「ワルイコあつまれ」になれない私は村上隆もののけ京都で解放された
「ワルイコあつまれ」で感じたMurakamiフィーバー
2023年12月末。Eテレ番組「ワルイコあつまれ」に芸術家の村上隆がやってきた。普段はテレビを見ない私ですが、これを知り録画予約しました。
「ワルイコあつまれ」の子ども記者会見に現れた村上さん。まずは帽子に目がいきます。奇妙で派手でぬいぐるみを積み上げたような被りものです。漫画『エイリアン9』の少女たちが被っていそう。どこかのゲームキャラにも見えてきます。
子ども記者の中には、子どもの格好をした香取くんも混ざっている。あ、慎吾ママのイメージのままだね。相変わらず溶け込んでいないね。好きだ!
村上隆の言う「スーパーフラット」とは
私は村上隆の作品が好きです。
漫画アニメ大国で育った私は、決してオタクではありませんが、村上さんの言う「スーパーフラット」は自然とわかります。
スーパーフラットの特徴は、二次元、白余白の効果、ロリコン的なキャラ、コラージュ的、遠近感ほとんどなし。などです。アニメとオタク、さかのぼれば江戸時代の奇才、伊藤若冲(1716-1800)にまで起源が見えてくる。
ところで伊藤若冲の描いた象は、シャツになっていますね。アロハもあるらしい。ほしい。
私自身、小さなころからタツノコプロやドラえもんを見て育ち、ゲームはスーパーマリオに夢中、思春期はタッチやめぞん一刻に胸キュンしました。漫画『ベルサイユのばら』は全巻所有しています。
スーパーフラットは、私が人生で目にしてきたデザインそのもの、見るとなんだか安心します。
村上隆もののけ京都 in 京都市京セラ美術館
さあ京都、行っちゃう?1泊2日で行きました。
展覧会は2024年2月3日~9月1日まで開催しています。
巨大な朱色の鳥居。景色全部がコラージュみたい。すでにスーパーフラットに見えてきた。
開館待ちの列に並びました。
10時開館!予約したチケットコードを提示して入場します。
すごい!肩幅筋肉。赤と青。
見上げる阿像(右の像)の鼻の中、鼻毛はバチバチにとがった黄金の釘です。
なのにかわいい。虹色のペディキュアまで塗っています。
入り口から圧倒される。京都市京セラ美術館に来てよかった。
岩佐又兵衛の作品を再構築したものから、展示室がスタートです。
いいわあ。色がいい。黒がいい。白の余白の程度も好き。
展覧会のテーマは「もののけ」。
いいねえ。私の脳にはどの作品を見てもワンダーと滋養があります。ワクワクして、寿命が延びそうな気さえしてきました。
終わりに
育った環境と持ち前の性格のせいで、‘ワルイコ‘よりも‘イイコ‘になる目標しか見えなかった私。ようやくその世界にフィットしたと思ったら、ドロップアウトしたり。それを悔やんで無駄に苦しんだり。おかげでずっと人生窮屈でした。
コロナが終わって気づけばアラフィフ、村上隆もののけ京都を観たのもその一つ、今は人生が解放された気がします。
村上さんの昔はどんな人だったのだろう。藝大に入学した時も、その前からもワルイコだったのか。アニメ業界で働きたかったという若者時代、自分の作品や生き方に何を感じていたのだろう?
現在の村上氏の活動を、作風の好みはともかく、マーケティングを露骨にやりすぎていて苦手、という声を聞いたことがあります。
私は彼の作品も考え方も好きです。
日本って、現代美術の評価がとても窮屈じゃない?
人間から自然発生的に湧き上がってくる芸術を、国は簡単に受け入れてくれないもんね。美術館や博物館の予算を減らしているし。
日本権力が好みにしている伝統型と、ここ150年位の家父長制度に合ったもの、海外に媚びを売るために魂を抜かれたエンタメや、逆輸入評価のものにしかいいねをくれない。
村上氏が、いま生まれてくる現代美術が育つ土壌を豊かにしようと奮闘する姿を、私はすごいと思います。あとは何より彼の作品が好きですね!
みんなも、村上隆もののけ京都、よかったら見てみてねーー
おまけ
中野ブロードウェイにあるカフェ『純喫茶ジンガロ』へ行きました。
'中野ブロードウェイの2F'、ほとんどのお店が昼12時に開店なんですね…
知りませんでした。