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怖い。怖い絵と怖い話①
いま、怖い絵があります。
嫌だ嫌だと言いながら、私は凝視している。
怖い絵は好きですか。
私はやはり女性なので、ポルノ画像よりも怖い絵に惹かれます。
日本の幽霊画はいいよねえ。西洋の悪魔祓いや妖怪の絵も美しい。
西洋で、あらゆる形で描かれた。船乗りを海へ誘うセイレーン
セイレーンとは「サイレン」の語源です。
命がけの航海中、奴らはやってくる。美女が呼びかける美声を聞いたら最後、男たちはセイレーンに幻惑され、船から身を乗り出し、海に引きずり込まれます。セイレーンは船乗りたちの肉体を食糧にしているのです。
また、奴らが来たぞ。耳をふさげ。
あと、スターバックスのマークはセイレーンです。
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日本の怖い話。京極堂がある。
怖い話なんて、昔話や都市伝説を語り直したフィクションだろ?設定もあるあるだし。
文学好きとはいっても、選書の視野はかなり狭い。怖い話は軽んじていた20代の私。
京極夏彦の網にかかったのは、30才を過ぎてからでした。
・『魍魎の匣(もうりょうのはこ)』
世の中に、こんなに厚い本って、あるんだ…あるんですね?というほどの厚い本。
まずはその厚さを恐れるがいい。
京極夏彦作品は、非常に厚い本が多いです。長編を上下巻には分けないらしい。
でも安心して下さい。読めますよ、京極堂。
これを読み始めるとまるで体の血を抜かれたような、うつろな気分になって、それを埋めるために更に続きが欲しくなる。次を読みたくなります。ダウナー系の薬物で気分は沈んだのに、なぜか脳細胞だけは冴えている。話の続きに敏感になる。それが京極夏彦です。
2007年には映画化されました。
主演:堤真一、阿部寛、椎名桔平。田中麗奈。
そして!ここには!
筆者の愛する宮藤官九郎が出演しています。役者をする宮藤さんは、実にいいねえ。宮藤さんは脚本家として有名だけど、私は役者として出ている宮藤さんが大好きです。
映画『魍魎の匣』
原作:京極夏彦
監督:原田眞人
・『冥談』は、京極夏彦による怖い話の短編集です。
第一話目がまず怖い。ここに連れて行かれたら、きっとただでは帰れない。
私はこれをJR埼京線の中で読んでいました。移動中に小説を読んで、こんなにも呼吸が浅くなったのは初めてでした。
頁から顔を上げた私の顔色を、見た人はいたのだろうか。
ぜひ読んでみて。
短編集は気軽に読めます。
『冥談』京極夏彦
第一話:「庭のある家」
水木しげる先生がいる。
怖い話を聞いてしまった子は、夜に眠れなくなります。
子供の心は、フィクションと現実の境界線があいまい。怖い話で語られたお化けたちが、リアルに出てきてしまいます。
異形の者がいるね。近くに。水木しげる先生!
水木しげるの妖怪細密画は、大人が見てもドキンとする。見てはいけない何かをガッツリ見たら、目が離せなくなる。
書店や図書館で、水木しげるの妖怪画集をなんとなく開いて、読み込んでしまった人は多いと思う。
怖くて美しい。だから惹かれる。百鬼夜行。
「水木しげるの百鬼夜行展」をやってました。これ、観に行きたいなあ。
期間:2023年7月15日から9月24日
会場:名古屋市博物館
(続く)
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