インデックス投資について、スタイルがぶれそうな際に見直したい内容

〇インデックス投資を続けるコツ

 長期、積立、分散のインデックス投資をしていると、地味な投資であるがゆえに色々な誘惑が襲ってくることと思う。そんな時にこの記事を見直して、初心に帰ってみてほしい。

〇ここで想定するインデックス投資の具体例

・インデックス連動の投資信託商品を毎月定額で積み立て投資
・対象は、①全世界株(オルカン)または、②8資産均等バランスファンド(日本株、先進国株、新興国株、日本国債、先進国債権、新興国債権、J-REIT,先進国REIT)
①基本的にはこれで十分。ただし、値幅が大きいので、下落時にホールドできるか自分のリスク許容度をよく考える必要がある
②トータルリターンは下がる可能性があるが、リスク許容度が低い場合は全世界株の代替案として機能すると思う。

〇インデックス投資をする前提

(A)世界人口は今後も増加傾向
⇒世界全体のGDPは増加し、世界経済は拡大を続ける
⇒世界の資本総額が増大するため、世界の株価は長期的に上昇する
(B)投資タイミングは図ることが出来ない
⇒これまでの経済危機等を振り返った時に、それを正確に予測してそれに対応できた人はごく少数
⇒自分がそのごく少数側に入ることができる根拠はない。
(C)世界のどこで成長が起こるかは読めない。
⇒さらに言うと、その成長の果実(ここでは株価の上昇を言う)を享受できるのが、成長した国とは限らない。
⇒だからこそ、世界の経済成長にベットする
(D)同様に、個別銘柄もどの銘柄が上昇するかは読むことが出来ない。
(E)自分でポートフォリオを組んだとして、そのリバランスを適切に実施することは難しい。
⇒専業投資家ならまだしも、兼業投資家に適切なリバランスは難しい。当初決めたルールも守ることが出来るか懐疑的にみるべき。

☆そもそも(A)(B)(C)(D)が出来るのであれば、インデックス投資などせずに個別銘柄で稼げばよい。それが出来ないからインデックス投資を始めたということを忘れないこと。

〇インデックス投資家を惑わす誘惑

・ある分野の株が急激に上昇(または下落)
 これは定期的に起こることだが、この事象を読めないから長期積立分散を始めたはず。ブームが10年続くことはないし、全世界株への投資でその恩恵の一部を享受していると考えるとよい。
・コモディティ等の上昇
・仮想通貨等の新規投資商品の上昇
 これらの収益は、投資するどこかの企業が取り込んでいるため、間接的な利益を享受していると考えるべき(例:金鉱株、仮想通貨取引業者)。こういった投資商品に手を出さないために分散投資をしていることも忘れない。
・新興国株、フロンティアマーケットの上昇見込み
 ある特定の国の経済成長見通しを予想することはできない。また、特に新興国では、その国の経済成長の恩恵を先進国が受ける事象も大いに発生する。特定の国の人口増やGDP増加予想がその国の株式リターンを直接的に高めるとは限らないことに注意する。
・一括投資の誘惑
 統計上は一括投資のほうがリターンが良いといわれているが、実際にその恩栄をフルに享受できる人がどれだけいるのか疑わしい。自分の投資余力をフルベットし、それが数10%下落した際に、将来を信じてホールドし続けられるだろうか。机上では「できる」という人もいると思うが、それではなぜ下落相場で個人投資家の投げ売りが止まらないのだろうか。自分のメンタルを信頼しすぎず、常に投資余力をもって積み立てをすることが、メンタル面でも投資から撤退しない秘訣と考えるべき。

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