やさしい終末世界のスマホゲームさんたち
たいぶ前の話なのですが
スマホでプレイできるフリーゲームをたくさん制作していらっしゃる合同会社ズィーマさんという会社のゲームに惚れ込んじゃって、めちゃくちゃ夢中になってプレイしてた時期がありました
合同会社ズィーマさん
先日グレッグ・イーガン氏の『しあわせの理由』を読んでいて、このズィーマさんちのゲーム内エピソードを思い出す事があり、しみじみといいゲームだったなあと懐かしくなったのです
そんな訳で、こちらの記事は自分がプレイしたズィーマさんちのゲーム7本のご紹介をするものです
どれも相当に人を選ぶ、でもお好きな方にはたまらない傑作ですので、ご興味を持って頂けたら嬉しいです
ポストアポカリプスベーカリー
大災害か、大規模な核戦争があったのか
その辺は定かでないものの、とにかく地球は滅亡の危機に瀕していて
人間も他の動物も、過酷な環境をサバイバルするしかない、いわゆるポストアポカリプスの世界に突如開店した、おいしいおいしいパン屋さんの話です🍞
ゲームとしては極めてシンプルで、お客さんがお店にやってきたらパンをタップしてお客さんの前に置く、ただそれだけです
このゲームの本体は、お店にやってくるお客さんの多様さと可愛らしさ、そしておいしいパンで非情な世界を生き抜くことができる幸せが描かれる、テキストの面白さにあります
終末世界の危機や過酷さや、そして時には小さな恋のお悩みまで何でもおいしいパンで解決しちゃう、ほがらかな強引さがすごく楽しいです
しっかりしたゲーム性があるタイプのゲームではなく、のんびりパンをタップしてお客さんとの会話を面白がるゲームなので、人によってはたいくつに感じてしまうかも知れません、もちろん自分はすげえ好きです🍞
ザ・ファイナルタクシー
同じく滅びの危機に瀕している世界でタクシーを営業して、悩み惑う人たちをたどり着きたいどこかへ連れていけるゲームです
ポストアポカリプスベーカリーは、終末世界の悩みを何でもパンで解決しますが、こちらはタクシーで何でも解決するゲームとなっております
ちなみにタクシーの運転のところはちょっとだけアクション要素があります
荒っぽい運転をしてしまうとお客さんが車酔いで嘔吐してしまうのですが、嘔吐時の演出がめちゃくちゃ面白いので、積極的にリバースを狙っても楽しめます!
あと、タクシー車内の粗めなのに妙に細かいドット絵も楽しいし、運転中の音楽がめちゃくちゃかっこよくて、ハンドルをぐりぐり回すのも心地よいゲームです!
このゲームのプロモーションビデオで、そのかっこいい音楽が聞けますので、ぜひご覧ください
パラサイト・デイズ
「おはよう、やどぬし」
真っ白な壁の無機質な部屋で目が覚めたあなたは、自分の右腕から奇妙な寄生体が生えているのを見つけた
寄生体は不思議な人懐っこさで話しかけてくる…
左腕の時計型デバイスは、寄生体とよくケンカをする
どちらもなかなかのお喋りだ
ここはどこかの研究施設らしい、このままだと寄生体と共に実験動物として死ぬか、おぞましくも永遠に生かされるか…それとも寄生体をひそかに始末して、研究施設から脱出するのか?
…というゲームなのですが、パンやタクシーに比べて難度の高いシミュレーション要素が強く、
寄生体ちゃんと時計型デバイスちゃん
との関係も複雑でやりがいがあります!
シンプルさはなく地味な難しさがあるので、サクッとプレイするには向かないのですが、ジィーマさんちの他のゲームにもあるテキストの面白さがこの作品も光っています
そしてもちろん、キャラも可愛いです
リトルボムガール
爆弾に搭載されたAIの女の子にたくさんの授業を受けさせて、破壊力満点の爆弾に育ててあげるゲームです
AIを鍛えると爆弾が強くなる理屈や、爆弾に秘められたエピソードに、授業の場となる空中要塞に、爆弾子ちゃん(愛称)が目覚める不可思議なチカラなど
なかなかのハードSFの世界観や用語が散りばめられていて素敵ですし、やはり登場キャラクターというか爆弾子ちゃんがめちゃくちゃ可愛いので、世界観を堪能しつつ愛でてあげてほしいゲームです
そして爆弾子ちゃんがプレイヤーを「せんせぇ」って呼ぶのがすごい破壊力があるんですよ、爆弾だけに
DropPoint
こちらで紹介しているゲームの中では、リリースがだいぶ昔の作品です
終末世界における人類の敵となるクリーチャーを掃討するための決戦兵器、すなわちこの緑色のロボットを、改造したりメンテナンスしたりして最終的にお弁当🍱を持たせて出撃させるゲームです
送り出したら待ち時間を経過させないといけなかったり、ロボットの強化とクリーチャーが強くなるバランスがわりと難しかったりと、この記事でのご紹介のゲームの中ではおそらく一番人を選ぶゲームなのですが…
持たせたお弁当に一喜一憂してくれるロボットがすごく可愛いし、オープニングでお弁当を持たせようと考えついたプレイヤーキャラの乾いたイカれた感じがたまらない一作です
TimeMachine
遠い遠い未来から「ご先祖様」と呼び掛ける青いガスマスク姿のあなたの子孫へ、タイムマシンで仕送りをしてあげるゲームです
サバイバルの助けになる武器、未来ではもう手に入らない安全な食物、何に使うのか不明な道具、うっかり笑ってしまうおもちゃや漫画にぬいぐるみ…
どれを送るのも、使用できるコストの範囲内で自由なんですが、送る度の子孫のリアクションが面白いし、送らない時にも雑談ができて、そのバリエーションもすごく豊富で面白いです
ジィーマさんちのゲームのテキストの面白さが光っている、最初期のゲームです
現在はリリース同時と比べ、プレイしやすくアップデートをされているので、この記事の中のゲームでは一番プレイしやすいと思います
MyLove.
グレッグ・イーガン氏の『しあわせの理由』に収録されている短編『適切な愛』の中に、夫の身体の再生を待つ間に自分の胎内で夫の脳を保護する妻の話があるのですが
こちらのゲームは、脳だけの妻に身体をプレゼントするため懸命に努力する旦那さんの話です
ふたりのマイホームは危険な地域にあるために、しばしば野盗や野良ロボットの襲撃をうけるのですが
それらを撃退する際に入手できる鉄屑や人肉を集めて、奥さんの身体をつくる事ができます
奥さんにあげるのは機械でできた身体か、生身と機械がツギハギになった身体か
それとも幾人もの犠牲を払って集めた、無垢な生まれたての美しい身体か…
という、なかなかのヘビーな設定なゲームです
個人的に、ご紹介してきた7作品の中では一番、思い入れのあるのはこの作品です
もうなんと言っても脳嫁ちゃんがかわいいんですよ!
ジィーマさんのゲームに共通してる、可愛いらしさと切なさと、実は計り知れない残酷さが目一杯つまっていて
脳嫁ちゃんと終始イチャイチャすることもできるし
君のために殺人しちゃったよ、と告白して絶望させることもできます
絶望ルートの脳嫁ちゃんのセリフが可憐でたまんねえんですわ
実はゲームとしては、周回前提なわりに課金しないとデータの引き継ぎが出来ないなどのプレイのしにくさはあるのですが、自分はゴリゴリの課金勢なので、めちゃくちゃ嫁とイチャイチャしました
そして、殺人をしないと生身の身体をあげられない、という悩みを機械の身体をあげること以外で解決できるルートの意外な展開にも、心底目を剥いた作品でした
という訳で、合同会社ジィーマさんのゲーム7本のご紹介でした
実はジィーマさんちのゲーム、新しい方はプレイ出来ていないのですが(すいません)
こちらの7本にとても思い入れがあって、スマホの機種変更の度に、何度も最初からやってしまっているんです…
この記事を見て下さった方が、ジィーマさんちのゲームをプレイしてくれたら、めっちゃ嬉しくてアドレナリンでちゃう! ので、ご興味がわいたらぜひダウンロードしてみてください