フォトギャラリー用グラフ#2
この企画では、no+eの「みんなのフォトギャラリー」で使えるような数学の画像を作っていく予定です。
大まかな方向性としては、今まで数学に興味がなかった人に「(難しい計算や証明は別として)数学が好き」と言って貰えることを目指します。
今回のヘッダー画像は、次の関数のグラフです。
$$
y=\sin\left(\frac{1}{x}\right)
$$
この関数の最大の特徴は、$${x}$$を$${0}$$に近づけたときの極限
$$
\lim_{x\rightarrow 0}\sin\left(\frac{1}{x}\right)
$$
が存在しないことにあります。このような「変な」関数の例を、大学の数学科では習います。
直感的にですが、極限が存在しない理由を説明してみましょう。まず普通の$${y=\sin(x)}$$の関数は、下の図のように波の描いて振動していました。
これに対して$${y=\sin\left(\frac{1}{x}\right)}$$のグラフでは、図の中央$${x=0}$$の近くでグラフが激しく振動してしまっているので、一定の値に近づかないのです。図では、中央部分が塗りつぶされているように見えますが、本当は線が密集しているだけです。
ちゃんとした証明では$${\epsilon-\delta}$$論法を使って「収束」の概念を精密に定義した上で議論します。趣味として数学を勉強するなら、この辺りの証明は一つの目標になり得ます。もちろん、見て楽しんでくれるだけでOKです。
以下は、グラフの描画に用いたPythonのコードです。Google Collaboratory で実行しました。
import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
C = 1000.
x = np.r_[1.0/np.linspace(-1.0,-C, 10000),
1.0 / np.linspace(C, 1.0, 10000)]
y = np.sin(1.0/x)
# 図の描画
plt.rcParams['font.size'] = 10 # デフォルトの文字サイズ
r = 5.0
fig, ax = plt.subplots(figsize=(1.91*r,r))
ax.text(0.35, -0.2, r'$y=\sin\left(\frac{1}{x}\right)$',math_fontfamily='cm', size=40)
ax.plot(x,y)
plt.savefig("graph-20230607-2.png",format="png",dpi=300)
plt.show()
import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
N = 5
x = np.linspace(-N*np.pi,N*np.pi, 1000)
y = np.sin(x)
# 図の描画
plt.rcParams['font.size'] = 10 # デフォルトの文字サイズ
r = 5.0
fig, ax = plt.subplots(figsize=(1.91*r,r))
ax.set_title( r'$y=\sin x$',math_fontfamily='cm', size=40)
ax.plot(x,y)
plt.savefig("graph-20230607-3.png",format="png",dpi=300)
plt.show()
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