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『出禁のモグラ』考察
江口夏実先生の漫画『出禁のモグラ』についての話です。アニメ『鬼灯の冷徹』の原作の方の新作と言えば、ピンと来る人も多いかと思います。
結論を先に言ってしまうと、漫画『出禁のモグラ』には『鬼滅の刃』のオマージュ的要素がたくさん含まれているよね、という事になります。
最も典型的なのは、第4巻の表紙にも出てくる犬飼詩魚さんです。
バゲットをくわえた姿が、キメツ学園の竈門禰󠄀豆子を彷彿とさせます。
取り敢えず分かり易いようにビジュアルを提示してみましたが、この二人の類似性は設定の方にあります。共に、高い物理戦闘力を誇る脳筋バサーカータイプのヒロインです。優しさよりも筋力、頭脳よりも筋力、ずば抜けた筋力で男性キャラの窮地を救う、そんなタイプのヒロインです。猫附梗史郎のピンチをサッと助ける様子が、炭次郎の窮地を救う禰󠄀豆子と重なります。
そして、より重要なキャラクターが第3巻表紙に出てくる猫附梗史郎、通称、梗ちゃんです。
梗ちゃんは初登場の場面が非常に魅力的です。セリフを引用します。
…どいつもこいつも霊を「倒す」なんて短絡的に考えているダボが
…(中略)…てめぇが死んで霊になれや!
仮に、胡蝶カナエさんが自身の苛立ちを微塵も隠そうとしなかったら、こんな感じなのでしょう。
そして、『鬼滅の刃』における”人喰い鬼”は鬼舞辻無惨によって狂わされた人間ですが、『出禁のモグラ』も霊は人間として描かれます。ただ『出禁のモグラ』の幽霊は亡くなっただけの人間なので特に狂ってはおらず、問題行動は主に
女子高生に群がる、またはストーカー(キモイ)
何時間も居座って、たまに店の商品を落とす(迷惑)
許可なく私有地に入り込む
などです。人を殺そうとする霊も、中にはいますが少数派です。つまり、生きている人間と一緒です。
千年以上生きている人外という鬼舞辻無惨ポジションの登場人物もいます。それがなんと、主人公のモグラになります。
第1巻の表紙では不敵に笑っていますが、スーパーウルトラハイパーお人よしです。困っている人を放っておけないお人好しの無残様なのです!
とまあ、かなりのこじつけ感は否めませんが、私個人は『出禁のモグラ』を江口夏実先生版『鬼滅の刃』と思いながら読んでいます。
まだ語りたいことはありますが、今日はこの辺で終わります。苦手なタイプの文章は、時間と体力を消費しすぎるからです。