豪雪の山里から ~ 春はあけぼの
こんにちは。ようこそ
今年は3月に入っても新たに雪が積もる日が続く
おかしな気候が続いてますが
それでも気温は少しずつ上がってきて、
そろっと春めいた日も多くなってくる頃です
(…そのはず。今夜は雪の予報ですが)
このところは、冬の間、なりを潜めていた小鳥たちも
朝にはピーチクと囀りを聞かせてくれ、
夜にはフクロウの声も聞こえてきます
キツネやタヌキも冬より活動的になったのか?
餌を求めて集落内をうろつく姿を
ちょくちょく見かけるようになりました
山に入れば
コブシの花芽(ネコヤナギみたいな房)や
マンサクの黄色い花がひっそりと咲く頃です
更に雪どけが進み、道ばたの地面があらわになれば
待ってましたとばかりに、ふきのとうが顔を出すはずです
(雪の重みでひしゃげたように出現するから、
じつは雪の下で着々と育ってるようです)
湿地では、ショウジョウバカマがじきに花を咲かせ、
ミズバショウも開花の準備をはじめる頃でしょう
そうこうしてるうちに白銀の世界が、
徐々に茶色に、そして緑に覆われていく
その変化のスピードは驚くほどです
思い返すと移住したての雪が残る3月、
ここらは、葉の枯れ落ちた木ばかりで禿げ山みたい
うら寂しい景色だなぁ…なんて思ってました
それは、人工の杉が少なくて天然の広葉樹が多いことの現れと、後に気づきましたが、かつて住んでた岐阜や長野の山は、わりと針葉樹が多くてスカスカじゃ無かったので、そんな景色の違いに違和感が生じたのでしょう
でも、そんな寂しい景色が、ある日を境に突然変わるのです
それは、山のブナが芽吹く日
最初は枝先が少し緑になったかな?と気づく程度
それが2-3日もすると、しっかりと葉っぱが出揃ってくるから
山は一気にひと回り大きく盛り上がるようです
まるで山全体がエネルギーを爆発させたかと思うほど
この山里は、年間を通じて色々な自然界の営みをみせてくれますが、
そんな春が一番ダイレクトに生命力を感じさせてくれます
鳥のさえずりは、厳しい冬を乗り越えた者だけが感じられる生きる喜びに満ちて、文字どおり「春を謳歌」しています
でも鳥や動物に限らず、人だって例外ではありません。冬の間は家にこもって冬眠状態だったお年寄り達も、温かい日には家を出て散歩を楽しんだり、残雪の上に咲く桜を楽しんだり、皆さんあからさまにウキウキしているのが見てとれます
そして草や木の芽吹きは、夏に向けた無限の成長をスタートさせる大号令のよう。皆、一気呵成に緑の世界を拡大させていきます
その後、春山で採れるたくさんの山菜は、どれも瑞々しく、食卓に春のエネルギーを届けてくれます
都会暮らしとは違う、そんな春の喜びの大きさは、ただ単に自然に囲まれているというだけでなく、たぶん冬がとても厳しいから
四季がはっきりした豪雪地、長い雪との格闘の日々があるからこそ
春の訪れに、素直に生きる幸せや感謝の念を抱くのでしょう
だからと言って、今以上に冬が厳しくなると、春を喜ぶ前に病んじゃうから、ほどほどにしといて欲しいけれど(笑)
ともかく「春よ来い!」