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嬢をめぐる冒険(N#10)
昼頃に「前に〇〇店に少しだけいたので覚えてるおにいさんがいたら嬉しいです!!」出勤を知らせるそんな内容の日記がサイトに掲載された。それでもその日は様子を見ることにした。
定期的に日記が掲載され、予約も入っているようだった。今回の出勤は閉店した支店しかフォローしていなかった僕には通知もされないし、彼女からは他店のアカウントを使って連絡してくる以外は手段はなかった。それは角が立つから当然できないだろう。
次の日の朝を迎えた。
「気になるなら会いに行った方がいい」
PCの画面を見ながら、独り言がこぼれていた。
2つの市町村を横断して行かなければならなかったが、仕事が終わってから高速道路を使って行けば問題ない距離だった。その日の21:30に120分の予約を入れた。
「もう気は済んだだろ」
あとは準備も考える必要もない。その時間に会いに向かうだけだ。