牛乳おばあちゃん ①
これは
私が看護師になって数ヶ月の時のこと
まだ自分1人で
患者さんに対してケアできなかった
そんな時代
ナースコールが鳴って
とりあえず
要件だけ
伺いに行った
私「どうされました?」
牛乳おばあちゃん「ああ、牛乳ちょうだい。」
私「牛乳を飲まれるんですね?冷蔵庫開けてもよろしいですか?」
牛乳おばあちゃん「いや、違う違う。牛乳のあれよ。」
困ってしまった私
先輩になんて報告しよう…
まあ
悩んでいても仕方がないから
言ってみよう
私「○○号室の▽▽さん、牛乳ほしいと言っていらっしゃるんですが、本物の牛乳のことではないみたいで。何が欲しいのかわかりませんでした。お待ちいただいています。」
先輩「ああ、あれだわ。ありがとう。」
え?
わかるの?
結局それは
ロピオンという
白濁した
痛み止めの点滴のことだった
牛乳おばあちゃんは
その痛み止めのことを
”牛乳”
と呼んでいたのだ
今となっては
なんてことないやりとり
でも
当時の私にとっては
衝撃だった
1を言えば
3くらいわかる
そんな看護師になりたい
そう思った