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『アラビアのロレンス』を午前10時の映画祭で観てきた感想
全国各地の映画館で『午前10時の映画祭』という上演イベントが開催されています
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往年の名作映画などがスクリーンで鑑賞できる素敵なイベントで以前から気になっていたのですが、
名作と知っていながら観れてなかった『アラビアのロレンス』を観るチャンスだと出かけてきました
『アラビアのロレンス』について
タイトルは知っていても、観たことはなく内容もよく知らない(でもきっと凄いのだろう)という映画でしたが
とてもいい意味で(思ってたのと違う!)という作品でした
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雄大な砂漠の国を転戦する軍記ものの映画で、主人公のロレンスは寡黙な英雄であり、その叙事詩が吟われるような映画なのかなと思ってたんですが
それはほぼ合っていたものの、一番違っていたのはロレンスの人物像です
ロレンスはイギリスの軍人ですが、登場したシーンの雰囲気がなんとも物腰柔らかで、朗らかで、しかも言動はふわふわ不思議ちゃんで、そしてとびきりの美男子! という人物なんです
軍人としてはちょっと問題があるけど、人の懐に入れる愛嬌があって、軍の上官も任地先でのアラビアの人々も、みんなロレンスのことを好いてしまう…
その魅力とアラビアの国を愛する熱意によって、バラバラであった部族をまとめあげてしまうのです
ロレンスの変貌
この作品は227分、約4時間ある映画なのですが、140分くらい上演された時点で休憩時間が入ります
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休憩がある映画…長い作品ではありがたいですね!
そして再開した映画を観ると、
ロレンスが、
顔つきや言動ががらりと変わってしまうのです、しかも悪い方向に
前半で明るく煌めいていた瞳が淀み、付き従う人々に対して心ない言動をするようになり、それでも闘争を止められずに報道の力の後押しもあって、英雄に祭り上げられてしまう…
その果てに、映画冒頭で示されたロレンスの結末へと繋がってしまうという、なかなかの鬱展開と言える話でした
ロレンスの心や、何故そうなってしまったのかについては、観て推し量る他ない作りになっていて、すごく純文学的な映画なのか! という意外さがあり、
それが大規模な砂漠の騎馬(+ラクダ)戦や、素晴らしすぎる音楽と共に鑑賞できるのが、しみじみと贅沢な鑑賞の体験ができる、いい映画でした
午前10時の映画祭の他の作品について
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まもなく(7月5日時点で)『アラビアのロレンス』の上演は終わり、次々と名画が公開されていきます
『ミツバチのささやき』が気になるので観てみたいです
『ショーシャンクの空に』は何回も観たけど、映画館で観たことはないから、出かけたいですね
『バベットの晩餐会』も『ショコラ』も『海の上のピアニスト』も(観たけどうろ覚え)になってるので、映画館で再履修したいです