合理的な投資戦略について
投資のスタンスについて
高い再現性を求めるのであれば、メインはインデックスの長期積立投資。
(参考:ウォール街のランダムウォーカー、敗者のゲーム)
〇前提
・短期的な市場は予想することが出来ない。
・人口は統計量の中でも確度の高い予想。人口増により世界のGDPは増加する可能性が高いため、世界の資本総量は増加する。それゆえ、資本主義が破綻しない限り、株価インデックスの上昇は続くとみる。
・長期積立(ドルコスト平均法)を理解して運用すれば、下落時の心理的効果は大きい。投資はメンタルゲームの側面が大いに存在する。
・選ぶ商品は、複利を活かすために、分配金なしの投資信託がよい。
・個人でのリバランスは、ルールを決めていても難しい。商品は、1商品でよいので、広く分散されたものを選ぶのが良い。
・世界のどこで成長が取り込めるのかは予想することが出来ない。よって、商品の最有力は全世界株式。
・許容リスクが低い場合(世界的暴落を未経験の人は、低めに考えておくべき)は、債券、REIT等を含むバランスファンドも選択肢。最大リターンを目指すより、心理面でやられないことが重要。
サテライト戦略
メインはインデックス投資だが、すぐに結果も出ず、地味な投資になるので、興味がある人は趣味としてのサテライト投資を勧める。とはいえ、無分別に選べばよいわけではなく、趣味だとしてもある程度合理的と考えられる範囲で実行する。
再現性を考えれば、バリュー投資が有望と考える。
(参考:賢明なる投資家、投資で一番大切な20の教え、ピーターリンチの株の法則)
・市場効率化仮説の考えによれば、市場は常に効率的となるが、実際にはゆがみが生じている場合もある。その歪みを取りに行く。
・日本在住であれば、対象は日本株が良い。
海外の情報よりも日本の情報力に優位性あり。わざわざ情報戦で不利な海外個別株を選んで、他の投資家をアウトパフォームするのは難しい。日本でもバブル前後のような、経済理論を無視した政策が大きくとられる可能性は低い(と信じたい)。
・歴史的にみても近年の日本株は非常に割安。
バリュー投資を勧める理由について
前述のように、サテライト戦略はバリュー投資を勧めている。理由は以下の通り。
・中長期的に利益を上げられる会社の株について、十分な安全余裕率(ウォーレン・バフェット氏の考え方を参照)をもって投資すれば、底値が限られ、1回の投資で大きな損失を被る可能性は低いと考える。
・バリュー株の中でも、安定して配当を出している会社が良い。値下がりした際にも、配当利回りが高まり、底値が限られる。
・配当は投資中にキャッシュフローを生めることも利点。繰り返しになるが、投資はメンタル戦の側面あり。投資効率を下げてでも、配当で一部利益を確定しておく効果は大きい。
前提の考え
・中長期的に利益を上げており、その利益が継続することが見込まれる企業を対象とする。
⇒その企業の主要事業について、どのような参入障壁があるかを考える。
・主要事業を行っている業界が成長を続けていること
⇒業界自体が縮小している場合、良い企業でも継続して利益を伸ばすことは難しい。
・赤字、利益の小さいグロース株は、まだ見ぬ利益を追うので、PER,PBRが大きく出がち。成長シナリオが崩れると一気に株価下落する可能性がある。
企業選びをする際の主要な観点
大事なことは、中長期的に利益を上げることが出来るか。
その企業が行う事業の参入障壁を考える。
例:業界シェア(規模の経済、技術力など)、サービスの特異性、所有するIP資産など
そのうえで、財務状況や株価指標を参考に、購入するかどうかを決める。
・自己資本比率
・配当性向
・総還元性向
・還元方針
・ROE
・ROIC
・売上高成長率
・PER
・PBR
購入のタイミング
中長期的に見た際に、企業の株価は企業価値に連動するが、短期的には需給で決定される要素が大きい。需給面で買い時を見極めることもある程度補必要。
・信用買い倍率
・移動平均線
・RSI
・MACD
テクニカル指標は、複雑すぎるものは信用しない。
⇒相場は人気投票の側面があり、企業価値とは別に、市場参加者の考えを自己実現する機能がある。市場参加者の多くが見ている指標は、本質的に意味がない指標だとしても、その効果を発揮する場合がある。それ以外の複雑すぎる指標は、おまじない程度と考えたほうが良い。
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