大学サッカーにおけるプロ早期内定の是非

2022年度も多くの大卒選手がプロの内定を勝ち取った。
中には大学2年、3年に早々とプロの内定を得ている選手もいる。
大卒の評価が高まっている昨今、プロのスカウトも有力選手を早期に発見し囲い込みたいという気持ちは強いだろう。
そして可能なら、早々に特別指定として、チームに馴染んでもらい即戦力として活躍してもらいたい、なんなら大学の部活を退部してチームに来てもらいたい、そういう思惑もあるかもしれない。実際に筑波大学では大学3年生で退部し、プロのチームに合流している選手が最近見受けられる(大学部活の途中退部は多くの大学でタブーだが本記事ではその件はふれない)。
選手側としても内心そうしたい選手はかなり多い。
その後のキャリアを考えると早くプロリーグで活躍し日本代表を目指したり海外移籍を目指したいところである。
また、早期に内定を得た方が、プロになれるかなれないかのストレスから解放される。そのような点などから早期にプロに内定するメリットは選手にとっても多いだろう。

しかし早期に内定をもらうことによる弊害もある、その一つは選手の大学サッカーでのモチベーションの維持である。
とある有力選手が述べていたのは大学3年生のときにはすでに「大学リーグが物足りない、早くプロにいきたい」ということだった。これはとても正直な意見であると思う(もちろんこの選手は内定こそないものの早い段階から囲い込みがあった選手である)。
早期に内定をもらったほうが安心感でのびのびできる、もしくは次のステージでの課題を見据えて早期に取り組めるといったメリットはあるが、その一方大学サッカーんいおける最上位の課題である「プロ内定を獲得する」という目標(一部の背選手にとっては長年の夢かもしれない)が達成されてしまったあと大学サッカーでなにをがんばるか、モチベーションを維持することに苦労する選手が多い。大学でのタイトルとおもう方もいるかもしれないが、上記にも書いた通り大抵の選手の大学サッカーでの最大の目的はまずプロ内定を得ることである。そのための大学でのタイトル獲得である。
つまり、あまりに早期に内定をもらってしまうと、大学サッカーでのモチベーション維持に苦労し4年次の過ごし方を無駄にしてしまったり、時にはチーム内不調和を来すこともある。早期に内定をもらう選手は大抵はチームの主力であるため、その選手がやる気を保てないとチームの指揮が下がってしまうこともある(実際そういう話も聞いた)。

かといってプロチーム側も、うかうかとしてたら他のチームに獲得されてしまう可能性があるため早期に内定を出す流れは規制されない限り、今後もさらに加速する可能性が高い。

そこでモチベーションをあげる一つの要素としてなりえるのではと考えることは大学サッカー、とくに夏の総理大臣杯、冬のインカレをもっと脚光浴びさせることだ。先の記事にも書いたが大学サッカーはとにかく地味だ。しかしサッカー部、サッカー選手はとにかく目立ちたい人が多い。SNSをみていてもわかると思うがサッカー部はほとんどがSNSを本名でおこなっており、トップ画はたいてい自分のサッカーをしている写真である。もちろんプロへのアピール要素も大きいが大抵の人は目立ちたいのである。そんな目立ちたがり屋の集団の大会なのにとにかく大学サッカーは地味すぎで選手のこころを満たしにくい。
箱根駅伝並みの物語が大学サッカーにも必要である。選手権の最後のロッカールーム並みの御涙頂戴演出が必要である。
やはり運営側が感動の嵐を呼び起こすような演出などもっと大学サッカーのエンターテイメント性をあげることは重要なのではないかと思う。

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