雨の土曜日。

お姉ちゃんの習い事を迎えに行こうとしたら下の子が、

「みーいく!」
「みーいく!」

と一緒に行きたいアピールをしてきたので、じゃあ一緒に行こうとなって玄関まで来たんやけど靴をはかそうとしたら振り向いて、

「ままいく!」

って言い出して、

「いや、ママは行かないよ。」

って言ったら、とぼとぼと引き返して行った。

「別に家で待っててくれたらいいよ。」

って言ったら、やっぱり行きたかったのか小走りに玄関までやってきた。

母親が下の子に向かって、

「片付けして晩ごはん作って待ってるからね〜。」

と、見送った。

お姉ちゃんを迎えに行き帰ってくると、お肉を解凍するため電子レンジが回っていた。

上着を脱いで手洗いを済ませていたらちょうど電子レンジが止まり、母親が2回目の解凍を始めるためのボタンを押していた。

俺は上の子の習い事の宿題をさせながら、もらってきた来年度の教材に名前を書く準備をしていた。
すると上の子が、

「自分でやる。」

と、言い出したので自分で教科書に名前を書いたり、100枚以上ある単語カードに名前シールを一緒に貼っていた。

貼るだけだと退屈なのでせっかくなので自分のために単語を読みながらペタペタとシールを貼っていた。

すると、

「うるさい!」

と、隣の部屋で横になっていた奥さんが叫んだ。

しばらく無言で作業を続けた。

電子レンジが音を上げて停止した。

奥さんは動かない。
眠たいだけなのかしんどいのか分からない。

しばらく作業を続けていると、

「何で毎日毎日私がごはん作らなあかんねん!」

とキレ出した。

しんどかったんだね。

「しんどいんやったらしんどいって言えばいいやん。」
「お姉ちゃん迎えに行く前に下の子に、『ご飯作って待ってるね。』って声かけして、帰ってきたらお肉が解凍されているのに、そこから「晩ごはん作るわ」とはならないよ。」

っと冷静に言い返した。

すると、無言で台所に行きガシャガシャした後、寝室に消えて行った。

仕方ないので単語カードの名前貼りを姉に引き継ぎ調理を始めようとしたら解凍されていたはずの肉がどこにもない。

レンジの中、冷凍庫の中、路地裏の窓、こんなとこにあるはずもないのに。

まさかと思い、台所の蓋付きのゴミ箱を開けるとジップロックに入ったままの豚肉の細切れが!!

バカじゃないのか。

ゴミ箱から出した豚肉で豚肉とじゃがいもの甘辛炒めを作りましたとさ。
とってもおいしくできたよ。

お姉ちゃんの採点は90点で、イヤイヤ期真っ盛りの下の子に「おいしい?」って聞いたら首をブンブン横に振りながらバクバク食べてくれていました。

平日より休日に疲れやすいのは何なんやろな。
俺はお姉ちゃん迎えに行く直前まで仕事やったんやけどな〜。
ほんま邪魔や。

おしまい。

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