ブルース

最近はブルースにハマっている。ブルースは泥臭い、男臭い。道端の交通整備のおじさん、現場のおっちゃんのあの感じ。きったない作業着を着ているんだげどなぜか色気がある。かっこいい。個人的には、表参道を洒落た服を着て歩いている人よりも、板橋区の現場で汚い作業着を着ている人の方がかっこよく見える。
これはなんでなんだろうと自分の中で考えたところ、答えはすぐに見つかった。父が毎日作業着を着ていたからだ。父は朝早く起き、作業着を着て仕事に向かい作業着を汚して帰ってくる。その姿がかっこよかったんだ。小さい頃から見ているその姿が今も脳裏に焼き付いている。
父は毎朝家を出る前に、寝起きの家族を1人ずつ周り背中を叩いた。当時は何とも思っていなかったが実家を離れた今、あの時背中で受けた父の温もりが俺を支えている。
泥だらけを気にもせず、何も言わず人の幸せを祈る。不器用だからこそ、真っ直ぐしか知らない。父はそんなブルースだ。