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僕とアイデンティティ

大学に入ってからもうすぐ2年が経とうとしていた。周囲の友人たちは皆、それなりに自分の居場所を見つけ、充実した日々を送っているように見えたが、僕にはなんかこう、熱心に打ち込めるものが見つけられないでいた。何かしようと思っても、いつも自信が持てずに逡巡してしまう。自分が何者なのか、何をしたいのか、考えても考えても答えは出てこない。

友人たちは自分が楽しめることを見つけていた。誰かと一緒に過ごす時間、スポーツ、音楽、映画、読書など、それぞれが自分に合った趣味や嗜好を持っていた。でも、僕にはそういうものがなかった。何かやってみたいことはあるけれど、どれもすぐに飽きてしまって続かない。

他人への自分の見せ方にも悩んでいた。授業やサークルで知り合った人と話をするとき、いつも何を話せばいいのか分からずに緊張してしまう。どの自分を演じればその人と良好な関係を築けるかばかり考えていた。そうしていくうちに、いつの間にか本当の自分を見失っていた。

さらに、僕は孤独や退屈といった諸問題にも直面していた。夜中に一人で部屋にいると、何か心地悪いものを感じてしまう。居ても立っても居られない衝動に駆られたり、誰でもいいから話し相手が欲しくて仕方がない時もあった。友人たちはみんな何かしら忙しくしているようで、自分だけが暇を持て余しているように感じてしまう。だから、SNSで友人たちの投稿を見たり、YouTubeを見たりして空虚な時間を過ごしていた。

僕は、これからどうしたらいいのか分からなかった。周囲の友人たちは充実した日々を過ごしているように見えるのに、自分だけが浮いているような気がしてしまう。でも、何か自分に合ったことを見つけて、自分らしい生き方を見つけるためにも、まずは行動を起こすことが必要だと思った。

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