大好きなマリノア
2024年8月18日、マリノアシティ福岡が閉館した。
福岡県民においては、ショックを受けた方も多くいるのではないだろうか。
私たち夫婦にとっても例外ではなく、というよりめちゃくちゃショックだった。
現在、私たち夫婦は夫の転勤により一時的に福岡県外に居住している。
閉館する前に、最後にもう一度訪れたい。二人の気持ちは一致していた。
日曜日はゆっくり過ごしたいという思いから、閉館前日の土曜日にマリノアへ車を走らせた。
駐車場はやはり混んでいた。
なんとか車を停めて館内へ急ぐと、溢れんばかりの人で賑わっていた。
最後のバーゲンセールへの熱気と、明るくはしゃぐ声と、閉館を惜しむ声とが充満しているように感じられた。
最後はたくさん買い込むぞ、と勢い込んで来たものの、欲しいアイテムはほぼ残っておらず、狩り尽くされていた。
閉店前のパン屋さんみたい、と夫がぼそっとつぶやいた。
最後にマリノアで食べたのはクレープだった。
銀だこの売り場近くに設置された椅子に腰を下ろし、観覧車と、福岡タワーを見ながら二人で食べた。
私はマリノアから見る福岡タワーが大好きだった。
夏は青空と青い海に爽やかに映え、冬は冷たい風と暗い雲に覆われながらも堂々と威厳を見せる福岡タワー。
夏と冬、昼と夜でまるで雰囲気の異なる福岡のシンボル。
マリノアから、海風を感じながら眺めていると、特別な気持ちに浸ることができた。
何度来ても、いつ見ても、飽きることがなかった。
本当に寂しくてたまらない。
家族で買い物に来た日のことも、妹と二人で自転車で来た日のことも、初めての愛車でなんとか運転して来た日のことも、タイトーステーションのクレーンゲームでちいかわを取った日のことも、駐車場から見たどこか遠くの花火も、まだ彼氏だった頃の夫とクリスマスに観覧車に乗った日のことも、全て私にとって深く思い入れのある大事な宝物です。
いつまでも忘れることはないでしょう。
本当にありがとうございました。
またどこかで会える日を願っています。