立 ち 上 が れ 滉 燿 くん !~明日を信じた5年間~4(3) 食事訓練にも入りました でも、難しい・・・
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食事は介助者がスプーンで口に運んでいました。それを自分でスプーンを使って口に運ぶ練習を始めました。でも、難しいです。身体機能の訓練効果は進みます。
3年生1学期(2005年 平成17年)
24 スプーンで食べる練習は難しい
1学期も段々と終わりに近づいていました。滉燿くんの膝と足首も順調に柔らかくなってきていて、3月頃とほぼ同じ程度にまで回復してきました。その状態を見て、手の訓練をもう一つ追加することにしました。
スプーンを使って自分で食事をするという練習です。いきなりやらせても滉燿くんが自分一人で食事が出来るはずもありません。練習の手始めに、何かをスプーンですくって自分の口に運ぶことが出来るようにするわけです。さて、練習のために、スプーンですくって食べる何かは何が良いでしょうか?しばらく考えたあげく、ヨーグルトが良いのではないかと考えました。これならスプーンですくいやすく、口に運ぶときに多少スプーンが揺れてもこぼれません。食べるのも簡単です。
さっそく、お母さんにヨーグルトを買ってきてもらって、スプーンを使って食べる練習を始めました。最初から出来るはずは無いので、私が滉燿くんの手をもって動きを覚えさせることから始めました。滉燿くんの横に座って滉燿くんにスプーンを握らせます。私の右手でスプーンを握っている滉燿くんの右手をもちました。
私の力をなるべく加えないように、滉燿くんが自分でスプーンを使って食べるように、ヨーグルトのカップから滉燿くんの口へと誘導します。この様にして二口目まではうまくいきました。ところが、三口目を食べさせようとするとベーッと口から出しました。めげずに頑張って三日ほど続けたのですが、同じように毎回ベーッ。ついに根負けです。
では、何が良いか?お金がかからない物ということで単純に水筒のお茶で練習することにしました。私が手を添えていますから、スプーンが揺れてこぼすことも少ないでしょう。それに、夏ですからナプキンをすれば少々濡れたって平気です。これを一日に一回お茶を飲みながらの練習としました。
しかし、中休みに練習だからと四口・五口と飲ませていると、飲みたくなくなった滉燿くんは突然「ベーッ」。『このスプーンで食べる練習』は成果がでるまで、もうしばらく時間が必要でした。
夏休みが近くなった7月上旬、滉燿くんのリハビリ訓練です。
・膝と足首のリラクセーション
・足の引きつけ
・足底
・足の内転
・躯間のひねり
・うつぶせでの腰入れ、股関節伸ばし
・股関節亜脱臼防止の運動
・ひざ立ち
・長座位での腰入れ
・四つん這い移動
・低い机の上で机について手を左右に動かす練習
・立位・イスから立ち上がる練習
少しずつ前進です。
25 学期末と夏休みの訓練
こうしている内に、一学期が終わり夏休みが近づいていきました。私は春休みに訓練が無かったために、滉燿くんの体が(特に膝と足首)固くなってしまったのを気にしていました。あんな失敗は二度としたくはありません。
しかし、夏休みになって何もしなければ、また元の状態に戻ることは明らかです。両親に言って訓練をしてもらうのが良いのですが、これは期待できません。やっぱり、私が自分自身でやるしかないです。しかし、訓練のために学校まで滉燿くんを連れてきてもらうのは親が大変です。
色々考えた結果、私が学校に出てきた日の夕方は、帰宅途中に、滉燿くんの家に寄って膝と足首の訓練をして帰る。というものでした。出張や研修で学校に行かない日も、早く戻ることができれば訓練に行くことにしました。カレンダーを見てみると、出張やお盆休みなどを除くと全部で十七日間は訓練の日に取れることが分かりました。二・三日に一回の訓練の割合です。これで滉燿くんの体が元の固い状態に戻るのを防ぐには十分なはずでした。しかし、忙しい夕方に一時間以上も上がり込んで訓練をするのは、お家の方もありがた迷惑なので短時間で訓練を済ますつもりです。
夏休みが始まると勤務終了後、車で十分ほどの滉燿くんの家に行きました。毎回十分間~十五分間位の訓練をやりました。少し曲がっている膝を真っ直ぐに伸ばしたり、伸びたままの形になっている足首を曲げたりして、固いところを緩める訓練と立たせてみては全体の様子を見ていました。
欲張らずに、一学期の訓練で良くなってきた体の状態が、夏休みの間に元に戻るのを防ぐのが目的です。二学期からの訓練で真っ直ぐ立たせることと、歩く訓練がスムースに出来るようにしておくことが重要でした。
鍵を握るのが膝と足首です。ここが固くて良く曲がらなかったり、逆に真っ直ぐ伸びなかったりすると真っ直ぐに立つことが出来ません。この時点での立たせてみた時の姿勢は膝が曲がり、お尻が後ろに出っ張り、首がガクッと後ろに曲がるという形でした。
この姿勢から、少しでも真っ直ぐに立てるようにするためには、膝と足首だけは柔らかく動くようにしておくことが最も重要です。私は膝と足首を緩めるために滉燿くんの家に通いました。少ない時間の中、黙々と膝と足首を伸ばし続けました。春休みの失敗を繰り返すわけにはいきません。
幸い、この夏休みの十五分間訓練は、うまくいって膝と足首は柔らかいままでした。膝は、上から軽く押すと裏側が床に着きます。足首は、足先が直角より体側に入るところまで曲がることを保つことが出来きました。非常に良い状態で2学期の始業式を迎えることが出来ました。
タカクン2022 (@astrokuntaka) / X
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立ち上がれ滉燿くん !~明日を信じた5年間~ 5 こ、こ、腰が痛い(泣) それでもやらねば(笑)
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