やっちゃんおばあちゃん ①
病気の進行により
体は細くて
でも
お腹はポンポコリン
痩せているせいか
鼻や顎が
鋭角で
凛として見えた
最初はなんだかとっつきにくい感じがあった
挨拶するだけ
世間話はしません!
という
雰囲気
求められていないのに
強要してしまうのは
苦痛につながるので
なるべく自然に…
相手が
嫌がらない程度に…
ある日
名前の話をした
やっちゃんおばあちゃんが
聞いてきてくださった
「あんた、いい名前だね。」
突然の嬉しい会話
会話できたことだけでも嬉しいのに
自分の名前を褒めてくださる
なんとも嬉しい気持ちになった
私「〇〇さんも、素敵なお名前ですね。なかなかいらっしゃらないお名前ですよね。ご両親が付けてくださったんですか?」
やっちゃんおばあちゃん「そうね、珍しいってよく言われたよ。だから、この名前が嫌いな時もあった。今はそんなことないけどね。親じゃなくて、おばあさんが付けてくれたんだよ。」
こんな
ほんの普通の日常会話
その後から
やっちゃんおばあちゃんとは仲良しになった
やっちゃんおばあちゃん「ああ、今日あんたなの。よかった。」
「もう帰る?気をつけて帰るんだよ。」
私は
お部屋への訪室時
”ただいま”
退室時は
”いってきます”
やっちゃんおばあちゃんが
「いってらっしゃい。」
と
送り出してくださると
その度に
力をもらっているように感じた