人だ」というのは直感で理解することができる。では「日本人とは」なんだろうか。

和太鼓:生活文化

そこで、日本人の人間関係に関する書籍を読んでおきたい。
古典的なものでは、土居健郎『甘えの構造』・山本七平『日本人とユダヤ人』・ベネディクト『菊と刀』・角田忠信『日本人の脳』・内村鑑三『代表的日本人』・加藤周一『雑種文化』は基本図書である。

日本人の挨拶

最近、グローバル社会になって<日本人らしさ>が議論されることが 多い。この中で、中根千枝『タテ社会の人間関係』が基本的なものとして読まれることが多い。考え方・行動の仕方で特徴が表れるのだ。日常生活の中で生まれた生活文化だろう。

<チョット寄り道> 小説などにあらわれた「普通」と「普通でない」
「普通であること」が揺らいだ社会は不安定です。
普通の世界に殺人・傷害の時間が出てくる事件が多発しています。
「治安が良いこと」が、日本の最大の利点ですが、この普通が揺らいでいることは、生活が不安定になるということです。

普通の暮らし

入試では、サスペンス・殺人・闘争事件は除かれますね。テレビのCMに出てくる「幸せな家族」には、日常、問題を抱えて生きている「人間と生活」が描かれていないから、設問ができません。

小説をはじめ「物語」は、事件として殺人・不倫・離婚・闘争など、極端な場面を描かないと成立しないのです。普段、起こりえないことがドラマをつくるからです。正直で、ひそやかに生きている、真面目な人の日常生活は「物語」にならないのです。平凡な日常に“事件”を起こして「物語にする」のです。
「大学入試センター試験」で、太宰治の「故郷」が出題されたことがありました。母親の臨終に当たり久しぶりに帰郷したけれど、親戚・兄姉から疎まれる「屈折した心理」がテーマでした。大学入試で「崩壊した家庭のトラブル」が出題されますが、理由は事件があるほうが「設問が作りやすい」からです。  

定義が難しい「普通」とは・・・
「普通」の定義が難しい時代になりましたね。
親子・兄弟・親族の定義も曖昧だし、「比較が難しい」からです。
「暗黙知」が否定されて、すべてを「形式知」で表現することは難しいのです。日常生活の普通は、いつまでたっても普通であって欲しいと、私は願っています。

私の自宅近くに「同性婚」をした人が住んでいます。実際に子供が2人います。非難をしませんが、両親は「心配」しています。新しい家族の形というところでしょうか?
また模範的だと思っていた家族が「相続」でもめて「争族」でバラバラになった例が沢山あります。離婚・再婚も珍しくないですね。だから、入試問題でも「心理的な葛藤」を出題したり、「相克する関係」を考えさせたりするのです。知識だけでなく、イメージ力が問われているのです。「SDGsの目標5」にジェンダーがあります。私が捉える「普通」ではありません。 

SDGsの目標

介護の問題は、他人事ではない・・・
私は84歳。いまや、私の友人・知人は高齢者ばかりです。
70歳をすぎると、元気な人と弱っていく人がハッキリ分かれますね。
もはや、高齢化社会ではなく、すっかり「高齢社会」です。軽く認知症になった人・耳が聞こえなくなった人・足腰が弱くなったと嘆く人が多いです。
長寿になることは、「経費負担」「医療」「福祉」「安全」「介護」「相互支援」「教育」「文化活動」などと課題が多いです。
「こんなことはあるはずがない」と思っていた「孤独死・安楽死・自殺」など介護の問題は他人事ではありません。

ユマニチュードという考え方
「介護の方法」にはいろいろな考え方や手法がありますが、私は「ユマニチュード」という考え方に賛同しています。
特に「見る」「話しかける」「触れる」「立つ」という4つの方法に賛成しているのです。この中で、私は特に「立つ」ことに注目しています。

健康を維持するために「歩くこと」が推奨されますが、高齢者は「寝ているのがラクだ」といって、寝ころびたがる傾向が強いです。が、寝てしまうと極端に視野が狭くなってしまうので、危険です。天井を見る、横を見るしかできなくなるからです。「立つ」ということは、かなり意志と努力が要求されますから「人間らしく生きる」には重要なポイントだと思っています。
 
<チョット寄り道> 時代のキーワード「不安」「恐怖」「焦り」
先日亡くなった脚本家の橋田寿賀子さんは、絶対に殺人・不倫を書かないと決めていたと聞きます。だから、日常茶飯に起こる「生活上の課題」をドラマの柱にしたといいます。これは珍しく、サスペンス・事件ものより大変なことです。

橋田さんは『ほとんどのドラマは投書欄・身の上相談欄』をみていれば書ける』といっています。人生の折々のことが書かれているからですね。普通の生活の中で生まれるドラマです。

知人が書いたベストセラーになった本

「不安」をキーワードにしたベストセラーが出ました。
『身近な人が亡くなった後の手続きのすべて』という書籍です。
この本は、70万部売れたそうです。類似本がたくさん書店に並び、最近は売れ行きがストップしましたが、「終活」が話題になる昨今ですから、問題意識を喚起したのでしょう。著者に「これは、私をモデルにして書いたのか?」と笑い、贈呈してもらいました。(笑)

ベストサエラ―になった本

最近の企業の広告・宣伝を見ると、「不安」を刺激する商品が多いですね。「健康」をサポートする商品・相続手続き・精神安定を促す書籍・新しい機器の紹介・ケア商品・介護付き施設・年金・倒産など、明るい未来より「不安」を素材としたものが多いです。

CMで「いますぐ申し込んでください」「30分以内に申し込めば、このお値段です!」と煽る。こうした宣伝が目に付きますね。しっかり吟味して買うのではなく、焦らせて買わせるのです。

 <チョット寄り道>
入試の時ですから、あえて対策になることを書いていますが、「不安」を煽り、「恐怖」・「焦り」が出題の裏になるテーマの一つだと注視していくといいといいたいのです。
いつでも「冷静さを大切に」するのです。
自分の生活に必要な情報を選択し、過剰な宣伝に乗ることがないようにしましょう。焦って「詐欺」にかかる人が多いようです。
騙したより「騙された方が悪い」という考えも知っておきたいです。

私は「普通の暮らし」を続けたい・・・
私は「普通の暮らし」を続けたいと思います。
古かろうが、新しかろうが「普通」がいいです。個人としては「しっかり食べて」・「よく眠り」・「立って歩き」・「笑顔でしゃべり」・「友人と仲良く」・「好奇心」を燃やして生きることです。これが「私の基準」です。

その環境が脅かされている現状を嘆きながら、それでも世の中が落ち着いて日々の暮らしが「平和」であることに拘りたいのです。
簡単なようで、非常に難しいことだと思いますが、それでも「基準」は変えたくないのです。

海外で生活している息子。留学中の孫など、私の家人は「日本の常識は海外の非常識だ」といいますが、私自身は日本で暮らしているのですから、遠慮なく「義理・人情」で堂々と暮らしていくのです。(笑)

これから、ますます「普通の基準」がみえにくくなっていくでしょう!
戦争の足音が消えないばかりか、環境汚染が進むでしょう。
生成AIの活用が広がるにつれて、マスコミ・SNSに振り回されることが多くなるのは必定です。

そんな時代に生きるには「疑問」「驚き」「共感」を大切にしなければならないとおもぃます。
「ChatGPTの使い方さえ、チャトGPTで調べることができる」のですから、利用法を考え、目的を見間違ってはならないと、自分自身に言い聞かせています。皆さんは如何ですか?





















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