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現在進行形:新疆ウイグル自治区の話
新疆ウイグル自治区は、中国の北西部に位置する地域です。国境は中国以外に、モンゴル、ロシア、カザフスタン、インドなどと接しています。1960年以降、豊富な石油や鉱物資源が発見され、この資源に対して中国が強い関心を示しています。
石油、天然ガス、金などの資源
開発は進み、中国本土に利益を膨大な利益をもたらしていいるようです。下の図は「National Geographicの日本語版」からの引用です。
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豊富な地下資源の開発のために、中国は国営企業、大企業を先頭に大量の移民がウイグル自治区になだれ込みます。すると先住民との間でいざこざが生じます。効率的に資源開発を進めるには、文句を言う先住民を黙らせる必要があります。
文句を言う先住民を収容すること、イスラム教徒を思想改造することを目的に、中国政府はこの地域に強制収容所を設置します。この辺りまでは、なんとなくご存じの方も多いのではないでしょうか。
「重要証人: ウイグルの強制収容所を逃れて」
新聞の広告欄に「重要証人: ウイグルの強制収容所を逃れて」(草思社)という題名を見つけました。なんとなく興味が湧き、アマゾンで購入します。数日後に自宅に到着し、さらにその数日後から読み始めました。
中国がウイグルのイスラム教徒を虐待していること、ユニクロがその虐待しているウイグル人の労力で安い商品を作っていることは知っていました。しかしながら、これらの話が現在進行形であること、そして中国という巨大な国家にもかかわらず、末端ではまさに人権を踏みにじる行為が実践された・されつつあることに驚きました。ウイグルに対する国家転覆、ウイグル人に対する拷問、虐殺、レイプ・・・。なかなか読むに堪えない内容です。
何が真実なのか?
書籍は非常に具体的で、それぞれの場面は西欧諸国ではニュースとして裏付けがあり、感情的な部分は捉え方次第という面は残るものの事実はほとんど全てが事実なのだとの印象を持ちました。こんなひどいことが、自分がのほほんと暮らしているこの数年で起きているなんて!
中国の上層部は、ウイグル自治区に対して、狂暴化しないように、イスラム教を改宗させるように、との指示を与えたのだろうと想像はしますが、その手段については細かい指導はされていないのでしょう。
欲望の思うままに
中国サイドの末端に位置する人々は、どこの国家でも、どんな場面でも同じですが、自分たちの利益が最優先です。お金があればそれを略奪し、性欲の対象があればそれを奪います。そんな行動であっても、国家の後ろ盾があれば最強です。
末端の犯罪が表ざたになれば、末端の人々を訴追し、問題にならなければそれを利用して、ウイグルという国家全体を追い詰めるという構造なのでしょう。
最近のBBCニュースにて、中国のトップがこのウイグル自治区の人権問題に直接指示を下しているという証拠が公開されました。このような世界に影響を及ぼすニュースはいつもBBCやCNNのような欧米系が多い気がします。日本のNHKも世界を揺るがすニュースを掘り出してほしい、と感じています。