![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/135154380/rectangle_large_type_2_aabaf0661a37b9ccea6a5d8948798aaa.png?width=1200)
コラム 元気だったあの人が
知人が大病で入院した、という。
その知人を共通して知っている人たちが、知人のことを話している。ともに、70代後半である。
「若い頃、スポーツ万能だった、あの人がねえ」
「5年ほど前に会ったとき、スポーツジムにも通っている、1日1万歩のウオーキングを欠かさない、と言っていたがねえ」
この会話をする二人は、今もほどほどに元気な人たちだ。普通の生活が、過去からこれまで、普通に継続している人たちだ。
彼らは、病気の苛酷さを知らない。
一夜にして、普通が逆転する老いの真相を知らない。
頭では分かっているのだろうが、日ごろの心がけでなんとかなるのではないかと思っている。
バランスの取れた食事、早寝、早起きなどの規則正しい生活、定期的な健康診断、等々に気を配っても、それはそれで、その人を守る防護壁にはなるが、病気や、その先で待つ死は、その防護の隙間から忍び寄る。
人類は、まだ病や死を制御できない。