VのApex大会の難しさ
グウェル主催のにじさんじカスタムの詳細が発表された。夢の完全箱内大会。楽しみであると同時に、にじpexの悪夢が蘇って不安になる人もいるだろう。(私も含めた)そんな人たちのために、そもそもVのApex大会は難しいよねって予防線を張ろうと思う。
視聴者層の過剰な広さ
まず、VのApexは視聴者層があまりに広すぎる。批判を防ごうにも、どこに焦点を合わせるかが非常に難しい。全く知らない層、ライト層、ガチ勢と知識量が様々である上、Apexガチ勢にもプレマス帯等プレイする側とeスポーツとしての見る専がいる。更にこうした注目を浴びる場になるとどうしても出てくる否定したいだけ層ですら、にじさんじ・各々のApexの腕・大会内容と文句をつけたい点が人によって異なる。これを完全にまとめきって批判ひとつ出ない大会にしろというのは不可能だ。
「プロ」の界隈と「ファン」の界隈
Apexにはプロがいる。そこから界隈に入った視聴者には「プロとして金をもらってるんだから批判されて当たり前」という価値観がある。その人たちから見れば、「Vもお金をもらってApexをやっているのは変わらない。だから批判をされて当たり前」となる訳だ。彼らにはV界隈でよく言われる「嫌なら見なければいい」が成立しにくい。何故ならApexが下手でも見て批判するのが楽しいから。
別に悪いことではない。野球に置き換えれば分かりやすい(かも)。勿論プロ野球こそ至高でそれ以外見ないという人もいるだろう。でもその辺のアマの試合に行って野次を飛ばし、仲間内であの選手のどこが悪いと話すおっちゃんを見ることだってよくある。そういう人たちに対して、応援に来た選手の親は眉を顰めるだろう。「うちの子はプロでもないし、そんな文句を言われる筋合いは無い。まして素人が何を良い気で語ってんだ」と。
まあ実際、Vは配信によってお金を得ているので更に複雑ではあるが。
Vの界隈からApexに入った視聴者、つまりライバーのファンは、この親の目線に近い感情を持つことが多い。我々ファンからすれば、Vというのはある種盲目的に応援し、共感するものだ。それ故に推しの否定、というか批判にすら嫌悪感を覚える。しかし普段はそうした批判に対してより大きな声で以て推しを応援するファンが、Apexとなると勝手が違う。
発言力の差と生じる軋轢
プロ~ストリーマー~Vの間で本人の腕も力の入れようも視聴者層も何もかもが違う。だがApexという硬派なfpsゲームの界隈ではプレイヤー側でも視聴者側でもプロ(すなわちガチ勢)の発言力が強くなりやすい。これは仕方のないことではある。勝ちを目指すゲームである以上オーダーをするのはより強い人だし、(ライブ中であれその他であれ)コメントするにも場を理解するだけの知識が必要だ。結果として、Apexについて詳しくないファン層は批判に対して成す術が無くなる。批判に溢れ、推しを応援できる環境でなくなれば「見たくないから見ない」となるのは寧ろファン層だ。そこまでは行かなかったとしても、ファン層とガチ勢の間に軋轢が生まれるのは想像に難くない。そしてその際の力の差も明白なのだ。
残酷なまでに実力差が出るゲーム
ApexはVの配信でよくあるカジュアルゲームでもパーティーゲームでもない。残酷なまでに実力が、結果が物を言うゲームだ。半端な実力のVが勝とうと思えば、より強いプロに従うしかないし、そうした所で敵のプロと1vs1になれば何も出来ず負けることの方が多い。Apexガチ勢なら相手の力量を見て楽しめるかもしれないが、にじさんじのファンがそれを見たところで楽しいと思うかは疑問だ(少なくとも私は楽しくない)。私の推しは未だApexをやっていないが、もしやるなら見るか、と問われると相当に悩むところだ。
まあこの点に関しては今回は心配ない。今回はオーダーを出すのも、ライバーを倒すのもにじさんじだ。箱推しなら全く問題なく楽しめるだろう。だからこそ完全箱内大会が望まれてきたし、前回の問題の1つは既に解決出来ていると言える。
批判を減らす為に
ここまで考えてみて、やはり批判をゼロにするのは無理だろうなと改めて感じた。それでも、運営側は批判を減らそうと、炎上をしないようにと努力している。私も適当に考えてみた。
案の1つとしては、完全に箱の色で塗りつぶすこと。つまり限界までカジュアル感にじさんじ感を出すこと。例えば一般的大会の3人チーム60人フルパの無視、毎戦メンバーシャッフル、フィールド全体での鬼ごっこなどのゲームの本質無視、にじさんじ身内ネタをルールに搦めた運用など。また、視聴者側もファンが過剰と言えるほど盛り上げることで「にじさんじのファン」以外の視聴意欲を削ぐこと。このようにApex大会の色を消し、箱の色を極限まで強める。そうすれば閉鎖コンテンツではあっても、にじさんじという大きな箱でやる以上盛り上がりは十分であろうし、何より先述したApexプロ界隈の人間との軋轢は避けることが出来る。(まあ否定したいだけ層は存在するだろうが)
もう1つは、運営プレイヤー全員の努力によって完全に拮抗した良ゲームを届ける、つまり限界まで規則化し極力対等となるようにすること。例えば、チーム指定・一戦毎に上位チームの武器制約・プロの指導の元各チーム最低1人マスタークラスを擁す、など。無論個人の腕や突出具合への批判はあるだろうが、大会システムや運営への批判・不満は減らせる…かもしれない。
まあこのnoteを出したのは既に内容が発表された後だし、ここの案は蛇足でしかないが。
最後に
前回の問題がありながら、新しい試みに挑戦してくれたグウェルとアドバイザーを引き受けてくれたひまちゃんに最大限の感謝を。結果がどうなるにせよ、Apexというガチガチのfpsゲームで完全箱内大会を開ける、というのはにじさんじファンとして楽しみですし、次への布石になると思います。頑張ってください。応援しています。
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