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豪雪の山里から ~ 屋根のぼり放題、雪掘り三昧

こんにちは。ようこそ

今年の冬は記録的な小雪です
ここは、例年4mほどの積雪を記録する豪雪地ですが
今期は積雪2mにも届かず
もう春めいてきて、日々雪解けが進んでいます

季節外れじゃない?と思われる前に
もう少し雪にまつわる話を書いておこうと思います

冬場の主な仕事の一つに除雪があります
大型の除雪車でする道路除雪を冬場の稼ぎに
している人も多いです

一方、稼ぎというほどにはなりませんが、
お年寄りの一人住まいなど、自力での除雪が
難しい家を支援する除雪仕事があります

自治体からの助成を受けて運営される
除雪組合で、家人の方からの依頼を受けて
家周りの除雪作業を行います

作業は次の3種類

門払い(かどはらい):スノーダンプ等で玄関から道路まで歩く道をつける
屋根の雪掘り:スノーダンプで屋根雪を下ろす
雪片付け:家の周囲の雪をバックホウでどける

数年前に80代の爺ちゃんから、この組合の
親方を託されました
今は、屋根雪が10軒、門払いが数軒、雪の
片付けは降雪量次第といったところで
それほど多くはありません
ただ、自身や近隣に住む子供、あるいは
個人間で助け合ってやってる家も、この先
できなくなる時がくるから
依頼数は徐々に増えていくことでしょう

自分自身、ここに移住した当初は、2階の
大屋根に上るなんて生まれてはじめてで
最初はおっかなくて腰がひけてたと思います
しかもスノーダンプの扱いにも慣れてなかっ
たから無駄な動きで消耗するばかり
15も年上の爺さんが息も切らさず、淡々と
しかも素早く作業する脇で
ハーハ―ゼーゼーへろへろになってる自分が
ほんと情けなかったものです

そんな私でも、毎年、何十回と屋根除雪
を経験していたから、冬に屋根に上るのも
すっかり特別なことではなくなり
下を通りかかった婆ちゃんからは
「雪掘り姿がカッコいい~」などと冷やか
されるくらいにはなりました(笑)
(小雪の今季の屋根除雪は15回ほど
ですが、昨季は40回以上ありました)

それでも、12月のシーズン初めなどは
屋根のトタンが露出して足が滑りやすく
転びかけてビビることがあります

あとは吹雪があけた後は、屋根雪の雪庇
(せっぴ:屋根の端から張り出した雪の
でっぱり)が数十センチ幅にもなる時が
あり、雪庇もろとも転落しないようにと
緊張が走ります
実のところ、真冬であれば屋根から落ち
ても家の周りが雪の山だから、
ケガはしなさそうなのですが、
雪の中に埋まって窒息する恐れもあるので、
必ず二人ペアで作業します

そのあたりさえ気をつけていれば、
よほどの高所恐怖症でもない限り
誰でもできる作業ではあります
(70過ぎの婆ちゃんでもやるんだから)

悩ましいのは、依頼のタイミングが
重なるということ
皆さん依頼してくるのは、
大抵まとまった降雪がやっと収まった時なので、
そんな日の朝には立て続けに電話が鳴ります
一応、依頼から3日以内に作業する約束
になっていて、順々に作業していくの
だけど、依頼する方は早くして欲しいもんだから、
やれ「家がつぶれそう」だの
「雪の重みで戸が開かない」だの言って
プレッシャーをかけてきます
まあ、そう言われてもどうしようもないんだけど

その割に、雪掘りが一巡すると
次にまとまった降雪があるまで仕事はなく、
安定しないから、生活費を稼ぐほどにはなりません

ただ、良いなぁと思うのは
かなりのエクササイズになるということ
農作業もなくて鈍りがちな冬に身体を動かす
絶好の機会になります
スキーみたいにお金をかけなくても済みます(笑)
とはいうものの、結構なハードワークで
一軒やり終わる頃には全身汗だくでへとへと
1日に何軒もぶっ続けでやれる自信はありません

しかも重い雪質だったり、凍りついたような
固い雪質だった日には
腕がパンパンになって、腰も悲鳴を上げます
そのままだと翌日以降も全身に疲労と筋肉痛
が出るから、回復のためにプロテイン飲んだ
りもします

それでも、作業終わりに家人に挨拶をしにいけば
ほんとうに感謝されるし、お礼にと飲み物や
お菓子をいただいたり
時には昼飯にお呼ばれしたり
少しは集落に住むお年寄りの役に立てている
と実感できるから
それだけでも遣り甲斐にもなります

あと最高に気持ちが良いのは、大雪の後に
青空が広がった日

屋根の上に登れば、絶景が見られます
家々は雪に埋まり、雪の壁で道路も見えず、
美しい青空のもと、純白の雪原が眼下一面
に広がる光景は、まさに天国のような
美しさ(天国行ったことはないけど)

実際のところは、雪降る中で寒さに耐え
ながら除雪することも多く
青空のもとでなんていうシチュエーションは
ほんとうに稀
1シーズンに数回あるかないかですが
そんな日に当たった時は、
まさに「儲けもの」で、その爽快さに疲れも
すべて吹き飛ぶようです

ちなみに、このあたりの人は、
終日よく晴れた日の夕方には
「今日は儲けものの日だった」とよく言ったりします
厳しい天候で苦しい思いをすることも
少なくない土地だからこそ、
ただ「晴れた」ということだけにも
感謝の気持ちが自然と湧いてくるのかもなぁと
思ったりします


雪掘りしたい人、Welcome!

ではでは









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