【詩】最初の一行
私は小説を書く
私はショートショートを書く
私はエッセイを書く
私は時に詩を書く
私は時に川柳を書く
私は時に五行歌を書く
それぞれが違って どれもが同じ
最初の一行が難産で思い悩む
私から溢れ出す欲を抑え切れない
読者の目を引きたい
斬新な一行で関心を集めたい
誰も思いつかない一行を目指したい
その果てに空っぽになる
無と向き合って暫し呆ける
過去を振り返って怠ける
肩どころか 全ての力が抜けて
ようやく最初の一行が誕生する
しわくちゃの顔で 作品は産声を上げた