派遣は非正規の中でも一番の最底辺で詰み確定
ご無沙汰しております。
最近では
「終身雇用制度の崩壊」
「年功序列制度の見直し」
「メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用にシフトしている」
という言葉を耳にした事がある人も少なくないかと思います。
それと共に
「正社員神話は過去の遺物」
「これからは派遣社員・フリーランス・ギグワーカーなど、ひとつの企業に縛られない働き方が主流になる」
「終身雇用制度は崩壊したからこれからは正社員でも安泰ではない!簡単に首を切られる世の中になった!今こそ脱サラのチャンス!」
「副業をバンバンやって終身雇用崩壊に備えよう!」
「ネットワークビジネス(マルチ)で人生のスペアタイヤを」
「個人で起業しよう!」
「ユーチューバーになって稼ごう!」
という意見も時々耳にします。
トヨタの社長の発言が独り歩きして、それに乗っかる形で不安を煽る人もどんどん増えたせいか
【日本の終身雇用制度は完全に崩壊した】
と勘違いしている人が多くなってしまったのではないかと思います。
確かに年功序列制度は見直されつつあると思います。
勤続年数よりも実力(成果・会社への貢献度)で給与を決める事が結果的に社員のモチベーションアップに繋がると考える企業が増えて来たと思うので
結果的にただ勤続年数が長いというだけでは給与が上がりにくい、職場に居づらくなる、最悪退職勧奨をされる事もある…という点では終身雇用制度は崩壊したという見方もできます。
しかし、だからといってそれがなぜ、正社員でいる事は良くないから派遣やフリーランスで働くのが正しいだとか
脱サラして起業するのが正解だとか
脱サラしてマルチをやって「起きた時が朝」なライフスタイルに切り替えるのが正解、みたいな解釈になるのかがイマイチ理解できないんですが。
それに車のスペアタイヤだって「結局一度も使わずに廃棄というケースが多いから無駄になる」と搭載義務が廃止になったくらいなのに、人生のスペアタイヤにすらなり得ないネットワークビジネスなんてもっと無駄なんじゃないかと個人的には思います。
しかも本気でそんな事を信じている人もわりと多かったりするので、頭は大丈夫かと思うんです。
新種の感染症などで緊急事態になったりした時に「紙不足になる」というデマを信じてトイレットペーパーを買い占めたり
コメ不足のデマを信じて買い占め→転売に走る人達は、恐らくこういう人達なんだろうなと思います。
正社員でいるから一生安泰ではない。万一に備えて…例えば会社が倒産したりなどで失業した時の備えをしておこう、というのならわかりますしそもそもそんなことは今更大騒ぎして言う事でもないと思います。
よほど能天気で思考停止している人でもない限り、多くの人が多少はそのリスクを考慮して各々が自主的に何らかの対策を個人的に講じていると思います。
まあ正社員以外の働き方を選択しても、よくよく考えた結果自分が納得した上での事なら否定はしませんが、ちょっと冷静になってみた方がいいとは思います。
確かに2024年は船井電機が突然倒産したり(まぁ、何らかの怪しげな前触れは多々あったので突然というのは語弊もありますが)
オムロン、コニカミノルタ、資生堂などで大規模な人員削減があったりと、大企業であっても一生安泰とは言えない様な事案が多数あった事も
【終身雇用制度崩壊】【正社員神話崩壊】による【脱正社員推奨】や【非正社員という働き方を推進】というムーブメントを煽る一因となっているかと思います。
ですが、それを真に受けて
もう正社員で働くのは危険だ!
それなら派遣で働こう!
フリーランスになろう!
副業でバンバン稼ごう!
起業家になろう!
と暴走するのは正社員で働き続けるよりもリスクやデメリットも大きい事を認識しておいた方が良いと思います。
色々と変革はあったとしてもやはり現状では、公務員か正社員というポジションが身分を保障されていますからね。
確かにもしもの時に備える事そのものは良いことだと思います。
でも、早合点をして暴走するのは却って自分の首を絞めかねない事も理解しておいた方が良いと思います。
ぼくの周りの人達がたまたまそうなのかはわかりませんが、ここ2、3年の間に
「このまま正社員でいるのは危ない気がするから派遣で働く事にした」
という人が何人かいるんですが
なぜ正社員でいると危ないと感じるのか、その理由を聞いた時に多くの人が
「正社員だと会社が倒産したりリストラされた時はまた一から転職活動をしないといけなくなるから大変。でも派遣なら正社員よりも仕事が決まりやすい(採用ハードルが低い)し、急に仕事がなくなっても派遣会社がまた紹介してくれるから転職活動の手間が省ける」
みたいな事を言っていたんですが
それはあまりにも短絡的過ぎるのではと思いました。
短絡的というより単に頭が悪いのかな?と思いました。
単純な話なんですけど、会社が倒産して失業する確率ってそこまで焦らないといけない程高いものなんでしょうか。
まあ、自分の会社に明らかにその予兆があるのであれば話は別ですが、特にそういう訳でもないのにまるで近いうちに倒産が確定したかの様に焦っているのが不思議でした。
正社員が倒産や解雇に遭う確率よりも派遣社員が派遣切りや雇い止めに遭う確率の方がよっぽど高いと思いますが。
何でわざわざそんなリスキーな選択をしたがるのか分かりません。
それにどうせ派遣社員になるなら別に倒産がわかってから再就職先を探したけどダメだった、という状況でなっても構わないだろうと思いますが。
確かに派遣は正社員と比べて仕事が決まりやすいかもしれません。
正社員と違って責任の重い業務を任される事が少ない為、単純なルーティンワークや雑務、あるいは正社員の業務のアシスタントがメインなので未経験でも採用されやすい傾向があります。
ただしその代わり、年収はかなり低くなると思います。
確かに時給の単価は直雇用のアルバイト・パートよりは高額に設定されているケースもありますが
それは賞与や退職金、各種手当に相当する金額を含めた金額となりますので、総支給額は正社員の月給より低い事が殆どとなります。
例えば正社員と派遣社員の月給が同じ約24万円として
◯正社員の場合は
基本給:240,000円
家族手当:1万円(配偶者)5000円(子供)
住宅手当:1.5万円
資格手当:1万円
職能手当:1万円
地域手当:1.5万円
通勤手当:2.5万円(全額支給)
額面給与:330,000円
手取り給与:273,814円(東京都・40歳以上〜65歳未満 扶養家族2人)
◯派遣社員の場合は
基本時給:1700円
月給:238,000円(1日あたりの実働7時間×20日勤務)
交通費:1.8万円(自宅〜最寄駅あるいは勤務先〜最寄駅までの距離が直線距離で1.2km以内は支給不可等の条件により交通費は一部支給)
額面給与:256,000円
手取り給与:214,160円(条件同じ)
そして正社員はここにボーナスもあり、退職金もありますし、昇給もありますが、派遣社員は原則として契約時の時給から昇給する事は殆どありませんし、あったとしても10円〜20円程度で、100円以上の昇給なんてのはまずないと思って良いと思います。
場合によっては交通費も時給に含めているという事もありますのでその場合はさらに手取りが低くなります。
別途交通費が支給される場合でも、正社員の通勤手当と比較しますと条件や制約が大きく、満額支給となるケースは稀です。つまり、交通費は一部自腹ということです。
交通費込みだったり一部支給となりますと、結果的に直雇用のアルバイト・パートよりも時給が安くなる可能性もあります。
それと、意外と知られていない事なんですが
派遣社員は有休が非常に取りづらい事が多いです。
多くの派遣会社には
「有休は事前申告のみで、後から申告したものは有休扱いにできません」
という謎ルールがあります。もちろん大手にもこのルールは存在します。
つまりこれは、急な病気や怪我などで欠勤した分を有休で当てる事が原則できないという事になります。
また、契約終了時に残った有休を消化できないケースも多いです。
なぜこんな不可解なルールが発生するのかと言いますと、
派遣社員に有休を付与するのは派遣元(派遣会社)ですが、派遣社員の有休時の給与は派遣先が負担する派遣料金からの支払いとなります。
派遣料金は派遣社員の実働日数に応じて支払うものとなっている為、実働がない日の派遣料金(有休分)の支払いに難色を示す派遣先企業も少なくないんです。
ですが有休はすべての労働者に認められている権利ですから、有休の申し出があった際には拒否する事はできません。
その際には派遣元から派遣先に交渉して有休を付与する事になる為、事前申告が必要というルールになっているんだと思います。
しかも有休を取得した事により次回更新が見送られる(雇止め)リスクが格段に高くなる可能性もあります。
雇止めの理由は何とでもなります。
「業務量が安定して派遣が必要なくなった」
「新入社員が入社予定なので派遣が必要なくなった」
など、後付けできる理由はいくらでもあります。
もちろんその後に他の派遣社員を入れても別に何の問題もありません。
派遣先企業としては
「うちの従業員でもないただの召使いの癖に働きもしないでタダでお金を貰う様な人は要りません」
「正規雇用者(正社員)だけでは回らない程業務量が多いからお手伝いの助っ人を頼んだのに有休を取られるのは正直言って迷惑だし助っ人の意味がない」
「次からは有休を与える必要のない新規登録スタッフに来て貰いたい」
というのが本音なんでしょう。
また、有休が取得できたとしても「全額補填しない」という事も多々あります。
現行の労働基準法では有休の日当分の金額は一日当たりの基本給の100%でなくても良いとなっていますから、6〜8割程度しか付与されないという事になります。
いずれも正社員ではまあまず考えられない事なんですが、派遣元・派遣先双方の利益優先をした結果、派遣社員が割を食うのは普通にある事です。
アルバイトやパートでも条件を満たせば有休取得はできますが、派遣社員のように「有休分は全額補填不可」なんて事はないです。
同じ非正規でも派遣社員は圧倒的に不利で損しかありません。
現在は人材派遣業界自体が衰退の一途を辿っており、業界自体の業績も年々悪化していますので派遣会社の倒産が相次いでいるという状況ですから、賃上げも難しいと思います。
また、現状を鑑みて大手でも交通費支給の条件も厳しくしたり(事実上の交通費削減)という事も普通にあります。
今後は交通費支給なしになる可能性大かもしれません。
それに伴って有休取得時の補填額もさらに減額となる可能性も高いと思います。
例えば、一日当たりの日当が10,000円の派遣社員が有休を取得した時の一日当たりの賃金ですが
現行では8,000円(8割補填)のところが
今後は6,000円(6割補填)や5,000円(半額)になる可能性があるという事です。
同じ非正規でもアルバイト・パートは賃上げが為されているところも多く、だんだん派遣社員の時給に追いついて来ています。
今までは
「パートよりも派遣の方が時給が高いから」
という理由だけで派遣を選んでいた主婦層が
「時給も100円差だったら交通費カットされて福利厚生も貧弱で3ヶ月毎の更新時期に雇止めに怯えないといけない派遣よりも直雇用のパートの方がメリットもバリューもある」
「長期的に働く事を考えたら派遣は結果的に損しかない」
と、どんどん派遣から直雇用のパートに切り替えている事が多いようです。
転職活動の為の一時的な繋ぎ程度で短期間だけというのであればさほど問題ではないと思いますが、何年も派遣で働き続けるとなると、深刻な貧困状態に陥るリスクが高いので、派遣社員を本業にするのはあまりお勧めはできません。働けば働くほど貧乏になって行きますからね。
あくまでもぼく個人の意見ですが。
それと…今は正社員でも簡単に首を切られる、リストラされる、と言いますが
今の日本の法律では、一旦正規雇用で採用した人の首はそう簡単に切ることができなくなっているというのをご存知でしょうか。
解雇を決定する場合には、それに足るだけの理由がない限り解雇は認められないと法律で決められているんですよ。
解雇に対するハードルの高さは恐ろしく高くて、労働者(正社員)側が圧倒的有利な立場なんです。
例えば会社の金を横領したとか、顧客データを流出させたとか、社内で刃物を振り回して嫌いな同僚を刺殺したなどのとんでもない犯罪をやらかしたなどでもない限り
勤務態度が悪い、サボるとか遅刻ばかりする、仕事でミスばかりやらかす、などを理由に簡単に解雇する事はできないんです。
勤務態度が悪い、遅刻が多い、能力不足などの場合は、まずは口頭注意や改善指導を行い、それでも改まらなければ軽度の懲戒処分で対処して行き、それでも改善しなければ徐々に処分の度合いを重くして、と、注意指導の記録を残し、それでも改善の兆しが見受けられない場合に初めて解雇の正当性が発生して来ますが、それでも解雇となると会社にどれくらいの損害が発生したのかを立証できるようにしておかなければ、不当解雇などを理由に不服申し立てをされるリスクはゼロではありません。
解雇はそれくらい難しいものなんです。
つまり、一旦正社員として採用したからには
本人が辞めますと言わない限り、会社側の都合で一方的な解雇はできないという事なんです。
仮に業績悪化により雇用が厳しくなったとしても
「社員の首を切る前に社長や上層部の報酬を削減するなどの措置を取ったのか」など、解雇を回避するための様々な対策を講じた上で、それでもどうしても雇用の継続が難しいと認められた場合でなければ、解雇は認められません。
解雇権の濫用となると、更に問題が大きくなってしまいますからね。
羽よりも軽い派遣社員(というか非正規)の首と違い、正社員の首は重く頑丈にできているんです。
それから、国の方針としては
2021年4月から改正高年齢者雇用安定法に基づき、
それまでは
・60歳未満の定年禁止
・65歳までの雇用確保措置
から
・65歳までの定年引き上げ
・65歳までの継続雇用制度(再雇用制度)の導入
・定年制の廃止
が義務付けられるとともに、70歳までの就業機会の確保が努力義務化されました。
また、2025年4月より高年齢者雇用安定法はまた改正されますが、65歳定年が義務化というわけではなく、継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)を導入する場合は希望者全員を対象としなければならなくなります。
つまり
歳を取ってもまだまだ働けるよ(働きたい)と希望している社員は雇い続けなさい
高齢を理由に追い出してはだめですよ
高齢の社員の雇用を継続するなら、高齢の社員が安全に就労できるように環境整備をしましょう
という解釈でよろしいかと思います。
ですから、国としては終身雇用制度を廃止しましょうなどとは言っておらず、むしろ
【会社は正規雇用の従業員を全力で死守すべく努力しなさい】
【会社の業績悪化を理由に正規雇用者のクビを簡単に切る事は許しませんよ】
【歳を取っても社員が働き続けたいと希望しているのなら雇い続けなさい】
と企業に言っているんです。
高齢になっても従業員の就業機会を守りましょうという事ですね。
しかしこの制度は原則、雇用期間に定めのない正規雇用者(正社員)を対象としているものである為、アルバイト・パート、契約社員などの非正規雇用は対象外となる可能性が高いです。
また、その企業の従業員ではない派遣社員には関係のない話で圏外です。
では雇用主である派遣元(派遣会社)にとっては派遣社員は従業員となるから、継続雇用制度が適用されるのかと言いますと、それもまた対象外となる可能性が高いです。
派遣社員が派遣元と雇用関係にあるのは、派遣先に派遣されて就業契約を結んでいる期間のみとなります。(有期雇用派遣の場合)
派遣先との契約期間が終了したらそれと同時に派遣会社との雇用関係も終了しますので、それまでです。
無期雇用派遣の場合はもしかすると継続雇用制度の対象となる可能性もありますが、
無期雇用だとしても派遣社員である以上、派遣先(お客様)からの仕事の依頼があってこそ成り立つものである事に変わりはないので
いくら本人が「継続雇用制度で」「60歳以上は3年ルールの適用外だから何年でも働けます!」と希望しても、派遣先企業側が「もううちでは派遣は必要ないから要らない」と言うのであれば、派遣元としてもどうにもできないと思います。
そういう点を考えますと、派遣社員には高年齢者雇用安定法は適用されづらいと思います。
また、高齢の派遣社員を派遣する場合に60歳以上であれば先述した3年ルールの適用外であると共に労働安全衛生法上の配慮が必要となりますので、派遣先に通知(60歳以上である旨)する義務が発生します。
そうなりますと正直なところ、60歳以上の派遣社員を積極的に受け入れようと考える派遣先は少なくなるであろうと考えられます。
自社で長年勤務している従業員であればその人の健康状態など、個人の状況を人事部や部署の責任者等が充分に把握しており、安全配慮計画の策定もしやすくなりますが
どこの誰かもわからず、しかも場合によっては短期間で次々と人が変わる可能性もある派遣スタッフの場合は正確に把握する事が難しく、対策が講じにくい・リスクが大きい、とみなされて契約に難色を示されることも少なくないと思います。
50代までは細々とではあってもどうにか仕事を貰うことができていたのに、60歳を超えたあたりから全然仕事を紹介されなくなったという派遣社員も決して少なくないと思います。
そして先述の通り派遣社員は、非正規雇用の中でも直雇用のアルバイト・パートと比べてもダントツで失業リスクが高いです。
「遅刻や欠勤が多い」
「勤務態度が悪い」
「ケアレスミスが多い」
「何度教えても同じ事を聞く」
などのような、正社員ならそんな理由での解雇が許されないような理由でも派遣社員の場合は簡単に派遣切りや雇い止めもしくはスタッフ交代となり、アッサリと失業してしまう可能性が高いです。
それに加えて失業時の保障も最低限のものだったり、最悪の場合は何もないというのが派遣社員の最大のデメリットです。
そもそも契約満了となった時点で既に派遣会社との関係も切れていますので、自社の従業員でもない人を派遣会社が手厚くサポートするような事も特にありません。
とりあえず条件を満たしていれば失業保険は給付されますが、基本的に契約満了後に次の就業先が決まらないというのは自己都合退職扱いとみなされる事が多いと思いますので、7日間の待機期間後に2ヶ月の受給制限が発生する可能性があります。
それらの最終的な判断は職業安定所が行いますので個人で決められません。
その間に仕事を探そうと考えても、60代派遣社員を受け入れてくれる職場を探すのは簡単ではありません。
「正社員と比べたら自由度が高い」
「WLBがしっかりしてる。休日出勤もないし残業も基本ナシ♪毎日定時ピタ退社」
「正社員で働く事が難しい憧れの大企業でも派遣でなら働けちゃう♪」
「契約外業務はやらなくて済むから気楽」
「責任の重い仕事を任されないから気楽」
「契約終了しても派遣会社が次の案件を紹介してくれるから転職活動の手間が省けてコスパもタイパも良し!」
と、手軽さを求めた代償はあまりにも大きいと思いますね。
派遣で働くメリットと言ったら上記の項目に該当する事がほとんどかと思いますが
メリットとしてはかなり弱いと思うんですよね。
逆に言うと、その程度のメリットで派遣社員を選ぶって、ちょっと頭が足りない人なのかな?と思う時もあります。
目先の事でしか物事を判断できないというか、視野狭窄というか。
少なくともぼくには全く魅力的に思えません。
むしろそのメリットと引き換えに相場よりも相当低い収入で蓄えも碌にできず、キャリアも形成できないまま茹でガエルになるリスクを抱える事になるので、派遣社員という働き方は敬遠したいと思います。
ですが、30代後半〜50代くらいの派遣で働く人の中には
・これまでもずっと派遣でやって来てたから今更正社員になるなんて無理だしそんな気力も湧かないし敢えて面倒な事はせずにとりあえずこのまま派遣を続けるという人(主に独身)
・結婚や育児などでブランクがあるから正社員での雇用が厳しく、ハードルの低い派遣を選んだ、あるいは
まだまだ育児に余裕がないから時短や日数を選べてライフスタイルに合わせられる派遣を選んだ
けれど派遣の働き方が楽過ぎて結局辞められない(主に主婦層)
・人間関係の構築が苦手、コミュニケーションの取り方がわからないから短期間で職場を転々とできる派遣を選んだ。嫌いな人がいても3ヶ月で次の派遣先に変われば良い
という人も少なくないと思います。
確かに年齢的には正社員での雇用が難しい事も多々あります。
ですが、50歳からでも正社員で雇用される可能性はゼロではありません。
但し相当な努力は必要となりますが。
正社員で仕事を探しているけどなかなか採用が貰えないという状況で仕方なく簡単に仕事が貰える派遣社員をしているという人も少なくはありませんが
正社員でもドライバー職、飲食業、警備、小売販売業などは派遣社員と同じくらいハードルが低いです。
しかし給料は安いし激務で残業時間も多く休日も少なめでワークライフコンフリクトで、自分の時間を犠牲にしなければなりません。
その代わり、正社員として雇用は安定します。
給料は安いですが、各種手当もありますし、賞与や退職金がある企業を選べば少ない額でもそれらも期待できます。
少なくとも派遣社員のように賞与・退職金が完全ゼロではありません。
給料が安いと言っても派遣よりはまだ貰えてる方という職種も多いです。(仕事にもよりますが)
ですが、空調の効いたオフィスでぬくぬくと事務仕事という事はできませんし、土日祝や年末年始、ゴールデンウィークも関係なく仕事をしなければなりません。
一日中立ちっぱなしや動き回り、肉体的には相当厳しく、年間休日も120日未満と厳しいものです。
自分にとってどちらがメリットが大きいのかよく考えて選択をした方がいいですね。
【派遣社員】
(メリット)
・年間休日120日以上がほとんど
・残業なしが殆ど(あっても月10時間以内)
・デスクワークで肉体的負担が少ない
(デメリット)
・派遣先では完全に部外者なので疎外感を感じたり、日常的に差別やイジメがある事がほとんど
・派遣先企業の福利厚生の対象外なので待遇差を目の当たりにする機会が少なくない
・些細なことで雇止めにされやすい
・年齢が高くなるほど派遣切りや雇止めのリスクが大きくなる
・派遣先企業のホワイトな就労環境維持の為、社員がやりたがらない仕事などのネガティブな業務を引き受ける要員として使われる
・派遣先企業の社員のストレス解消用人間サンドバッグとして導入される事も多い(同僚や後輩をターゲットにするとコンプラ相談窓口などに通報されるけどよそ者の派遣は相談対象外)
・何年働いても賃金は最低のまま
・賞与がないので月々の低所得を挽回できるポイントがない
・WLBはバッチリとか言ってるけどとにかく収入が低過ぎる為、結局休みの日に何かしら副業で単発バイトなんかをやるからブラック企業で働いてるのと変わらない
・年末年始、GW、夏季休暇(お盆)、シルバーウィークなど連休が多い時は月収が大幅に下がり、手取り10万前後となる
・社会的地位なし。社会的保障なし。社会的信用なし。と社会的にナイナイ尽くし
・昇給なし。賞与なし。退職金なし。と収入面でもナイナイ尽くしな上に最低クラスの低賃金
・派遣先企業での人権なし。派遣元からの保障なし。というよりそもそも派遣は権利主張できる立場ではない(権利主張するのは勝手だけど現実では相手にされない)
・労働者の中では名実共に真の最底辺で、惨めで情けない気持ちになりたい人や人生詰みたい人にお勧め
・一族経営(ファミリー経営)系の会社に派遣された場合、正社員以上の地獄が味わえる(正社員でも地獄)
・虐げられて見下されて蔑まれる事が快感という精神的苦痛系が好きなドMや奴隷願望のある変態には天職
・貧乏暮らし系の悲劇のヒロインを演じ切りたい頭ハッピーセットお花畑の人にも天職
【人手不足業界の正社員】
(メリット)
・安定して働く事ができる(突然の解雇・失業リスクがほぼない)
・自社に雇用されている立場なので不当な差別をされる事がない(派遣のようによそ者扱いされたりしない)
・会社から手厚く保護されている実感を感じられる(会社による)
・昇給、賞与、退職金がある(少なかったり無い場合も)
・定年後も希望すればそのまま働き続けられる
(デメリット)
・肉体労働(立ちっぱなし、動きどおし)
・接客が多いのでカスハラ被害に遭いやすい
・採用のハードルが低い為、人格破綻者が一定数存在する
・長時間労働になりやすい
・年間休日は80〜115日程度とブラック度が高め
・退職金がない会社も一定数存在する
・一族経営(ファミリー経営)企業の場合、地獄確定
これが絶対的な正解というのはありませんが
ぼく個人としては派遣という働き方にはデメリットしか見当たりません。
派遣なんかやるくらいならコンビニ店員や交通誘導警備、清掃やスーパーのレジ係などのアルバイトの方がいいですね。
直雇用で身元がきちんとしているという事もあるので、職場の人達から見たら何処の馬の骨かもわからない流れ者でしかない派遣社員よりもアルバイト・パートの方が信用度は高めなのでそれなりにきちんとした扱いをしてもらえると思います。