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人生100年らしいよ…

 人生100年時代らしい、一方で年金は激減し、激減する現役世代の税金は増えるばかりの、この時代に生きている。

佐田 未来  4歳 女子

 未来が「お母さん、今日のお迎えも遅くなる…?」と、母の玲香に遠慮がちに言うと、玲香が「今日は大丈夫だよ」と返事した。
 夕方を過ぎ、夜になり迎えに来た玲香を観て、未来は’’またか’’と母の玲香には聞こえないボリュームで…。
 約束はまもられない!

佐田 玲香  30歳 女性

 娘の未来のお迎え時間の約束に応えることが出来ないで、いつも申し訳ないと思っている。
 職場の先輩達が少しずつ定年を迎えて、年金を貰いだした。
 年金では生活がおぼつかないので、仕事を一定時間して帰宅するのだけれど、仕事量は減らず増加するばかりで。
 「人員不足が目に余り、求人をかけているから…。」と人事課の佐野が2年程同じセリフを言っている。 
 約束は守られない…。


羽田 京子  67歳 女性

 「いつも苦労かけっぱなしで、ゴメンね。」と玲香に声をかけた。
 元部下の玲香の仕事が大変なのは解ってはいるけれど、定年退職後に年金を貰いながらの延長雇用で労働時間も減らされている以上、しょうがない…。
 玲香の上司だった頃の自分と今の自分を比べると、驚くだけバイタリティーが無い事は自分自身よく知っている。
 仕事引退後はゆっくりと年金暮らし…、なんて考えていた
ら毎年常習的に年金額が減っている。
 年金不払等した事は、無いんだけどね…。
 約束は守られないどころか、マイナスに…!!

 ほんの少し歳上の72歳になった加瀬先輩を羨む自分が玲香の心配をする始末…。

 膝を擦りながら、明日も働かないと生活すらおぼつかない。
 
 何やら、’’ニーサ’’とか勧めるこの時代…、とうとう’’約束不定’’を確約した。
 この約束は守られる。

   〜 終わり 〜

 


 
 
 

 

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