小匙一杯ほどの苦味

よく行くスーパーのスタンプが貯まったので台紙を持っていくと福引を一回。なんと一等。出てきた札を見せると店員の若い女性が「すごい!」とマスク越しに笑顔で景品のお菓子を持って来てくれながら「????、、、、他のお客様は、、、、???、、、なんですよー」と朗らかに話しかけてくれるも片耳イヤホンでラジオを聴いていた為、よく聞こえなかった。けれど咄嗟に「あぁ、そうなんですかぁ」と調子を合わせてしまう。
景品を受け取って店を出た後、何か罪悪感のようなかすかな苦味のある感情に捉われていた。好意の対価を偽貨で支払ったのだ。



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