おじいさんとおばあさんとお兄ちゃんの漫画を紹介します
こちらは、オススメの漫画をいくつかご紹介する記事となっております
お好みに合う作品を見つけて頂けたら幸いです
途中、若干センシティブな話題が出る箇所があります
こういう話題は読みたくなかった…と思われたら大変申し訳ありません
自分がどうしても書きたい話題なものですので、ご容赦ください
『国家心中』
枝田
こちらは以前、つぶやきでもご紹介したのですが、色々と好きなので取り上げました
この一冊で読めますし、かつ短編集なので重たくなく、しかし読み返して読み込める濃密さもばっちりの作品です
巻頭に掲載されている短編は、こちらのウェブでも読めます
『愛の式日』は谷崎潤一郎の『春琴抄』をモチーフにした作品ですが、春琴抄を新しいかたちに、この作家さんの個性を込めて綴られていて素晴らしいのです
他の収録作品もどこか歪だったり、交われない葛藤が深く描かれていたり、急にすごく下らない(良い意味です)ゲームをしてる話があったりと、個性豊かです
『愛の式日』がとにかく好きなんですが、もうひとつ特に好きな作品を上げると、まるで特撮映画の世界観でかつニャンコSFの『大団円』です
あ、でもうっすら奥ゆかしいBL譚の『めがねの弔い』も捨てがたいです オススメです
『あくたの死に際』
竹屋まり子
まるで自分の事のように、図々しくも刺さってしまった作品です
この作品の主人公の苛烈な渇望やその行動のヤバさや頭のおかしさは(自分のようだ)なんて軽々しく言ってはいけないほどなのですが、正直に率直な意見として感じたので、ご容赦ください
この作品の主人公は小説家を志していたものの、身近にいた後輩の才能の輝きに嫉妬してしまい、その嫉妬をなかったことにするように、ものを書くことを止めてしまっていて、しかしその元凶である後輩と再会したことをきっかけに、また書く事に戻って、めちゃくちゃに戻り過ぎて取り組みすぎて、おかしくなってゆく話です
自分は書く事はやりたくてやってるし、書いたもの読んで欲しい、でもこの彼のように病むほど追い詰められて取り憑かれている訳ではない、
だから、自分のようだ、なんておこがましいのですが、それでもどこか彼みたいになってしまいたいと憧れる気持ちがあるのです
だから、目が離せない作品なんですが ……
この作品、これからどうするのかな、あまりに強烈な飢餓から始まっていて、文筆家として成功しても成功しなくても、展開に後が無いんじゃないか? と案じられてたまらない作品です
『女装じいさんと男装ばあさん』
カワバタバタコ
自己顕示欲が陰キャな方向にほとばしっている作品のご紹介をしたので、凄く素敵な方向に自己肯定感があふれていて萌え夫婦が尊い作品をご紹介して中和したいと思います
タイトルで内容がほぼ説明されていますが、女装をしているおじいさんと男装しているおばあさんがご夫婦でラブラブで、それぞれの女装と男装の姿にめちゃくちゃ惚れ込んでいて、お二人のお子さんやお孫さんたちとも仲良しで、お子さんもお孫さんも、素敵なおじいちゃんとおばあちゃんをめっちゃ推してて、この物語が全体的に尊い………ってなる作品なんですよ
あと、作画も良くてですね! こちらは表紙帯の拡大図ですが
ご年齢を重ねた皺とか、皮膚の緩んだ感じとか、それらをきちんと描きこみつつ、それこそが、かっこよくて美しい! って説得力がある作画なんですね
ちょうど先日、顔の皺が描かれていても、それが老いの記号でしかなかった作品に不満を感じていたので、こちらの漫画を改めて見て、やはりいい! と実感したのです
『困ったじいさん』
大江しんいちろう
おじいさんとおばあさんが素敵な萌え夫婦である作品で、ほかに思い出したのは、こちらです!
とても朗らかなギャグですが
このおじいさんの表情が、たまんねえクセになる作品でオススメなんです
ふすまドンはヤバい、さいこう
うれしいことにLINEスタンプもあります!
カラーだと余計に、このじいさんのイケメンさが素敵でじわりますね!
『Bye-Bye アタシのお兄ちゃん』
竹内佐千子
可愛い絵柄ですが
とても深刻な内容を含んだ作品です
でもとても好きなので、ぜひ読んで頂きたい傑作です
上記のリンクからためし読みが出来ますので、ご覧ください
以前から、ずっと折に触れ感じていた事なのですが
実は、性別によって社会的に受ける抑圧って、男女とも変わらないのではないか
そして、女性の抑圧や生きにくさは大きく社会問題として取り上げられていて、相談する窓口があるけど
男性のためのそういう場所ってどこにあるの? と考えていました
自分の知見が足りないだけかも知れないですが…悲しいことに自殺者の性別の比率を警察庁や厚生省が発表してくれていますが、そのデータを見るに、男性の自殺者って多いんです
それがはっきり、データとしてあるんです
だから、この作品のあの場所があってくれたら、どんなにいいだろう
このお店に行きたい、この子達みたいになりたい、
そう願ってしまう人が、ほんの少しでも、心安らかに生きていけるように、切に望みます
漫画のご紹介のはずが、だいぶ深刻な話になってしまいましたが、好きな漫画の話も薄々考えていたことも書けましたので、自分としては満足です
こちらの漫画計5作品、お手に取って頂けたら嬉しいです
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