今できることを。「ちいさな日曜日」を始めた訳
牧禎舎で毎月第一日曜日に開催している「ちいさな日曜日」は2020年7月からスタートしました。主催は私とパルさんのユニット・牧禎むす部です。
2020年3月頃から感染症が本格的に広がり、正体がなんだか分からない不安の中、4月5月は藍染体験工房を休館しました。
その頃まだ埼玉北部の行田市では感染者はとても少なく、普段だってそんなに人が歩いてる地域ではないのに感染者の増えているところと同じように自粛していました。
幸い私は集中すべきことか他にあったのでニュースの影響を受けにくかったし、普段からそんなに出かける方ではないから室内に篭ってるのもストレスは少なかったのですが、GW明けの田植えに参加できなかったのは結構堪えました…自分でもビックリするくらい。
近所からはケンカの声が聞こえてくる日もあって、みんなストレスが溜まっているな、と感じていました。
藍染体験工房は休館中にだんだんと予防策が分かってきたことで、これからの藍染体験のやり方などを考えて、6月からはまた静かにスタートをしました。
そして久しぶりに牧禎むす部のパルさんと、近所にある野菜時々肉食堂かんなやに食事に行き、この状況では牧禎舎をイベントで借りる人はしばらくいないよね、感染予防をしながら小さくなにか出来ないかな?という話をしていました。特に人口の少ないこの地域で、何でもかんでも自粛だとストレスがたまってしまうけど、ちょっとだけのお楽しみで少し気晴らしになれば。
するとタイミングよくかんなやさんが来て「私また月に1度くらい牧禎舎に出店したい!」と言ってくれたのです。
コロナ禍でもできる小さなことを探る
コロナ禍前の2019年に、かんなやさんは牧禎舎のシェア工房利用者と一緒に月に一度イベントを開催してくれていたのですが、共催していたシェア工房利用者が2020年1月に退去されたことでイベントも終了していたのでした。
私たちは早速次の月から「ちいさな日曜日」を始めることにしました。
小さくするため、だけど最低限の売上とフードロス対策のために予約制でランチを提供したり、「みちばた図書館」という本のコーナーを極小さく設けたり(毎回3冊程度)、毎月変わるちいさなお店やさんコーナーがある、たったそれだけの小さなイベントです。本当はこの頃から本のコーナーは近所の本屋さん・忍書房さんにお願いしたい気持ちはちらついていたのですが、やり方が(予算とか、みんなが読むと中古になるなぁとか、子どもが破くこともあるかもとか)踏ん切りつかずに、しばらく自分の持ち物を持っていきました。
本当にちい〜〜〜さなイベントでしたが、それでも牧禎舎まで久しぶりに出てきて、久しぶりの顔を見つけて、元気そうな姿にちょっとほっと出来る。それがなんだか、良いな。
小さいって結構自分向きかも、と思ったのでした。
最初は自分でテスト
藍染体験のWSもそうでしたが、最初はどのくらい来場者があるか未知数なので、初回のちいさなお店やさんは、牧禎むす部が私物を販売してお店やさんコーナーにしました。小さい机一個分程度の狭小バザーです。当初は出前かんなやの食事をその場で食べることが出来たため、場所の確保で室内ではなくて庭に机をひとつ出していました。その小さいバザーで初回と、次回のレンタル料を捻出し、これで月に1度のレンタル料がなんとかなりました。小さすぎる目標ですみません…。ですが、そんな小さなことでも主体的に行動に移す方って少ないんですよ。
感染症対策として
馴れないイベント開催で自分では藍染体験も担当しているもので、絶対手や目が行き届かないと思い、消毒スプレーの設置のほかに黒板にデフォルトで感染症対策への協力のお願いを張り出しておきました。圧が少なくすむように(!?)と思って絵みたいなもので表したんですけど…どうでしょうか?
また、最初のうちは暑かったこともあり、「密です!」内輪を用意して(笑)、ちょっと言いづらいときや、なるべく気分を害さないような伝え方にできないか?など考慮して用意していました。
母屋1Fだけから今は2Fも利用してます
出前かんなや以外の、ちいさなお店やさんの内容と、みちばた図書館、そしてちょっと大きく展開して駐車場でのタープ出店(主にドリンク)を毎回内容を変えてつづけました。
最初は牧禎舎の母屋1Fのみで開催していましたが、9回目からは2Fも借りて足袋を履いてするヨガ「足袋ヨガ」を定期開催してます。埼玉県行田市は足袋が名産品なのです。
2021年以降はコロナ禍で緊急事態宣言などが出たりしたので、その場での飲食を控えて予約制のテイクアウトに変更しました。
地域の取り組みも発信
2022年からはタープのドリンク販売は、熊谷市の108ocha standさんが「行田がすき」というコーナーとして出店して、行田市内の取り組みや簡単なアンケート調査などを行ないながらお茶の販売をしてくれています。自分のお店もある中で、私がいつも「行田に一蓮托生の仲間がいない」と嘆くもので、「1年はがんばる!」と毎月来てくれています。とりあえずあと3回かぁ。ちょっと寂しいですが、お陰様で今年はいろいろと成果と変化があったかな。どうもありがとう。
地域のお店を応援したい
そして2021年夏、近所にある忍書房さんが火事で大半を失ってしまいました。2021年春にロケ地として協力された『騙し絵の牙』が公開されたばかりでした。「頑張って」と言うことは簡単ではありますが、今後店主の大井さんがどうされたいのか?それが分からないと掛ける言葉も選ばれます。
そう思っていたところ、早い段階で「再建したい」とおっしゃられたので、それなら応援できる!と思い、何か協力できることあるかな?と始めたのが「みちばた図書館by忍書房」でした。
これまでのみちばた図書館はなんだかんだいつも準備が最後の最後。申し訳程度に部屋のすみっこに2〜3冊の本を置くだけだったり、ときには忘れてしまうことさえもありました。苦笑
これを機に毎月1冊忍書房さんに選書していただいた本を購入し、代わりに手間ですが選書の紹介文を用意していただくことにしました。その間にクラファンの準備が進むといいな、という期待もしつつ…。そして一年以上が経ち、ようやく?もう少しかな?
みちばた図書館by忍書房は一旦の区切りで今年12月で新規の本の紹介をストップしますが、その後はこのイベントがつづけばこれまでの本を立ち読みできるようにする予定です。
これから
これからはどうなるか正直分からないけど、少しずつ規制緩和(馴れと言うか?)もされてきて、「ちいさな日曜日」の開催と合わせて併設するもうひとつのレンタルスペース・工場部分をお借りしてイベント開催してくれる方が出てきました。自分で企画する方が出てきたことはとっても嬉しいことです!
基本的な感染症対策はしつつも、できることをこれからもやっていきたいと思います。
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