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「氷河期世代だから…」という強烈な他責思考

ぼくが就活をしていた頃は就職氷河期真っ只中だったんですよ。

本当のところを言いますと、ぼくは日東駒専の理系学部卒です。
あまり詳しく書いて日東駒専のどの大学のどの学部なのかを特定されたくはないのですが…

学生時代に就活をしていた当時は
「ふぅぅ〜ん、ニッコマねぇ〜w」
「君さ、今どきは旧帝大卒でもファミレスの社員なんかに就職しちゃうような世の中だよ?
ニッコマごときが正社員になれるとでも?」
って各企業の採用担当達からかなり馬鹿にされまくった記憶があります。
本当に↑みたいな罵詈雑言を当たり前のように浴びせかけられたんですよ。

現代の面接の場で↑みたいな発言をしたら大問題ですね。
こっそり録音されてネットで大炎上待ったナシですよ。
でもあの頃はそんなのは序の口でしたね(笑)
そんな時代だったんですよ。

団塊世代のお父さん世代やバブル世代のお兄ちゃん世代達からいじめ倒されて
後から入ってきたゆとり・ミレニアルの弟世代達からはバカにされて
ゼット世代の息子世代達からはゴミ扱いされて

ついでに言うと昭和一桁世代のおじいちゃん世代は自分たちが逃げるのに必死で見て見ぬふり。

トコトン救われない世代ですね、氷河期世代。
まさに世代ガチャ大外れです。

でもね、それを嘆いても仕方ないですね。
生まれちゃったものは仕方ないんで、今置かれた状況でどうやって生き残っていくか必死でしたよ。

結局ぼくを正社員で採用してくれたのは警備会社くらいでした。
警備はあの頃でも人手不足で来るもの拒まずでしたから。

ぼくと同期入社の新卒も1年が経つ頃には半分以上が早期離職していました。

でもね、辞めてどこに行くんだろうと思いました。


実際ぼくも新卒で入社した警備会社を2年ほどで退職しましたが、同期入社で僕が一番最後の退職者でした。
…まぁ、同期の退職者の中には過労で亡くなった人も数名いたくらいですから、それだけ苛烈な労働環境ではあったんです。
ちなみに警備員の労働環境は、あの頃と今とでそこまで大きな変化はないと思います。
実際ぼくも過労で入院したのを機に退職をしましたので。

その後、3ヶ月ほど療養してからまた再就職をと考えていましたが、貴重な新卒カードを警備会社に使ったぼくに仕事が選べるはずもなく、正社員で働くなら
・飲食店スタッフ
・バス運転士
・警備員
などが主で
非正規でも構わないなら工場派遣などが多数、という状況でした。

でもそれは仕方ないんです。
当時のぼくには大学卒という肩書きだけしかなかったんで。

結局警備員をやるしかないんだなと、2、3社ほど中小の警備会社を経験したあと、32歳の頃に大手の警備会社に就職しました。

大手に転職を決めた理由として
・日給月給制ではない(基本給がある)
・給与の相場が一般的な警備会社よりやや高め
・ボーナスが基本給ベースでちゃんと支給される
・家族手当や住居手当などの福利厚生がある(中小警備会社の殆どは法定福利厚生しかなかったり場合によってはそれすら怪しい所も多い)
・退職金制度がある
というところでした。

新卒で入社した警備会社を退職して大手の警備会社で働くまでの間に嫁さんと知り合って(同僚ではありません)
結婚もしたんですが、子供もできてこれからという時期に今の状況ではちょっとなあという事もあって
大手の警備会社に就職しました。

実際、家族手当や住居手当が毎月出るのと出ないのとでは全然違いましたからね。

それと、元々施設と雑踏、交通誘導の2級の資格は過去に取得していましたが、そこから1級を取って、貴重品運搬と機械警備業務管理者資格、自衛消防、普通救命→上級救命も取らせてもらえて、指導教育責任者(1号、2号)も取らせて貰えて、資格手当だけでも数万円になっていました。
大手は資格手当の金額が高めだったんです。

中小の時は2級で500円、1級で1,500円、指教責で2,000円程度と、かなり安い会社も多いと思います。
中小にいた時は
・施設2級
・雑踏2級
・交通誘導2級
で、合計1,500円しか資格手当が貰えてなかったんですが
大手に入社した時点では同じ条件で10,000円弱になったので単純にそこにびっくりしました。
最終的には上記のように色々な資格を取らせてくれましたし
そういう意欲のある人には会社もサポートを惜しまなかったというところも有難いと思っております。

残念ながら、警備会社の多くはそういう姿勢でない会社も多いですから、面接時に資格取得に対する会社のスタンスを確認する事をお勧めします。
完全自己負担制とか、立替制度でのちに給与から天引き、受験時は自費で合格した時だけ会社が負担、
などという会社は極力避けた方がいいと思います。

業務上必要としておきながら(特に交通誘導や雑踏は有資格者配置が必須ということもあるので)
社員にその費用を負担させる会社なんて、所詮その程度だと思いますから。

…僕が交通誘導2級と雑踏2級を取った時の会社はそのパターンでしたが。

基本的に資格取得費用は会社負担が普通だと思いますが、そうは言っても
◯年以内に退職した場合は返還を求める、という規約があるのが普通なので、
それは自己責任かと思います。
そこは勘違いしてはいけません。


もし、警備業界に転職したい人がここを見ているなら、参考にして頂ければと思います。




また、現場で働く警備員の中にはそんな意欲もなく無気力で
「とりあえず決められた時間だけ現場に居りゃ金貰えんだろ?資格?努力?くだらねーよw」
みたいな考えの人も少なくないですからね。

そんなだから何年経っても現場で腐ったままなんですよ。


確かにね、警備員は底辺と呼ばれる仕事です。
長時間拘束でキツい仕事なのに絶望的なほど給料も安いから、多くの人が嫌がって働きたがらない仕事です。

でも、努力を重ねて行けば警備員でもそれなりの人生を送ることはできると思います。

警備員なんかやってたら一生結婚できなくて孤独死確定とか言われてますけど
ぼくは結婚していますし、子供もいますよ。

上の子は大学に行きたいと言っていますので、ちゃんと大学に行かせてあげられるだけの力はあります。
もちろんぼくひとりだけが頑張っているのではなく、嫁さんの協力があるからこそそう言えるんですけど。

というか、お互いの実家の協力もあるから、何とか子供を育てられたんですけどね。
子供たちが小さい頃は互いの実家だったり、または僕の兄貴達の家族の協力もあったりしましたから。
周りの人たちから何度も助けて貰ったんですけど。

周囲の人達から助けて貰いたいと思ったら、それに見合う努力をしなければ、たとえ家族であっても誰からも助けてもらえないのは当然だと思います。

家族なら無条件で助けろとか
国や社会は国民の為に無条件で生活を保障しろ
国民全てが幸福に暮らせるように尽力しろ
なんて、虫が良すぎるとぼくは思いますが。

じゃああなたはその為にどんな努力をしてるんですか?と聞かれて、すぐに答えられるんだろうか。

努力をしていない人に限って、国のせい、政治のせい、社会のせい、誰かのせいにして自分には何も落ち度がないとか、世代ガチャに失敗したせいだからと勘違いしていると思うんですけどね。

ぼくも氷河期世代ですけど、同世代で苦しんでいる人から上がる声の中にある
やや行き過ぎた社会批判の声に時々ウンザリする時もあります。
おまえら結局愚痴ばっかりじゃねーかって思うんですよ。
そりゃ人間だから愚痴が出るのは仕方ないです。
愚痴の一つでも言わないとやってられない時だってありますからね。

でも愚痴るなら愚痴るで、今後を前向きに生きる為にはどうして行くかも考えて行動して行く必要があると思います。

自分の状況を冷静に判断・分析して
ビハインドからのスタートだったとしても、そこから最善ルートへの突破口は必ずあります。

その努力をしていないのに努力をした気分になって
「こんなに頑張っているのに報われない」
と愚痴を言うのは違うと思いますね。

成果を出せていないのは努力のベクトルが間違っているからかもしれないと思って、そこを修正したり、改めたりという事をしないから、いつまで経っても成果につながらないんですよ。
あるいは、身の丈に合わない理想(というか幻想)にいつまでもとらわれて、現実とのギャップに苛まれたまま不毛な時間を過ごしていたり。

確かにぼくも学生時代には
とある大企業に入社してこんな仕事をやりたい、という夢はありました。
ぼくの出身大学からそこの企業に入社した先輩たちもいますし、OB訪問もしました。
時代が時代だったら、もしかしたらぼくもそこに入社していたかもしれません。

ですが、ぼくが就活をしていた頃は
「今年度は新卒採用はありません」
のひと言で終わりでした。
第二志望も第三志望もそんな感じで

でもあの頃はそれが当たり前だったから仕方ないんです。
じゃあその状況でも就職ができるところと言ったら、万年人手不足の業界か今でいうところのブラック企業くらいで。

でも、それでもそこで生きていくしかないんですから、その時の自分にできるベストを尽くすしかありませんね。

ぼくが小学生の頃に読んだ、マンガの中で
「人生は大きな一本の道で、そこを歩けなかったからといってダメになると言うわけではない」
というセリフがあったんです。

確かドラえもんだったかな、もしかしたら他のマンガだったかもしれませんが、藤子不二雄先生の作品だったと思います。
そのセリフが妙に印象深くて、今でも覚えていますが
社会人になったばかりの頃に特に深く心に突き刺さりました。

だからね、ぼくはもう大きくて舗装された歩きやすい道は歩けなくなったんだな、とは思いつつも
でも歩かないとどうしようもなかったんですよね。

ここで止まって立ち往生してもどうにもならないんで。

しかしそうは思っていても、炎天下の中で何時間も突っ立っていたり
1ヶ月丸々休みなしで仕事が続いたりして
「自分は何のために生きているんだ…」
「こんな人生に何の意味があるんだ」
と思ったことも一度や二度ではないです。

でも、そういう状況にいつまでもいる訳にはいかないから、明日は今日より少しでも良くなる為に今の自分にできることは何だろう、と考えて行動することにしました。

ぼくはもう現場に立つことは殆どありません。

でもそれはぼくがそう望んで、ぼくなりに努力をしたんです。

いつまでも若いままで体力が漲っている状態ではいられないのは、ぼく自身が実際に何年も現場に立っていたからわかる事です。

いつかは年齢に体力が追い付かなくなるのは誰も避けられません。
確かに身体を鍛えて体力作りをしていれば体力をある程度維持することはできますが、それでもやっぱり年齢には勝てません。
同世代の鍛えていない人よりはマシというところが関の山で、本当に若くて体力のある人には劣ります。


プロのアスリート顔負けのトレーニングでもしているなら話は別かもしれませんが、そんなのは現実的な話ではないですからね。

ぼくは元々運動部出身なんですが、その頃からやっている筋トレは今も週に3日くらいのペースで続けていますし
毎日の帰宅時には職場から家までの約10kmの距離をランニングで帰っています。
それでもやっぱり若い頃と比べると…と思うくらいです。
もちろん、健康診断ではいまだに何も引っかかったことがないですけどね。
40歳はとうに過ぎていますけど、内臓脂肪も中性脂肪も血糖値も何も問題ありません(笑)
ついでに体脂肪率も10%未満ですよ。

いたって健康的です。
でも、それでもやっぱり40代以降は無理はできないと思うんです。

警備員の仕事は想像以上に肉体的にハードです。
1日に8時間も超える長時間の立ち仕事(巡回もある)なんて、やる気や根性だけでは続きませんね。

それでも何も取り柄がない人や若いうちにやるべき努力を先送りにしていた人は、老体に鞭打って嫌々でも仕方なくやるしかないんですよ。

人生ドロップアウトして、中途で入って来た中高年の警備員たちを見ていて
「このままただ漫然と仕事をしていたらぼくも将来はああなるんだろうな」
って思ったから、ぼくはそうなりたくないと思っただけなんです。

ぼくは世代ガチャでババ引いてしまったんで、それはもう今更どうのこうの言ってもどうにもできないんです。

どうにもできないからって自暴自棄になったり、無気力怠惰になったり、世の中のせいにして攻撃的になるのは非生産的なだけだと思うんで

今の状況でどうにか勝てるルートを見出すしかないと思ったんですよ。

だから、年齢的に現場勤務が辛くなってくる頃には内勤で身体に負担なく働けるようになったんです。

同年代、あるいはそれより上の年代の現場の隊員の中には
「どぅーせオレはこんな仕事しかできない底辺だからもうどうでもいいんだよ」
って腐ったみかんの方程式そのままでいる人も少なくない。

「あーあ、氷河期世代なんかに生まれちまったからオレの人生狂ったわ」
とか言ってるんですけど、それホントに氷河期世代だからなのか?
違うと思いますね。

現に、そういう人は世代問わずどの年代にも一定数存在していますよ。
いわゆる「なるべくして底辺になったクチのクソ野郎」ってやつです。

だからね、その人は氷河期世代じゃなくても結果的に底辺になってたと思いますよ。

なんだかんだ言って結局は自己責任なんです。
「氷河期世代なんだから」と他責思考でいる限り、死ぬまでそのままです。
自業自得です。

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