スキンケア業界とOEMの問題点
おはようございます、化粧品開発者のけいです。 今回は化粧品OEMを行なうにあたっての問題点についていくつか解説します。
その前に・・・スキンケア業界の問題点を理解しましょう!
この項ではOEM業界ではなく、まずはスキンケア業界としての問題点をピックアップしています。大手の化粧品会社が販売しているスキンケア商品は、消費者の肌を美しく保つために日々新商品開発に取り組んでいますが、一方で多く の問題を抱えています。
主には以下の5つがあります。
1.過剰な宣伝
2.高価格
3.不必要な成分が多い
4.環境への負荷
5.個人差
それぞれ説明していきます。
スキンケア業界の問題点
1.過剰な宣伝
大手ブランドのスキンケア商品は、テレビCMや雑誌広告、SNSなど、さまざまなメディアで宣伝を行っています。しかし、その宣伝が過剰で、消費者に誤ったイメージを与えているケースがあります。例えば、美白効果やアンチエイジング効果、実際の効果とは違うことを過剰に宣伝したりしています。
2.高価格
大手ブランドの商品には高価なものも結構あります。ブランド力とその宣伝費にお金を費やしており、商品価格にも影響しています。毎日使う消費者からすると負担になっていることも事実です。 成分比較をしているSNS等では同等の成分の商品を値段で比較しているものも多くあります。
3.不必要な成分が多い
スキンケア商品には、不必要な成分(入っていても意味がない、効果がない成分)が含まれています。例えば、着色料や宣伝用の成分などです。これらの成分は肌に良い効果が期待できるというより、見栄えを重視しているものになります。場合によっては肌に負担をかけてしまうこともあります。
4.環境への負荷
スキンケア商品はプラスチック容器やガラス容器など、環境に負荷を与える素材も使われています。環境に配慮した持続可能な商品の開発、環境に対する責任を果たす取り組みも課題となっています。
5.個人差
同じ化粧品でも、人によって合う合わないがあります。そのため、市場に出回っている数多くのスキンケア商品の中で自分に合ったものを見つけるのは難しいでしょう。
これらの問題を解決するために、スキンケア業界では宣伝方法や価格、成分、環境への配慮、個人差などについて、見直していく必要があります。
この問題点はOEM業界も共通して言えることです。
OEM業界で考えたときの問題点
1.過剰な宣伝
化粧品では言えない効果、効能というのはたくさんあります。美白や除毛など、効果を保証するような宣伝は化粧品ではNGとなっており、そのような内容が商品に記載されていた場合は不適切とみなされ市場から全品回収しなければなりません。OEMでも製造したメーカーが製造販売元(その商品の品質を保証する)を請け負って、過剰宣伝されていた場合は後々トラブルとなってしまうことも危惧されます。
2.高価格
無理に宣伝費にかけすぎると製品開発費に回すことが難しくなります。 また、以下内容に繋がりますが不必要な成分を多く入れすぎると価格が高くなってしまいます。 さらに昨今ではOEMに関するすべてのコストが上昇傾向で、原料代、容器代、人件費、光熱費、物流費など のコスト上昇により販売者、メーカーともに利益が圧迫されつつあります。 結果的に、商品への価格転嫁によって値段が高くなってしまう傾向があります。
3.不必要な成分が多い
この成分が入っていればイメージが良い、というご依頼もあります。 もちろん正しいご意見ではありますが、むやみに多種類の成分を入れる必要はありません。 結果的に商品の訴求ポイントを見失う、高価格になってしまうということにもつながる可能性があります。
4.環境への負荷
スキンケア商品に使われる容器はプラスチックやガラス製が多いのが実情です。 大手の化粧品メーカーではこのような配慮も行ってきていますが、まだまだ中小のOEMメーカーはそのレベルに至っているわけではありません。環境配慮に重きを置いている企業がOEMで自社商品を出すとき、中身、容器ともに頭を抱えることになります。
5.個人差
これは化粧品全般に言えますが、同じ化粧品でも使用感に個人差があります。 万人受けする商品を作ろうとすると一向にバルク(中身)の使用感などが決定できず、何度も不要な試作回数を重ねることになってしまいます。
また、製造ロットによるバルクの違いもよくあることです。そこまで大きな違いではないのですが、香りが前回作った時と若干違う?前回よりも少し硬い?といったことがあります。 これは基本的に原料による影響です。化粧品原料には天然由来のものも多く、天然モノにも採取した時期などによって色や香りなどに違いがあります。化粧品の製造工程は毎回全く同じでも、原料自体が少し違えば化粧品にも影響があるということになります。
この違いについても感じ方に個人差があります。
実際に化粧品OEMを進める中で高価格、不必要な成分、個人差の3つは特に問題点として挙がることです。 このあたりを販売者・メーカーお互いが理解できていないとサンプルを作っても希望と違うものが出来てしまった、と思ってしまうことになります。結果的に何度も試作を繰り返しているうちに発売予定時期に間に合わず(発売チャンスを逃し)、商品化を諦めたりまた1年後にずらす、ということになってしまいます。
まとめ
今回は化粧品OEMのよくある問題点について解説してみました。
すべてをスムーズに進められれば良いのですが、そう簡単でないのが実情です。 希望商品をできるだけ希望通りに、早く商品化していくために、次回の記事でその解決方法をご紹介いたします。
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