推しの子2 侮れぬ
どうせアイドルヲタクのアニメだろうと、
当初は冷めた目で見ていたが違う。
社会問題などが描かれていて、面白い!
シーズン2の最初のテーマは、ズバリ「原作改変問題」。
現実社会では「セクシー田中さん」の原作者・芦原さんが
ドラマの脚本をめぐり亡くなったことは記憶に新しい。
焦点になったのが、芦原さんと現場関係者でどんなやり取りがあったのか?
「原作に忠実に」という芦原さんの要望が、どのような形で現場関係者に
伝わっていったのか?
「推しの子2」では、原作改変問題が起きる背景には
「伝言ゲーム」があるからとしている。
例えば、原作と脚本が乖離していると憤る原作者。
脚本家に「脚本を変えてほしい」と要望を出すシーンでは、
こんな「伝言ゲーム」があった。
①原作者⇒編集へ
原作者:「ここが見せ場なのに全然よくない
道端で心情をベラベラしゃべって気持ち悪い
どうにかして」
編集:(心情)「整理して文章化するの大変な・・・」
②編集 ⇒ライツへ
ライツ:(心情)こんなに怒った文書、そのまま先方に伝えられない
どうにか言葉をマイルドにしなくちゃ
③ライツ⇒制作プロデューサーへ
④制作プロデューサー⇒脚本家マネージャーへ
制作プロデューサー:「この修正だとスタジオのセット変えないといけない
スケジュール的に無理だ」
「主人公の出番は減らさない方向で脚本家に伝えて」
⑤脚本家マネージャー⇒脚本家へ
マネージャー:「原作者の意図は心情の出し方を
情緒あふれる形にしてほしい」
脚本家:「セリフ少ないほうがいいと思うけど、じゃあちょっと足すか」
原作者の要望が様々な人を経由して伝えていく、まさに「伝言ゲーム」。
経由する人数が多ければ多いほど、
聞き手の立場や受け取り方で、伝わる内容は少しずつ変わっていき、
最終的に、原作者の要望は、脚本家に違った形で伝わっていく。
セクシー田中さんで、このようなことが起きたかは分からない。
ただ、伝言ゲームはとてもリアルで
こういうことが起きた可能性があるよな、、と思った。
それにしても、押しの子の「業界の裏側」を描く姿勢。。。
ハレーションが起きそうなのに、よく放送するなと思う。
製作者側の意地と信念のようなものを感じる。